人間賛歌・もっちゃん4649

不思議な癒しの力を

母は歩き方を忘れたようで、後ろから支えてあげているけれど、足を動かせないで突っ立っていることが多くなりました。

1メートルの範囲ならまわりに椅子や机などを支えにしながら移動出来ていたのですが・・・

一番先に目立つ衰えは足に来ました。
母にはその自覚が長続きしないので、楽天的な生活が出来ています。

トイレに行きたくなったら、ベッドに腰掛けてポータブルトイレの蓋をガチャガチャと開け始めますから、その音が合図で家中にいたら走ってくれば間に合います。

さりげなく介助しないとプライドはまだしっかりありますからね~

「何かお手伝いできることはありませんか~」と言いながら、下着を下ろして便座に腰掛られるようにポータブルの向こう側から誘導してあげています。

蓋が上がった状態なので手をさし伸べているのだけど、いっぱいいっぱいなのです。

身長がもう少し私にあれば楽に介助ができるのに~
148cmでは少し足りません。
背伸びをしながらの介助です。

ここ3日くらい前から、突っ立ったまま一歩も足が進まなくなりつつあるのに気付きました。
トイレの前に立っていてベッドはすぐ隣にあるのに、固まっていてね~

右足を後ろから叩いて、「はい、右足を動かして~♪」と教えてあげて促しているのです。
その間、「ありがとありがと♪」と絶えずお礼は口ずさんでいます。

しんどいことも「ありがとう」という一言があれば不思議とストレスとして相手には溜まっていかないのですねえ~

不思議な癒しの力を言葉は持っています~

「ごめんね~、ごめんね~」もそう!

夜中のトイレを済ませ水分補給をしてあげたのに、なかなか寝ようとしないので、「どうしたの~?」と言うと、
「みかんを一つ食べたくなったの~」と机の上を見ています。

「じゃあ、取ってあげるね~」と渡して、私は布団に戻りました。

うとうと~と眠りかけた時に、またトイレの蓋がガチャガチャ大きな音で開くのです。
今、用足しを終えたところなのに~?と起きて見ると澄まし顔で満足そうにベッドに腰掛けています。

何で蓋を触ったのかなあ~?

開けてみるとみかんの皮をゴミ箱と同じ感覚でそこに捨てたのでした。

トイレの紙も、水洗便所に後で流すので水に溶けるものでないとだめなのよ~!
ティッシュペーパーは水に溶けないから駄目だからね~と、いつも言い聞かせて教えてあげているのに、ゴミ箱だと思っているのでした。

「みかんの皮は水に溶けますか~?
ここには水に溶けるトイレットペーパーだけしか入れてはいけないの~!
トイレに捨てて水が詰まったら大変よ~」と
清拭用のビニールの手袋を取ってきて便器の中からみかんの皮を取り出し始めました。

じっと見ていた母が、「ごめんね~、ごめんね~」と動き回る私を見て何回も謝るのです。

「はい、もう良いから休みなさい♪」と腹立ちも消えて我ながら優しい対応ができたのでした。

知らん顔をしていたら、怒りは収まらなかったはずです。
夜中の2時過ぎに、何がみかんよ~!
食べた皮はポータブルにいれていいの~?
食べたままでおいてくれたら片づけが楽なのに・・・

ゴミ箱にいれて片付けようと言う気持ちがそうさせたのよね~
さっさと歩いて行けたらこんな間違った応用動作はなかったよね~

だんだん落ち着きを取り戻せていったのです。

昨夜の一齣です(^^)

ますます歩行困難になってきた3日前の様子から入浴介助の内容を寝たっきりの在宅支援に来週から変更をお願いしました。
入浴車での介護になります。

1回の入浴代金は12500円ですって~

健康体で毎日温まっているのが当たり前みたいに思って過ごしていたけど、一月間37万円ほどかかるのですよねえ。

個人負担は母は1割ですから助かりますが、人間らしく生きているってことはたくさんの援助を頂いて成り立っているのだと昨日は感じました。

介護を通して見えてきたもの~

それは、すべてに厚く感謝することでした~

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