背表紙には、
「天下分け目の決戦の起因から終戦までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻」
とある。
以前から興味は持っていたが、結論の明らかな事件について、いまさら分厚い本3冊をもってしてまで読まなくともよかろうと、手が伸びなかった。
ところが、戦国諸雄とはいいながら、主人公格は石田三成だと聞き、俄然読む気になった。大河ドラマや島左近を描いたマンガの影響か、石田三成の生きざまに惹かれていたのだ。
いつものように、トレーニングしながらとか、入浴しながらのだらしない読書になったが、当たりの大河ドラマを観るように、読む毎に熱中できた。
上巻は、秀吉の最晩年から、家康が前田利長の謀叛を疑う慶長4年秋までを描く。関ヶ原に向かう前史である。
この作品で描写される家康と本多正信の狸っぷり謀将っぷり、つまり、いやらしさはマンガ『島左近』や大河ドラマ『真田丸』に踏襲されている。
無論、歴史は筆次第で、家康を悪く描いたもののほうが少ない。勝者であるし、長らく東照大権現として崇められた人物だから、必然なのだろう。
背表紙にあるように、さまざまな武将が、丹念に描写される。歴史絵巻という喩えも大袈裟ではない。面白い。
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