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9月5日放送のダークサイドミステリー「人民寺院事件 本当にその道しかなかったのか」は考えさせられる。人民寺院事件と言っても、オウム真理教事件さえ記憶が薄れている現在、今の若い方の大半は知らないかもしれない。番組サイトは人民寺院事件をこう紹介している。
―私は大丈夫、と思ったら大間違い。900人以上の集団自殺・人民寺院事件でなぜ人々は死を選んでしまったのか。生存者の証言から描く、身近なマインドコントロールの恐怖。
1978年、世界に衝撃を与えた900人以上の集団自殺。差別のない理想郷を目指す宗教団体“人民寺院”の信者は、なぜ教祖ジム・ジョーンズによって死を選ばされたのか?癒しと信頼の相手がいつの間にか、絶対服従で縛る恐怖の存在に。
自分の意思が奪われるマインドコントロールの危険は、ドメスティックバイオレンスや虐待など私たちの身近にも存在する。元信者たちの貴重な証言から、人々がワナにはまる経緯と恐ろしさを描く。
集団自殺事件のあった1978年11月18日、私はまだ十代半ばだったが、メディアで流された信者たちの累々たる死体には、大人さえ戦慄を覚えたはず。トップ画像はそのひとつだが、いかに遠い国での出来事にせよ、宗教団体によりこれほど大規模な集団自殺が行われたことは信じられなかった。
しかも不可解なことに、アメリカの宗教団体の人民寺院がガイアナで集団自殺しているのだ。当時はカルトという言葉は社会に定着していなかったが、900人以上の信者が集団自殺というだけで極めて衝撃的だろう。また当時は洗脳という用語は知られていても、マインドコントロールがそれに取って代わったのはオウム真理教事件以後だった。
人民寺院事件が報じられた後、私はある週刊誌の特集記事を立ち読みしたことがある。件の週刊誌名はよく覚えていないが、たぶん週刊朝日だったと思う。というのも、昔は父から週刊朝日はゴシップやエロ写真があまりない良質な週刊誌と言われたことがあり、見た週刊誌は朝日が殆どだったから。尤も父は朝日新聞を購読したことはなかったが。
件の週刊誌にはジム・ジョーンズの父はクー・クラックス・クラン(KKK)のメンバーでも、母はインディアン(※当時ネイティブ・アメリカンとは言わなかった)女性だったと書かれていた。KKKメンバーだった父は先住民の妻やハーフである息子に愛情を持たなかったともいう。まだ十代半ばの私には何故白人至上主義のKKKメンバーがインディアン女性と結婚したのか分からなかった。
しかし、番組には母リネッタの写真が映されたが、どう見ても白人だった。ジョーンズは母からチェロキー族の血を引いていると自称したことがあるが、母方のまたいとこは後にそれは正しくないだろうと述べたことがwikiに載っている。上のジョーンズの画像からはあまり白人らしく感じられず、この辺りが先住民族の血を引いていると思われたのだろうか。
番組では報じられなかったが、wikiにはジョーンズが共産主義の影響を強く受けていたことが書かれている。敬虔なクリスチャンどころか、共産主義にかなり入れ込んでおり、初期の人民寺院は人種間融和を掲げた伝道団体であった。多数の黒人が入信したのもそれが大きい。
教団の重要幹部には10人ほどの女性信者がいたことは番組で取り上げていた。マインドコントロールされた女性信者たちは教祖に従順で、教団拡大のためには手段を選ばず、夜中に教会周辺の家々のゴミを漁っていた。各人の出すゴミの中には手紙やカード利用請求書があり、それらから情報収集を行っていたという。
若く美しい女性信者を侍らせていたのはオウム真理教の開祖・麻原彰晃と重なるが、彼女らは単なる性欲の対象ではなく、教団の広報係かつ秘密警察でもあった点も同じだった。幹部の女性信者は大学で教育を受けた者が選ばれたという。
教団施設を人里離れた新天地で開設したのもオウムと同じ。教祖の名を取ってジョーンズタウンの通称で呼ばれるようになる。しかし、その後は大きく違った。オウムは教祖以下、自ら命を絶った者は皆無だったから。
何故教団が集団自殺に至ったのか、1時間の番組を見ただけでは全く分からない。教祖の狂気が大にせよ、マインドコントロールを受けた信者は教祖の命に背くことも出来ない。
服毒自殺により全体で918人が死亡、その3割強の304人が未成年であったという事実には言葉もない。これだけ多くの子供たちを道連れにした教祖の罪は許し難いが、結局は他国で自滅した人民寺院。テロで多数の一般人を殺傷したオウムよりマシと思う日本人は少なくないだろう。
◆関連記事:「カルト」
「宗教に救いを求める人々」
「父が子に語る宗教への対応」
「人を幸福にするはずの宗教?」
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自分の行った判断が『正しかった』と思いたい❗そういう心理が信仰を支えたというのです。
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小さなことでは、私たちは『自動車を買った後でそのカタログを読み返す』という行動をしがちです。これが『自分の判断は正しかった』と再確認する行為なのです。
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こうした性向が狂信を育てる基礎となっていることを発見したことが、今回の収穫でした。
人民寺院やオウムは極例かもしれませんが、新興宗教信者は概ね自分たちを『一般の人達よりも上位の存在』と思っており、そうでなければ信者などやっていられないはず。
そして自動車の例えは唸らせられます。自動車に限らずテレビや電子レンジ、冷蔵庫を買った後でも同じ行動を取りがちです。電化製品を買った判断が狂信を育てる基礎になっているなら、マインドコントロールにも通じます。
関心をもっていてこの事件を知りました。
WIKIみるとオウムによく似ていると思います。
マインドコントロールも中国共産党の手法とありますね。共産主義と宗教のヒエラルキーシステムは親和性が高いようでw
そういえば93年にブランチ・ダビディアンというアメリカのカルトも州軍とFBI相手に大立ち回りしたあげく集団自殺しましたね。80人程度の死者なのですが私はカルトの集団自殺というとこちらの方がインパクトが強いのです。宗教団体鎮圧で
アメリカが戦車を突入させたのが驚きで。当時
中学生でしたがびっくりしました。
だいぶ後に知ったのですがオウムが自動小銃を密造
を仕掛けていることをしった自衛隊はサリンと自動小銃攻撃してくることを想定して戦車隊をサティアンに突入させる計画があったと知り上記の事件を連想し2度驚いたのです。
そういえばブランチ・ダビディアンというカルト集団もありましたね。武装して米軍相手に大立ち回りしていたことを忘れていました。本当ならこちらの方が過激なのに、人民寺院のほうを憶えているのは当時の私は十代半ばだったからでしょう。
自衛隊が戦車隊をサティアンに突入させる計画があったことは初めて知りました。自衛隊はオウムが自動小銃密造を仕掛けているという情報を掴んでいたことも初耳です。オウムは単なるカルトではなく、北朝鮮との繋がりの噂が絶えません。