オーベルジュ漣は箱根の仙石原にある。10部屋を少し超えるほどのオーベルジュである。宿は仙石原のメインルートから少し奥まった高台にあり、閑静なたたずまいをしている。三月のとある週末、訪問した。
夕食は18時から開始と19時からの開始のふたつから選べる。到着の都合もあるだろうが、少し早めに到着して、18時から夕食にすることを勧める。理由は、食事をたらふく摂った後、少し一休みしてから自慢の温泉を楽しもうとすると、少し早めに夕食にした方がよいと思うからである。大浴場は23時までの利用になる。
季節のアミューズの後、オードブルに海の幸の贅沢なカクテルを選び、魚料理は伊豆下田産の金目鯛のポワレを頼んだ。海の幸のカクテルは、シェフのスペシャリテとメニューに書かれており、温泉卵に魚介を盛りだくさんに乗せ、あしたか牛のコンソメジュレを掛けたものでたいへん美味しい。金目鯛は松笠焼きのように鱗を付けたまま焼き、海老とイカ墨で作ったソースでいただく。
口直しのグラニテの後、メインの肉料理は、子羊のゆっくりローストにした。子羊の肉が大きい!なんでも一度燻製にした後、ゆっくりと低温で火を入れたとかで、ロゼ色をした肉はたいへん柔らかくうま味がある。これをシェリーソースでいただく。付け合わせの行者ニンニクと里芋、万願寺唐辛子もよく子羊にあっている。
一皿目のデザートは、パッションフルーツのパンナコッタ、二皿目には、バニラアイスを添えたガトーショコラを選んだ。これに小賀詞として焼き菓子が付く。焼き菓子は食べきれなければ、部屋に持って帰ってもよい。
朝食は、アサイージュースと玄米のシリアル、ジュースはいくつかのジュースから選べる。朝食の野菜は箱根西麓でとれた野菜を使ったもので、サラダなども選べるが、温野菜を選んだ。自家製のハムとわさび味のソーセージはたいへん美味しい。じゃが芋とビーツのポタージュの後、メインはオムレツではなく笹豆腐のステーキにした。みそ味のソースが美味しい。パンは自家製だそうだ。プチサイズのパンで米粉を使っているのかもっちりとしている。
このオーベルジュには素敵な温泉がついている。源泉は二つあり、大浴場の内湯は大涌谷のにごり湯のかけ流し、露天は仙石原温泉の循環である。たいへん素敵な温泉である。宿泊の部屋はたいへん快適で、THANNのアメニティが置かれている。温泉付きの客室もある。客室の温泉は仙石原温泉のお湯である。
(初出:食べログ)