2023年のアニメ映画。強い抵抗感に襲われる感じる作品だった。
龍賀一族は製薬会社として世間での力をもっていたが、当主が死亡する。
一族と取引していた銀行員の男は、一族の住む村へと向かい。そこで妻を探す銀髪の男と出会う。
目的の違う男2人は、村で殺人事件を目撃する。そして村の隠れた秘密を知ることになるがという話。
1回目観た時に『銀行員と銀髪の2人』の男がよく分からないキャラクターだったので、観ていて少し苦痛を感じていたけど、2回目観た方が状況が分かりやすくなって印象が良かった。
銀髪の男は、目玉の親父。つまり鬼太郎の父親。目玉の状態になる前の彼。銀行員の男は、第2次世界大戦で日本軍とした戦った元軍人の日本人。
アニメ版『ゲゲゲの鬼太郎;6期』の延長戦上にある作品らしいが『墓場の鬼太郎』のようにホラー要素が強くてグロテスク描写もあるので少し驚いた。
鬼太郎とネコ娘が冒頭と終盤に出ますが、それ以外は『鬼太郎の父』と『銀行員の男』を中心として物語が進んでいく。
世界観は横溝正史の金田一耕助の映画・ドラマを連想する。特に『八つ墓村と犬神家』。背景や権力者についての説明・演出方法も凄く似ている。
昔のアニメ版でも横溝正史の金田一耕助っぽい世界観な作品はあったりするので特に驚きはなかったが、気になるのは本作で『悪い妖怪』よりも『悪い人間』を強調して作られていることだった。
正直、それって『妖怪が主役と言えるゲゲゲの鬼太郎作品としてどうなの?』という疑問はあった。妖怪の印象が地味すぎる。
それと本作はテレビアニメ版の6期(+墓場の鬼太郎?)の延長にある作品のためか『知らない専門用語』や『設定』が出てきて、意味が分からない状態に陥る事が多々あった。知らない敵が登場して戦い始めるみたいな。知らないよ、誰だよ?みたいな。
観終わった後に思ったのは、強い抵抗感に襲われる感じる作品。それと1回目よりも2回目の方が印象は良かった作品だった(より違和感が明確にもなったが・・・)。
この作品が鬼太郎の過去を描いた作品として『正史』になる問題は、スターウォーズについての『現在の揉め事』にも通じるところがある気がする。