「あたしおかあさんだから」炎上に想うこと その③

その①、その②の続き、
「あたしおかあさんだから」への感想は様々見られるが、「元うたのお兄さんの「あたしおかあさんだから」が炎上するワケ」というブログ記事はやはり…という印象だった。ブログ主は武蔵大学社会学部教授（社会学）の千田有紀氏。検索したらwikiにも名が載っており、「専門は家族論・フェミニズム論。日本のフェミニスト、上野千鶴子の弟子」と解説されている。
　この歌が炎上したのは、ひょっとして彼女らによる煽動もあるのか、と想像したくなる。単に「良い歌詞なのに、何処が問題なんだ」と言っている男たちよりも、千田氏の主張には遥かに違和感を覚えた。

　記事では漫画家・瀧波ユカリ氏のツイッターが引用され、「子供も私のことおかあさんって呼ぶし夫も時々そう呼ぶけど、それ源氏名だしほんとの私じゃないし…」にはぶっ飛んだ。
「「おかあさん」はひとつの役割に過ぎないということを、「源氏名」と呼ぶあたり、面白い」と言う千田氏だが、源氏名といえば 『源氏物語』の女性キャラよりも風俗嬢を連想するのが一般的だ。ならば「おとうさん」も源氏名となってしまう。やはり漫画家は発想自体が一般勤め人と基本的に違っているようだ。

　千田氏は歌詞の冒頭を引用、こう批判している。
「「立派に働けるって強がっていた」というのは、シングルで働いている女性にも失礼である」「女性がパートタイマーという非正規雇用に就くのは、「おかあさんだから」…？」
　私も冒頭の「ヒールはいて ネイルして 立派に働けるって強がってた」の箇所は不快だった。このおかあさんの職業が歌詞だけでは不明にせよ、ヒールを履かずネイルしなくとも立派に働いている女性は大勢いる。

　おかあさんになる前に一人暮らししていたという個所も気になる。ひょっとして未婚のシングルマザーだった？一人暮らししていたという割に「苦手なお料理がんばるの」も解せない。自炊せざるを得ない一人暮らしは料理苦手を直すのに絶好のはずだ。
　但し、外食やコンビニ弁当中心の食事では何時までも料理は苦手のままだし、これではパートタイマーにしか就けないのは当然だろう。歌には夫や彼氏が登場しないのも妙。出て行ったのか？

　千田氏は「あたしおかあさんだから」のパロディ版ツイート「ぼくおとうさんだから」を紹介しており、歌詞を転載する。
ぼくはおとうさんだから（ってノリで）
趣味を諦めて
昇進も諦めて育休とって
低賃金だけど
君におもちゃを買うため
毎日毎日風邪を引いても
怒鳴られて辛くても
会社に行くんだよ

「「あたしおかあさんだから」が「泣かせる」ものに対して、「ぼくおとうさんだから」は悲哀を感じさせ、どちらかというと悲惨なものにしかならない」と断言する千田氏。ただ、それは氏自身の主観であり、私の場合は全く違う。「ぼくおとうさんだから」はファンキー・モンキー・ベイビーズの「ヒーロー」に重なるものがあり、子供のために必至に辛いことに耐える、まさにヒーローではないか！
　私には特に悲惨なものは感じなかったし、むしろ悲哀を感じさせられたのは、朝5時起でパートタイマーをしている「あたしおかあさんだから」の方だった。パートナーもおらず、養育費も貰えないのてあれば悲惨ではないか。私的には泣かせられなかったが。

　千田氏が「ぼくおとうさんだから」には厳しい所に、教授特有の尊大さが感じられる。彼女が会社員を見下しきっているのが明らかだし、この類の女教授は内心ではパートタイマーはもちろんOL風情は歯牙にかけない。エリート風を吹かしつつ、弱者の肩を持つフリをするのがフェミニスト教授の嫌らしさなのだ。
　面識がない赤の他人の私生活に興味を持つのは女の悪癖だが、ふと千田氏や「のぶみ」氏には伴侶や子供がいるか？と思った。「シングルで働いている女性にも失礼である」と言っている所から、恩師の上野センセイと同じく千田氏も子供がいない独り者？

　一方のぶみ氏は、「少年時代はいじめや不登校を経験し、高校時代にはチーマーと呼ばれた不良グループのボスだった」（wiki）そうだが、家族への記載はない。2018年2月10日付livedoor'NEWSには、「『あたしおかあさんだから』作詞者のぶみ氏のヤンキー経歴に疑問の声？」という記事がある。
　果たしてどちらの経歴が真実なのか、確かめようもないが、経歴詐称がまかり通っているのが作家の世界。「あたしおかあさんだから」はそんな作家の作品なのだ。

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