のんびり年度末までに読了しようと思って読み始めたこのシリーズだったが、八巻中、五巻までしか読めていない。
五巻は珍しく間を空けず読んだためか、集中力が持続して楽しめた。孔明の冴え渡る知謀、策と策のぶつかり合い。あまり予備知識がなくても面白いが、できれば当時の中国について少しは知った上で読むべきだなと感じた。
たとえば鉄砲のような兵器が登場するが、どういったものなのか。当時の軍船の大きさや形状は。等々、知識のなさが影響して勝手な想像に頼るしかなかった(たとえば元寇のイメージで思い描いたり)。
ところでこの五巻の解説で知ったが、三国志も一種の芸能として成立してきたという。平家物語然り、真田幸村のエピソードもそうだ。時代や場所を違わず、人々は軍記物、なかんずく興亡史、滅びゆくものの物語を愛するらしい。
中国はいずれアメリカと肩を並べる存在となろう。私たちはその狭間で生きていくことを強いられる。そのメンタルを知り、展望を窺うためにも、中国の歴史や芸能、文化に触れていきたいと思う。もはや好き嫌いで語るレベルを超えているのだ。
