人間賛歌・もっちゃん4649

静かな雛祭り

小雨の一日でした。

アスファルトの道はまだ新品そのものなので、油紙の上の水滴といった状態で雨粒が載っています。
大きい固まりになるとす~と流れて行き、また後は表面張力のように小さな水滴から始まっていくのです。

出来立ての路上に水滴状の雨粒が残っているのを見るのも初めての観察でした。

クウの散歩に朝夕と傘をさして出かけ、初めてみる路面をじっくり眺めてきたのです。
村人の姿も工事の人の影もなく、静かな雛祭りの日でした。
母と雛祭りの歌を歌い、和菓子のお雛様を前にして散らし寿司をお供えし、形だけのお祝いを愉しんだのでした。

白酒はないけど蜂蜜入りの甘いワインが頂き物であったので、けっこう度はきついのですが口当たりが良いので、少しずついただきました。

「私の7段飾りのお雛様は今はどこにあるのでしょう~?」とぽつんと思い出したようです。

3人の兄の下に生まれた長女だったので大変な喜びようで、当時は石炭船の景気もよく豪華な雛飾りを買ってもらったそうです。
88年前のことです。

「見事なお雛様だからね、捨てたりはしないだろうけど~
どうなったかしら~?」というのです。

「毎年飾ってもらって大事にされているでしょうよ~」と安心するように話をあわせました。

松山市の沖合いに浮かぶゴゴ島が母の故郷です。
私も2回くらい連れて行ってもらった記憶があります。
そのときはまだ母の従兄弟が健在でした。
兄弟は島を出て大阪で生活していました。

お墓参りには帰っていますが、お雛様のことは~?

母が守る立場だと思いましたが、命からがら大阪の大空襲で私と祖母と3人で大分県まで疎開してきた日があるので、いろんなものは持てなかったのは事実。

私の今日があるのはお雛さまよりも着物よりも、自分の命以上に大切に守りぬいてくれたおかげです。

大正5年生まれの母の人生は大きな山や谷をいくつも乗り越え、今の平安にたどり着けたのでした。

力尽きて今では自力で外に出かけることも出来なくなっているけれど、あの日に思いを馳せると守ってもらい育ててもらったことが真実として感じられます。

母が自分のお雛様を思い出した事から、私の生い立ちから今日までを思い出した一日でもありました。

母はいろんなことにすべてお礼を言います。
「ありがとう~、すみません」って。

私のことをヘルパーさんだと思っているのかしら?
あまりにも他人行儀だわって思うことがあり、
「私は誰?」と聞いてみます。
「娘のヒロ子さんでしょ♪」と笑っています。

母がありがとうって言えなくなっても、最期まで一緒に歩いていきますからね~と心の中で繰り返し思っています。

生み、守り、育て、幸せを願い続け、祈り続けてくれたお礼はお返しの仕様がないくらい深くて重いのです~
せめてご恩返しができる時に~とそんな思いでいっぱいなのです。

今日も静かな雨の朝~
のんびりとゆっくり一日を愉しみますね~

子犬のクウが家族になり、てんやわんやの大忙しの朝が続いていました。

ちょうど時を同じくして、家の下の道が舗装工事に入り車の出し入れが思うに任せず、2月いっぱいはボランティアをお休みしますと連絡を入れておきました。

すべて落ち着きを取り戻し、今日からボランティアの再開です
母もおかげで元気です。

犬の散歩をして洗濯を済ませ、9時過ぎから出勤してきますね♪

楽しいことにたくさん出会えますように~

気をつけて行ってきま~~す

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コメント一覧

もっちゃん
一年に一度は
娘さんの雛人形なんですね~

また、健やかでしあわせな日々を願ってお父さんお母さんで飾ってあげてくださいね~

一年に一度は飾って欲しいとねがっているそうですからね~
tuyosi
雛人形
お母様の雛人形何処に行ってしまったんですね
見事な雛人形見てみたいです

二人仲良くひな祭りを静かに楽しみましたか
ゆっくり進む時間を楽しんでますか
甘いワイン飲み過ぎなかったですか

我が家の雛人形は今年も押入れの中で静かに眠っていました
もう此処何年も飾られた事がないんです
日々の暮らしに追われ心のゆとりを忘れて来たようです。
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