♪運命の恋人、あなたは私を傷付けた 私の心を粉々に壊したまま、あなたは行ってしまう 運命の恋人、分からないの? 返しておくれ、元に戻しておくれ 私から取り上げないで だって、あなたは知らないのだ それが私にとってどんなに大切なものか… 運命の恋人、どうか行かないで あなたは私の愛を受け入れておいて、私を置き去りにしようとする…この恋が風に散って全てがばらばらになってしまった時、あなたは何もかも忘れ . . . 本文を読む
何年か前、知人に『母と子におくる教科書が教えない日本の神話』(産経新聞社、出雲井晶 著)の本を薦められ、購入して読んだが、とてもよかった。著者は暖かみのあるイラストも描いており、この挿絵がモノクロなのが残念。いきなり古事記を読め、と要求されても大儀だが、この本は子供ばかりか大人も楽しめる本だった。
まず、日本の国つくりの話が面白い。イザナギ、イザナミの夫婦神が雲に乗り、天沼矛(あめのぬほこ) . . . 本文を読む
NHKの大河ドラマ「風と雲と虹と」は平将門が主人公だった。原作である海音寺潮五郎の『平将門』も読んだが、坂東の英雄を描いた小説ながら、戦記ものより人間ドラマの印象が強かった。特に将門をめぐる女たちとの関係は面白い。 英雄、色を好むというが、平将門は特に色好みだった訳ではない。だが、小説の将門は様々な恋に翻弄される。将門が初めて恋に落ちたのは耀歌(かがい)の夜、相手は源護の娘・小督(おごう)。TV . . . 本文を読む
NHKの大河ドラマでTVばかりでなく原作本も読んだのが、北条政子がヒロインの「草、燃える」だった。著書は永井路子氏で、クラスメートが持っていた本「北条政子」を借りてみたが、面白いだけでなく彼女に持っていたイメージと正反対だった。 北条政子といえば尼将軍と異名をとり、鎌倉幕府に絶大な権力を振るった女傑の印象がある。そして、我が子でもある二代将軍頼家やその子公暁の死にも無関係ではなかったので、冷血な . . . 本文を読む
仏教学者でもあるひろさちやさんは著書『昔話にはウラがある』(新潮文庫)で、浦島太郎について書いている。その解釈はとても面白かったが、子供にはとても聞かせられない昔話だ。 子供の頃に浦島太郎の絵本をご覧になった方は多いだろう。文部省唱歌でも浦島太郎の歌がある。一番と二番なら大抵憶えている。「昔々浦島は助けた亀に連れられて、龍宮城に来て見れば、絵にもかけない美しさ。乙姫様のご馳走に、鯛や平目の舞踊り . . . 本文を読む
もし、東条英機が独裁者ではないと断定したら、左派寄りの人ばかりか保守の方でも疑問を感じられるかもしれない。その東条英機を独裁者とはいえないと著書で書いた人物がいる。トルコ史研究家の大島直政 氏だ。 大島氏は著書『ケマル・パシャ伝』(新
潮選書)で、我が国は全く独裁者を必要としなかったし、独裁者といえるほどの人物が現れなかったという、世界でも珍しい歴史を持っている、と記している。
中東史に詳し . . . 本文を読む
品位を欠くエントリーで恐縮だが、サドマゾは現代人特有の歪んだ欲望ではない。この種の趣味は今昔物語にも見えるので、一例を紹介したい。
時代は平安末期の京の町。夕暮れに一人で町を歩いていた男が、さる家から白く小さな手が差し招くのを目にする。町の女が男を呼び込むのに使うものだ。女の
呼びかけに男が応じ、家に入ると二十歳位の若く魅力的な女が微笑んでいた。内心ほくそえんだ男はひと時の喜びを楽しんでい . . . 本文を読む
フェミニストたちが好む日本女性史観では、“常に抑圧されたいる弱者”との結論に必ず行き着く。だが、女性作家の書いたエッセイを見ると、そのイメージは完全に覆される。『歴史をさわがせた女たち-庶民篇』(永井路子 著)には、実に楽しい女性論が載っているので紹介したい。「この頃の女は実にけしからん。夫は朝早くから勤めに出るのに、妻の方は夫を送り出してしまうと、留守を幸い女ばかり寄り集まって、ぺちゃくちゃと . . . 本文を読む
水木しげるさんの『幽霊画談』(岩波新書)に“集団亡霊”の話が載っていた。その全文を抜粋したい。「昭
和30年7月28日、三重県津市の海岸で、女子中学生36人が水死するという痛ましい事故があった。その時にかろうじて生き残った一人の少女の話による
と、水面をひたひたと揺すりながら、黒いかたまりがこちらに向って泳いでくるのを見たという。それは何十人もの女性の姿で、ぐっしょり水を吸い込んだ防空
頭 . . . 本文を読む
人気雅楽師・東儀秀樹さんの母方の祖先は秦の始皇帝と言われる。始皇帝の裔(えい)功満王の子弓月ノ君が、山東百二十県の民を率いて日本に帰化したことは日本書紀にも記述があり、推古朝に至って秦川勝の名が現れる。司馬遼太郎の短編集『ペルシャの幻術師』(文春文庫)の中の「兜卒天(とそつてん)の巡礼」は秦一族の歴史を描いた作品だが、彼らは実は始皇帝とは何の縁もなく、実はユダヤ系のネストリウス派キリスト教徒との . . . 本文を読む