人間賛歌・もっちゃん4649

通信名は30年間変えずに

子どもが小さい時は家には60前の元気な祖父母がいましたが、3人の息子はすべて4年保育の私立保育園に入れました。

送迎バスが完備しているし、近くを通るので祖父母の負担を少しでも軽減できると思ったからです。
お昼前後に公立は帰ってくるけど、ここは夕方4時まで見てくれます。
田圃も畑もあるし、義父は再就職していたし、長時間の保育がありがたかったのです。

旧村なので共働きの家が少なく、たいていは公立の幼稚園に2年行き、そのまま小学校に入学となりますから、その子たちには緊張感はありません。
でも、息子たちには思いがけない苦労を何年も負わせる結果になりました。

長男は屈託のない性格なのでスムーズに溶け込んでいけました。
向いの家に元気な同級生がいてくれたおかげで、カバーしてもらえていたのでしょう。

次男、三男の場合は転入生のように孤独でした。
性格もシャイですから、かなりいじめの対象として中学年くらいまで苦労していました。

それに気づかない担任なのか、やんちゃな子どもたちに振り回され見て見ぬふりだったのか、おとなしい声を出さない子どもは一日中お客様のような緊張感の中でじっと耐えていたのでしょう。

子どもの親になり学んだことは本当にたくさんありました。
担任として同じ苦しみだけは何としても味わわせたくないと言う決意をしました。
当然生徒への気迫が違います。

どんな小さないじめだって許さへん~という強い姿勢を宣言しておくのはこの緊張感のある今なんです~
いい加減な手抜きをして、途中で修復するには大変な力が要りますからね~
何回か過去経験済みなんですから~

そのときは完璧に押さえたつもりでもその年の学級集団の質によっても、いじめは出てきます。
見るからにひよわなおとなしい友に何人かがいじめている情報が『今日の気づき』という終わりの会での反省文に書かれていたのです。

わが子のように一言も担任に声をかけてもらえない、どんな思いで一日を過ごしたかを聞いてもらえない生徒をなくそうと取り組みを続けていたのです~

毎日となると、何もなかった~普通だった~と言う生徒も多くなりがちで、それに対してはそれが最高よ~とコメントを書きます。
何もない平凡こそが幸せだったと気づいたことがあった話を添えて朝の会に返すのです。

私学の高校受験の国語の問題に写真が一枚貼られて出題されているのを見たことがあります。
この写真を見て感じた事を原稿用紙何枚にまとめなさいという、作文だけがテスト問題でした。

そこには交差点に立つ後姿の疲れた男が自転車を止めて信号待ちをしている様子がでていました。

さあ、あなたはどうしますか?

美しい風景なら感動も書けるでしょう~
珍しい画像なら驚きもかけます。
試験の会場で日常見慣れた無感動の写真から感じたことを書きなさいと言う問題を前にした時、よほどふだんから心がけて見る目を養っていなかったら、何もまとめられませんよね~

その力を今日の気づきの紙は養ってくれているのですよ~と励ますのです。

国語力を毎日つけているのだと思えばしっかり見るようになります。
みんな進路を切り開く日のあることを自覚していますから~

そして時折それは学級通信のネタにもなっていました。
中学生になると急に親子の会話ができなくなったとか、何を考えているんだかなど、反抗期の気難しさも手伝って男の子はよけいに無口になる傾向があります。
そんな年代はやはり発達を垣間見られる通信を親は希望し喜んでくれます。

担任も親の考え方を知ることができるので、下の方の5センチくらいに切り取り線をつけておき、
「見ました」という一言を書いていただくように工夫しています。
担任に伝えたいこともそこに書けますので、親の言葉も回数を増すごとに喜びに変わってくるし、子どもはそれをチラッと読めます。

親と担任が意気投合している様は子どもには心地よい眺めですから、1石3鳥の役割を果たすようになるのですよ~

学級懇談会の和やかで楽しいこと~
出席者の多いことでも有名でした~

同僚の中で不満を陰で述べていることを伝え聞くことが何年かに一度ありました。
学級通信は不公平感を与えるので止めるように言って欲しいと管理職に申し出たそうな~~

「生徒のために良かれと思ってやっていることの足を引っ張るのはおやめなさい!
それに代わるもっと素晴らしいものを私は子どものためにやるのだと言う前向きの姿勢を示さないと、子どもに遅れてしまいますよ~」
とはっきりとその人に伝えて教えてあげてくださいと答えました。

学級通信が目の敵になるのなら、学年主任になったら学年通信を書きます~
障害児学級担任になったら全校通信を出しますから~と明言していたので、その通りに文責は私だと通信名は30年間変えずにプチモナミで通しました~

打たれ強い性格は瞬間湯沸かし器にもなるし、粘り強く遂行する耕運機にもなれるんです。
同じ校区に30年以上はとてもやりやすい環境でしたよ~

こんなところは奇人変人なんだろうなあと自分でも思います。

明日につづく

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コメント一覧

もっちゃんです
きめ細かな毎日を真剣勝負で
おはようございます~



朝5時過ぎに起きて、初めから読み直していました。



ほとばしるように懐かしさがあふれてくる勢いをぶつけているなあ~と自分で感じていました。

現実の世界にいる人には、分かりにくい文章ではないのかな~とも思いつつ・・・



当時の目くるめく楽しい思い出が次々と浮かんできて、追憶の世界を楽しんでいるのです



幼稚園のブックトークでの印象が追憶の世界に入るきっかけを与えてもらえたと今はそれも喜びに変わってきています。



初めて体験する場面のショックが大きすぎて、きめ細かな毎日を真剣勝負で子どもに接していたらいいのにな~と何かアドバイスできないかしらとも思っていました。



教師のひよこさんの参考になれれば、幸い

です
教師のひよこ
いえいえ
貴重な秘訣を惜しみなく披露して下さり、有り難うございます。驚きと納得の連続です。



長きに渡る手抜きのない教育活動は、「プロの教師」という感覚に支えられていたんですね。自分に厳しくないとできることではないと思いました。



I君がどのように変わっていくのか、とても楽しみにしております。
もっちゃんです
本当にありがとう
教師のひよこさん、いつも身に余るお褒めのコメントをありがとうございます~



そのときは激動で濁流を必死に泳いでいるんだと無我夢中なんですが、気づくといつも一段高みに登り展望が開けていたと言う連続だったのです。



そんな35年でしたね~



中学は学級生徒だけでなく教科担任として4クラスほどの生徒のことも見ていましたから、いつも4月に心がけていたのは名前をできるだけ早く覚えること~でした。



指名するのに出席番号でと言うのはプロの教師がすることではないというポリシーもありました。

何回も書いて書いて体で覚えると言うゲーム感覚もたのしんでいたのです。



名前で呼ばれると、え~~っと驚く表情が快感でした~



ブログを読んでくださってコメントを寄せていただくと、続きを書いていいのだなって許可証を見る思いがしてきます



追憶は楽しいからどんどんあふれてきて、ついつい長文になり読みづらいのではないかとも~



お忙しいお疲れの中、ご訪問くださって本当にありがとう~

教師のひよこ
盛りだくさんです^^
保護者との連携について、素晴らしい方法を実践されていたんですね。しかもその様子を生徒が見ることも想定なさって。見事なアイデアです。どうやってそういうことを思いつかれるのでしょう。



「今日の気づき」にせよ学級通信にせよ、全く手抜きのない姿勢に、自然に生徒達も感服せざるをえなかったのだろうなと思いました。そういうことに敏感でしょうから。
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