人間賛歌・もっちゃん4649

不思議な癒しの力を (2007年11月の自分史)


母は歩き方を忘れたようで、後ろから支えてあげているけれど、

足を動かせないで 突っ立っていることが多くなりました。


1メートルの範囲なら 椅子や机などを支えにしながら移動出来ていたのですが・・・


一番先に目立つ衰えは足に来ました。

母にはその自覚が長続きしないので、楽天的な生活が出来ています。


トイレに行きたくなったら、ベッドに腰掛けてポータブルトイレの蓋を

ガチャガチャと開け始めますから、その音が合図で走ってくれば間に合います。


さりげなく介助しないとプライドはまだしっかりありますからね~


「何かお手伝いできることはありませんか~」と言いながら、

下着を下ろして 便座に腰掛られるようにポータブルの後ろ側から誘導してあげています。


蓋が上がった状態なので手をさし伸べているのだけど、いっぱいいっぱいなのです。

身長がもう少し私にあれば 楽に介助ができるのに~


148cmでは少し足りません・・・

背伸びをしながらの介助です。


ここ3日くらい前から、突っ立ったまま一歩も足が進まなくなりつつあるのに気付きました。

トイレの前に立っていて ベッドはすぐ隣にあるのに、固まっていて・・・


右足を後ろから叩いて、「はい、右足を動かして~♪」と教えてあげて 促しているのです。

その間、「ありがとありがと♪」と絶えずお礼の言葉を口ずさんでいます。


しんどいことも「ありがとう」という一言があれば 不思議とストレスとして

相手には溜まっていかないのですねえ~


不思議な癒しの力を 言葉は持っています~


「ごめんね~、ごめんね~」も そう!


夜中のトイレを済ませ 水分補給を終わったのに、なかなか寝ようとしないので、

「どうしたの~?」と言うと、

「みかんを一つ食べたくなったの~」と机の上を見ています。


「じゃあ、取ってあげるね~」と渡して、私は布団に戻りました。


うとうと~と眠りかけた時に、また トイレの蓋がガチャガチャと大きな音で開くのです。

今、用足しを終えたところなのに~?と起きて見ると 

澄まし顔で満足そうにベッドに腰掛けています。


何で蓋を触ったのかなあ~?


開けてみるとみかんの皮を ゴミ箱と同じ感覚でそこに捨てたのでした。


「トイレの紙も、水洗便所に後で流すので 水に溶けるものでないとだめなのよ~!

ティッシュペーパーは水に溶けないから駄目だからね~」

と いつも言い聞かせて教えてあげているのに、ゴミ箱だと思っているのでした。


「みかんの皮は水に溶けますか~?

ここには水に溶けるトイレットペーパーだけしか入れてはいけないの~!

トイレに捨てて 水が詰まったら大変よ~」

と 清拭用のビニールの手袋を取ってきて 便器の中から みかんの皮を取り出し始めました。


じっと見ていた母が、「ごめんね~、ごめんね~」と 動き回る私を見て何回も謝るのです。


「はい、もう良いから休みなさい♪」と腹立ちも消えて 我ながら優しい対応ができたのでした。


知らん顔をしていたら、怒りは収まらなかったはずです。

夜中の2時過ぎに、何がみかんよ~!

食べた皮はポータブルトイレに 入れていいの~?

食べたままでおいといてくれたら 片づけが楽なのに・・・


ゴミ箱にいれて片付けようと言う気持ちがそうさせたのよね~

さっさと歩いてゴミ箱に行けたら こんな間違った応用動作はなかったよね~


だんだん落ち着きを取り戻せていったのです。


昨夜の一齣です(^^)


ますます歩行困難になってきましたから 入浴介助の内容を 寝たっきりの在宅支援に

来週から変更をお願いしました。

入浴車での介護になります。


1回の入浴代金は12500円ですが、個人負担は1割ですから助かります。

人間らしく生きていくってことは たくさんの援助を頂いて成り立っていると昨日は感じました。


介護を通して見えてきたもの~

それは、すべてに厚く感謝することでした~

PS

『現在、コメントを受け取らない設定にしています。』

楽しいお喋りサロンとして、既存の掲示板と画像掲示板を活用したいと思っています。

入口は置手紙の下方にあります。

皆様のお越しを楽しみにサロンでお待ちしています(*^_^*)



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