人間賛歌・もっちゃん4649

一粒万倍に (追憶の日々)


お父さんはきっと天国から 母との平穏な生活の喜びを 毎週お墓参りをして

報告している 私の姿を見てくれていることでしょうね


そう 今は大分県の実家で 母と二人 のんびりと優雅な生活を楽しんでいるところです


これもお父さんが苗代に蒔いてくれたタネが

一粒万倍に増えたおかげだと喜んでいます


先日の入浴介助のときに ヘルパーさんが気付いて下さったのです


「ヒロコさんたち4人の娘さんが 優秀で恵まれていらっしゃるのは

お父様の種まきの 収穫期になっているからではないかしら~?」と


大和は古い土地柄です


中でも私の嫁ぎ先はクンナカ(国中)といって宮跡ですから

特に人の目のうるさいところなのです


良い嫁の基準は 荷物の量で決まります


結納金の3倍の荷物をこしらえて 輿入れするのが慣わしでした


良い嫁どころか とんでもない恥ずかしい嫁だと 義母は取り繕うのに

たいへんな思いを初めからしたことでしょう


義姉が結婚したばかりでしたから その中身を貸してもらって

荷物を見てもらったと聞きました


「九州からの嫁なので 仕度はこちらでするそうです」と 

話を作ったと聞きました


結納金は 40年前に30万円いただいたそうです


私は当時東京の調布市で勤めていましたから 年度末まで仕事があり

大分には帰っていませんでした


だから 結納品のお飾りの立派な様子は 写真で里帰りをした時に見せてもらったのです


嫁入りするのに 着物一枚用意していないのですから 

蔑みの目を向けられても仕方ありません


初めから嫁失格の烙印を押されたのは当然なのです


大学を出すまでが親の務めという九州の実家と 3倍の嫁入り荷物をこしらえるのが

親の務めだとする 大和の文化の違いに泣かされました


露骨に胸をえぐる言葉を口にされて 悔しくて 渡り廊下の壁を何回蹴飛ばしたことか・・・


自分で選んだ結婚でしたから 親に心配はかけられませんもの


「結納金としていただいたお金はどうなったの~?」と 母に聞いたところ

「種は苗代にまくんじゃ。」 といって

すっきり献金してしまったと言うことでした


当時 教師の初任給が一万三千円ちょっとでした


初任給の23倍ですから 今現在の初任給は18万足らずなので

4百万円くらいの額をいただいたことになります


着物1枚用意するでなく 惜しげもなく いそいそと持っていった父を

私はずっと恨めしく思い続けました


一言の相談もなく 鬼の住む中に裸で放り込む親が

どこにいるの~と怒っていました


父親への拒絶感を ますます強めたのは否めない事実でした


でも 今がすべての答えなのですよね


人にも物にも すべてのものが自由に豊かに与えられている環境が

実現しているのは お父さんが種まきを大きくしたから

それが収穫となって 私の上に降り注いであるのですよね


目先の小にとらわれるか 堅く閉ざした掌を大きく開いて掴みなおすか

小人と大人の岐路ですよねえ


夫の健康も大きくいただけたし 7年前に興した会社も順調に育っていると

HPをいつも開いて見ては喜んでいます


実家の後継者になった次男の長女も 今年は高校受験の年を迎え

夢に向かってがんばっているそうです


私を取り巻くすべてのものが 大きな幸せの渦の中で 周りを巻き込みながら

喜びの輪を広げているのがよくわかります


終わりよければすべて良し


お父さんの英断であったことに 今頃気付いて感謝している 愚かな小人です


ありがとう~



黄実の千両です






PS

置手紙のことづて欄が不具合中ですので、

コメントの設定を開始したいと思います。


皆様のお声を楽しみにお待ちしています(*^_^*)






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