
有名な迷宮入りの猟奇殺人事件をテーマにした映画なので、私にとってこの秋最大の注目作だった。サスペンス性はイマイチだったが、戦後まもなくのアメリカのファッションや時代の雰囲気、BGMに流れるジャズはよかった。
1947年初めのロサンゼルス。体を腰で切断され、口を耳まで切り裂かれたうえ、血や臓器を抜かれた若い女の惨殺死体が発見される。映画には登場しなかったが、この事件を捜査した者にあの“アンタッチャブル”で名を挙げたエリオット・ネスも いたのだ。事件は結局現代に至るまで闇の中だが、それにしても中国の処刑よろしく「腰斬の刑」で殺害されたのが若い女だったとは惨い。首切りと違いこの殺 害は即死せず死ぬまで時間がかかるため、断末魔の苦しみは想像を絶する。こんな刑罰を行っていた国は中国くらいだろう。
斬殺された女エリザベス・ショートは、黒ずくめの着衣の黒髪美人だったことから「ブラック・ダリア」とあだ名される。映画では富豪一族が鍵を握る話になっていたが、被害者そっくりという設定の富豪の長女役がヒラリー・スワンク。 映画では被害者に似ていることを強調されていたが、私は顔立ちも雰囲気もあまり似ているとは思えなかった。ヒラリー・スワンクは富豪のお嬢様の役はやはり 合わない。以前彼女は『マリー・アントワネットの首飾り』の主役を演じたが、落ちぶれたといえフランス貴族の令嬢の気品が全くなかった。
主人公のロス市警コンビ共通の恋人役がスカーレット・ヨハンソン。『理想の女(ひと)』の純真な若妻とはまるで印象が違い、謎めいた美女の役どころ。フィルム・ノワールにはやはり謎めいた金髪美女が似合う。下着の後姿で、肌に付けられた傷跡が映されるシーンは官能的。
映画の冒頭は水兵とメキシコ系住民とのトラブルから発生した暴動から始まる。人種対立から暴動に至るとは、'92年にも起きたロス暴動を思い出したが、様々な人種が存在するロスというのはヘイトクライムが起こり易い土地柄なのだろう。メキシコ人が白人水兵に殴打されても、警官は見ないフリどころか、煽ったり手を貸す者までいるアメリカの実態が分かり興味深い。
階段の踊り場での死闘と殺害シーンは、パルマ監督の以前の映画『アンタッチャブル』を思わせる。またしても同じような場面が出て来たのは懐かしいというか、二番煎じというか…
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1947年初めのロサンゼルス。体を腰で切断され、口を耳まで切り裂かれたうえ、血や臓器を抜かれた若い女の惨殺死体が発見される。映画には登場しなかったが、この事件を捜査した者にあの“アンタッチャブル”で名を挙げたエリオット・ネスも いたのだ。事件は結局現代に至るまで闇の中だが、それにしても中国の処刑よろしく「腰斬の刑」で殺害されたのが若い女だったとは惨い。首切りと違いこの殺 害は即死せず死ぬまで時間がかかるため、断末魔の苦しみは想像を絶する。こんな刑罰を行っていた国は中国くらいだろう。
斬殺された女エリザベス・ショートは、黒ずくめの着衣の黒髪美人だったことから「ブラック・ダリア」とあだ名される。映画では富豪一族が鍵を握る話になっていたが、被害者そっくりという設定の富豪の長女役がヒラリー・スワンク。 映画では被害者に似ていることを強調されていたが、私は顔立ちも雰囲気もあまり似ているとは思えなかった。ヒラリー・スワンクは富豪のお嬢様の役はやはり 合わない。以前彼女は『マリー・アントワネットの首飾り』の主役を演じたが、落ちぶれたといえフランス貴族の令嬢の気品が全くなかった。
主人公のロス市警コンビ共通の恋人役がスカーレット・ヨハンソン。『理想の女(ひと)』の純真な若妻とはまるで印象が違い、謎めいた美女の役どころ。フィルム・ノワールにはやはり謎めいた金髪美女が似合う。下着の後姿で、肌に付けられた傷跡が映されるシーンは官能的。
映画の冒頭は水兵とメキシコ系住民とのトラブルから発生した暴動から始まる。人種対立から暴動に至るとは、'92年にも起きたロス暴動を思い出したが、様々な人種が存在するロスというのはヘイトクライムが起こり易い土地柄なのだろう。メキシコ人が白人水兵に殴打されても、警官は見ないフリどころか、煽ったり手を貸す者までいるアメリカの実態が分かり興味深い。
階段の踊り場での死闘と殺害シーンは、パルマ監督の以前の映画『アンタッチャブル』を思わせる。またしても同じような場面が出て来たのは懐かしいというか、二番煎じというか…
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昔の映画は、タイトルくらいしか知らないんですっ。
監督さん・・って、結構、前に使った場面を使いまわしたりするもんなんですね。
まぁ、気に入った場面なのか、新発想がなくて同じ場面作っちゃったかは、人それぞれなんでしょうが・・。
また、よろしくお願いしまーーす。。
この映画の場合、殺害されたエリザベス・ショートが何故、「ブラック・ダリア」と呼ばれていたか。それ自体も、あまり説明されていなかったように思えます(映画のパンフレットで、ようやく納得できました)。
仰るとおり、被害者そっくりという設定の割りに、あまりにも似てなさすぎて、一人二役の方が良かったと思えます。
(戦後すぐのアメリカの雰囲気が出ていたのは、私も感じましたが(実際、私はその当時は生まれていなかったわけですが)、何だかそれをまねた、ディ○ニーの世界のような感じもしました。)
ところで、ファイアー&アイス&ケイがデート(?)で見ていた映画は何だったのでしょうか??某QさんのPVでも見たことがあるような??
「アンタッチャブル」は私のお気に入り映画で、ビデオを持っているので、階段の踊り場シーンは憶えています。ジャッキー・チェンも何かの映画で、パロディに使ってました。
ただ、今回の映画は同じ場面でもインパクトが弱かった。最初を越える設定も難しいのかもしれませんが。
こちらこそ、これからもよろしく!
これはアメリカ映画なので、有名な猟奇殺人事件「ブラック・ダリア」の説明があまりされてなかったのかもしれません。
アメリカの戦後すぐは私の両親もまだ子供だったので、当然その時代の雰囲気は分かりません。
ただ、何度か映画を見て頭の中で作られたイメージが、そのままアメリカの戦後の雰囲気に繋がったのかも。
これもまた、所詮は仰るとおりディ○ニーの世界かもしれませんね。
ファイアー&アイス&ケイが見ていた映画は不明ですが、某QさんのPVでも出て来たでしょうか?全然気付きませんでした。