このシリーズ、¥100でしか買わないぞと、せこいルールに縛られて、四巻がいっこうに手には入らず、話の流れを忘れてしまった。
ただでさえ人物を緻密には描かない作風ゆえ、また誰が誰だかわからなくなり、自ずとつまらない読書になった。どうにも感情移入できない。思えば三国志に関するゲームも漫画もほとんど手にしてこなかった。そこでこの年になって多量の登場人物にまみえると、正直根を詰めて読もうとも思えなくなる。
ただでさえ活字から離れがちな近頃なのに、このシリーズの通読が私の読書欲を削ぐらしく、ますます読書量が減ってしまった。矛盾というか、本末転倒というか。ここまで読んだからには全部読まねばなるまいし。
ところで意外なのは、果てなき興亡の中でも義を尊び、我欲よりも真・善を求めることを良しとする作風のあることだ。そういう心を、大陸の人々も持っていたのかということを、いまの中国のイメージからは想像しにくいのである。
