フラフラBLOG

なんかよくわからない方向に向かってます

流星ワゴン

2005年10月21日 01時04分38秒 | Weblog
最近仕事がとーってもつまんない!
まったくもって中身がないんですよねぇ。
とりあえず、当方に作業を振るのはいいけど、なんでこんな簡単なことができないのかなぁ・・・
時間が無いとかいうのは言い訳になりませんよ、ホントにもう!
学べるものが無いってことは、苦痛でしかないですね。

と、のっけから愚痴って申し訳ないです。

さてさて
先日、「流星ワゴン」を読了しました。
以降、半分ネタバレなので気をつけてくださいね。

公私共にクタクタで人生投げ出す寸前の主人公の前に一台の赤いステーションワゴンが止まります。
この車に乗っている橋本さん父子に連れられて、過去に飛ぶわけです。
自分の気がつかなかった人生の分岐点。
当方もそういうことがありますが、今思うと「ああしておけばよかった」とか、「今考えるとそういうことだったんだ・・・」みたいなそんな小さなきっかけ。
それ以上にその分岐にすら気がつかない、そんなこともあると思います。

主人公も自分が気がつかなかった分岐点に連れて行かれます。
結果がわかっているからこそ、何もできない、でも変えたい、そんなジレンマがものすごく良く伝わってきます。
多分、当方もそう感じるだろうなぁ。
えっ!?そこなの?みたいな。

それ以上に良いのが家族について。
この小説の肝ですね。
親子だけれどもお互いの気持ちはなかなか伝わらず、伝えられず、伝えず。
このステーションワゴンで過去へ行き来している間に、お互いの気持ちがだんだんとわかってきて、それがまた切ないんです。
主人公の父親に対する印象がだんだん変わっていくわけです。
当方もこの歳になってくるとなんとなく父親に対する印象は変わってきていますね。
なんていうか、気持ちがわかるというか、う~んうまく言えないなぁ・・・
でも、過去にもどった主人公とそこで出会う父親との関係がすごく良いんです。
「父さんと呼ぶな」とか「俺とお前は朋輩だ」とか、父親は主人公と親子ではなく友達になって行きます。
同じ年だったらきっとそういう仲になるのかもしれませんね。
なんだかうらやましいです。

さらに、主人公には息子がいるわけで、コレがまた難しい関係です。
子供どころか相手もいない当方としては、わかるようなわからないような、そんな息子の引きこもりと家庭内暴力。
その原因があのときのあの行動で、しかも息子が抱える孤独と焦りに気づかなかった自分。
自分と父親の関係が、そのまま息子と自分の関係に重なっています。
当方もそんな感じになってしまうんでしょうか?

とにかく身につまされます。
考えさせられるし。
最悪な現実だけど若干ハッピーエンドな終わり方に当方はかなり救われました。
本当はもっともっといいシーンが沢山あるんですが、当方の表現力の無さとボキャブラリの無さに・・・あぁ情けない。
良さが全然伝えられない・・・

この小説は20代後半~40代くらいの男性には重くのしかかるような内容かも。
親子とは何かっていうことを考えさせられました。

今後当方がもし結婚して、もし子供が生まれて、一段落ついたころにもう一度読み返してみると、印象はまた違うかもしれませんね。

いやー、本当にオススメですよ!
もちろん女性でも十分楽しめると思います。