PCがない数ヶ月間、とても不便だったけれど
何より辛かったのはDVDが観れないということ。
新品同様で帰ってきた我が子に舞い上がり
新しいHDDを買って、マウスも新調。
戻ってきたその日にDVDを観ようとしたら、
まさかの原因不明フリーズ、そして起動ディスクエラー。
また2日間旅立ち、
帰ってきた日の夜中に、夜中に観るべきではない映画を観る。
『COLDFISH』2010年/日本
監督: 園子温
脚本: 園子温 、高橋ヨシキ
音楽:原田智英
出演:吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵…
実は園作品体験は「愛のむきだし」のみ。
この作品は観よう観ようと思いながらも、
駄目な精神状態の時に観たら精神をやられそうで。
でも、観た結果、精神が病んでいる時にこそ観ればよかったと思った。
「愛のむきだし」が園作品の“陽”だとすれば「冷たい熱帯魚」はまちがいなく“陰”。
「愛のむきだし」が“深紅な生命力”だとすれば「冷たい熱帯魚」は“暗緑な生命力”。
1993年に実際に起きた埼玉愛犬家殺人事件が元で、
犬を熱帯魚に設定し直した映画。
ちょうど阪神大震災やオウム事件の頃だったので、
「ありえない事件」だったのにそんなに取り上げられなかったそうだ。
私も「あーそんな事件あったなー」くらいのもの。
感想を一言で言うとすれば、
「究極。」
これに尽きる。
色々な部分に「究極」という言葉を使いたくなる。
元の事件の残虐さはもとより、脚本の精密さ、非現実のようでリアルな演出、
でんでんの演技力、久しぶりに感じたあの感覚・・・・
どんな残虐なシーンさえも、あそこまでいけばカッコ良く感じ、
むしろ大声で笑ってしまいそうになる。
胸糞悪いほどおもしろい。
吹越満が演じた主人公のような人はいる。
でんでんみたいな人もいる。
神楽坂恵みたいな人も、黒沢あすかみたいな人もいる。
表向きには全く違う人間だけど、
みんな、何も語らない時の表情は似てる。
表と裏があるのがあたりまえ。
「動物好き」=「善人」なんてもってのほか。
人間って本当に分からない。
分からないのに私たちは一生を通じて普通に人と出会い、触れ合っている。
自分という人間さえも大して分かっちゃいないのに、
さらに分からない他人という人間が人生に多々登場する。
これが現実。究極に恐ろしい現実。
昔からこの部分がずっと引っかかってた気がする。
人当たりの良い人は怖い。なんか秘めていそう。腹黒そう。
なのに結局、人当たりの良い人に惹かれてしまう。
園作品はムダに「生命力」「生命力」と言われているけれど
これは果たして「生命力」なのか。「生命力あふれる」ってどういうこと!?
分からない。でも他の言葉はでてこない。
園子温は、大好きではないけど、
ものすごく気になる。
「血が好き」とか言っておきながら飄々としている感じ。
この人の中には、人間にまつわる何が他に詰まっているんだろうか。
次は続けて「恋の罪」を観ます。
映画の一言。
「違う死に方はしたくない。」
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