トーキング・マイノリティ

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ネットで医師を名乗る者 その③

2018-08-24 21:10:19 | マスコミ、ネット

その①その②の続き
 今年5月末から6月初めにかけ、医療従事者を自称するtoho(以下t)なる人物からコメントがあった。初書込みで欧州人の女との結婚生活を延々と書き連ねていたが、終始美しい妻と結婚したと自慢話に興じているだけだった。
 だが日本人と結婚したにも関わらず、この妻は日本人を蔑視しきっており、日本の女をブサイクと罵倒する。日本人だけではなくアジア人の容貌を貶しつけ、サル呼ばわりすることも。それでも「自分の妻は何と美しいのか」、とのろける。

 レイシストの白人女でも心底崇拝するのは勝手だが、この類のコメントは実に嫌味。加えてこの頃は叔母や母が発病したことも重なり、年代的なこともあって精神不安定状態だった。こんな書込みは早々削除、スルーすべきだったが、後悔というやつは何時も先立たない。

 t氏の書込み時間も気になった。はじめが2018-05-30(水) 03:41、06-02(土) 03:39、06-05(火) 01:57、削除した4回目は06-06(水) 04:42。4回目が最も長く、文面から方々のサイトに長文コメをしていることが伺えた。氏いわくこの時間のコメントは、「医療に従事する人間の夜勤生活」とのことだが、夜勤中心なのか??
 ひと口に医療従事者といえ、医師や看護師ばかりではない。wikiには国家資格のある従事者だけで20種以上も載っており、介護士も医療従事者に含まれるので、相模原障害者施設殺傷事件の犯人・植松聖も医療従事者なのだ。

 ただ、医療従事者の自称で、ap氏を思い出してしまった。彼女の書込みは毎度侮日があからさまで、何かにつけて外国を持ち上げ、日本社会や日本人を貶しつけるパターン。t氏もTwitterで「醜い日本人女性」と書いたジャーナリストを例に挙げ、それに賛同しているらしく、ap氏と同類に見えた。「醜い日本人女性」を書く者の素性は大体見当がつくし、掲示板やブログにもその類の書込みを見かける。
 匿名故にt氏の書込み内容の検証は不可能だが、ap氏は私がこれまで関わったブロガーでも最低の女だった。私がコメンターの書込み時間をチェックするようになったのも、この女のことがある。尤も匿名を悪用、ホラ混じりの自慢話に興じているだけならば、ネットを利用する偽医師に比べれば人畜無害だろう。

 医師を装う結婚詐欺という手口は昔からあるが、本物の女医が被害者となる事件まで起きている。2017.2.28付産経電子版で、「エリート女医2人を手玉に…「ランボルギーニ自慢」のニセ医者〝イケメン結婚詐欺師〟の狡猾手口」を報じている。
 石田恭介容疑者(当時32際)は、インターネットの会員制「合コン」サイトを利用して女医をカモにしていた。またFacebookには、ランボルギーニやベンツなどの高級車と一緒に写った自身の写真や、購入したブランド品を自慢する記事などが掲載されていたという。合コンサイトでたまたま女医と知り合ったのではなく、端から女医をターゲットにしていたようだ。

 2017.3.20付読売オンラインにも同じ事件が取り上げられており、記事名は「婚活女子必見!これでもうニセ医師にだまされない」。ライター自身もフリーランス医師というが、事件の背景をこう分析している。
女医なのだから、ちょっと話せばホンモノかニセモノか見抜けそう」と思われるかもしれない。しかし、女医は医大生時代~20代を猛勉強に費やす。そのため、年齢の割に恋愛経験が乏しく、疑うことを知らない草食系が多い。これが裏目に出たのかもしれない…

 さらに「女性医師の生涯未婚率:35.9%」(2012年総務省調査より算出)で、女医の結婚難は深刻らしい。医者同士で結婚すれば、と思うのは門外漢の安易な見方なのだ。今からみればお笑い草だが、ap氏のような社会観が本物の女医を追い詰めていたはず。
「女性や母親が一人前に働けて子供を育てることができ、仕事を通じて社会に貢献し、自尊心を持って生活できる方が良いと思うのです…」(2010-02-01 05:25

 ネットで医師を詐称する不心得者は一部だと思いたいが、読売オンラインの記事はこう結ばれている。
「ニセ医師は一日にしてならず」というか、医師ブランドを求める女性がいるから、ニセ医師が生まれるとも言えそうだ。「男性を職業や年収で見るのではなく、時間をかけて人格を見極める」使い古された言い回しだが、これこそが、結局はニセ医師や結婚詐欺師の魔の手を避ける王道だと思う。

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ネットでデマをまき散らす者

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