今回は、邦画中心。
「草原の椅子」/2013年 日本
監督: 成島出
脚本: 加藤正人、奥寺佐渡子、真辺克彦、多和田久美、成島出
原作: 宮本輝
撮影: 長沼六男
出演: 佐藤浩市、西村雅彦、吉瀬美智子、小池栄子 他
配給: 東映
敬愛する宮本輝さん原作。
上下巻を読み終わって、すぐにDVDを借りて観た。
というか、読んでいる最中から、早く観たくて
何度もTSUTAYAに足を運んでしまいそうになったけど、
読み終わるまで我慢して良かった。
キャッチコピーは
「ぼく、捨てられちゃった。」
私だったら、違うな。絶対。
シンプルだけど、
「人生は、これからだ。」みたいな方向の方が
原作の世界観がしっくりくる。
長年、映画化が難しいとされてきたのは、
パキスタンロケという撮影上の事情や、
トーマが以前にフンザに訪れていたという設定が、構成上、難しかったということはもちろん、
あまりにも、原作の世界観が深遠かつ壮大すぎたからかもしれない。
それが理由の一つかは不明だけど、
映画では、原作で描かれていたキャラクターより、
皆、ユニークで可愛らしく脚色されていたし、
宮本輝作品特有の、キリスト教の香りも皆無だった。
特に、主人公トーマを演じた佐藤浩市は、
原作では「スマート(smart)なトーマ」というイメージだったけど、
映画では敢えて、人間臭さを満開に出したのでは?と感じた。
でも、そんな一見ユニークな人間、一人一人にも、それぞれに考えや葛藤がある、
ということは、映画でも、とてもよく伝わって、すてきだった。
特に、ケースケ役を演じた子役の男の子は、
本当にすばらしかった。
母親(小池栄子)の声を聞いて、
吉瀬美智子に抱きつき怯えるシーンも
“演じて”いる、なんて全く思わなかった。
そして、小池栄子は相変わらず、
え~女優さんだな。
「八日目の蝉」/2011年 日本
監督: 成島出
脚本: 奥寺佐渡子
原作: 角田光代
撮影: 藤澤順一
音楽: 安川午朗
出演: 井上真央、永作博美、小池栄子 他
配給: 松竹
ずっと観たいと思いながら。
運良く、金曜ロードショーで。
上映順とは違えど、
タイミング良く成島出監督作品を同時期に観ることができた。
原作を読んでいないからか、
終わり方は、あまり好みではなかったけれど、
内容以上に、役者一人ひとりの個性が際立ってた。
井上真央は、THE井上真央だったし、
『草原の椅子』でも書いたけど、
小池栄子は、ほんと巧みな演技で、とてもすてきだ。
さらに、余貴美子や風吹ジュン、市川実和子、劇団ひとりをはじめ
脇を固める役者がはまり役すぎて、
もう、拍手したい気分だった。
「一命」/2011年 日本
監督: 三池崇史
脚本: 山岸きくみ
音楽: 坂本龍一
撮影: 北信康
出演: 十一代目市川海老蔵、瑛太、満島ひかり、竹中直人、笹野高史、役所広司 他
配給: 松竹
2年程前に、DVD買ったのに、
なかなか観られなくて、ずっと家に飾ったままだった。
満島さんが出ている作品の中でも、
こういった大作は、観るのが怖くて、勇気がいる。
「よし、観よう!」と意気込まないと、なかなか観られない。
なぜなら、観た後は、
作品のことしか考えられなくなることが、
観る前からよく分かっているから。
あらすじは割愛するが、
映画内では、江戸時代に流行したとされる
「狂言切腹」の真実が描かれている。
歴史モノや時代モノの知識が乏しい私でも、非常に興味深い内容だった。
なにより、役者陣の存在感が、すごすぎた。
名前を挙げただけでも、身震いするほど。
一人一人の感想を書こうと思ったけど、空が明るくなりそうなので、やっぱりやめておく。
ただし、満島さんに関して、今回一番心に残っているのは、
美穂(満島ひかり)が、
亡骸となって帰宅した夫、千々岩求女(瑛太)の血に染まった饅頭を、頬張るシーン。
この瞬間の、美穂と、満島さんの心を想像して
もう、
芯から、震えた。
涙も、出ないくらいに。
「白河夜船」/2015年 日本
監督: 若木信吾
脚本: 若木信吾、鈴本櫂
原作: よしもとばなな
撮影: 若木信吾
音楽: ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン
出演: 安藤サクラ、谷村美月、井浦新 他
製作: 株式会社ユマニテ
配給: コピアポア・フィルム
ユマニテが製作した作品。
原作がよしもとばななだということは、全く知らなかった。
安藤サクラ×井浦新は、『かぞくのくに』(2012)以来。
この2人の人間が放つ独特のにおい、やっぱり心地よい。
『百円の恋』と同時期に撮影された作品だったと思う。そして、『百円の恋』と同時期に観た。
女優・安藤サクラを、別の角度から堪能できる。
『百円の恋』や『0.5ミリ』が、「陽」を越えた「熱」、あるいは
「動」のサクラさんだとしたら、
この作品は、「陰」あるいは「静」の方のサクラさんなのだろう。
ただし、どこまでも“安藤サクラ自身”を観ているようだ、ということは、共通している。
中でも、この作品では、『ペタルダンス』(2013)の安藤サクラを思い出した。
日本アカデミー賞 主演女優賞は、期待していた反面、正直驚いたけれど、
「この映画を、短期間で撮らなければならないのが悔しかった」
授賞式でのサクラさんのこの言葉に、すべてが詰まってたように思う。
一言。あー興奮した。
日本の映画界が、変わってく―。
「ハロー!純一」/2012年 日本
監督・脚本: 石井克人、川口花乃子、吉岡篤史
音楽: 村上なぎさ
撮影: 町田博、鈴木靖之
出演: 加部亜門、満島ひかり、森岡龍 他
配給: ティ・ジョイ(配給協力 イオンエンターテイメント)
満島さんを、常に絶賛している石井克人監督作品。
子供たちに映画や映画館を好きになってもらうべく、
「子どもたちへ贈る映画のプレゼント」として企画され、賛同したスタッフ&キャストが集結して製作。
小学生以下は無料、として上映された。
スタジオジブリの鈴木敏夫氏も協力しているそう。
レンタル解禁後、すぐに借りた。
子供まみれの映画館でわいわいと観るのも楽しそうだったな。
こーゆうファンキーな役の満島さん、
映画で観るのは久しぶりだった。
思えばここ数年は、
現代の役自体、ご無沙汰なので、バッチリメイク&巻き髪の姿も新鮮だった。
独特の感性が爆発している時の表現も良いけど、この作品のようなわかりやすい役も、やっぱり、巧いなぁ。
観ていて心地良いなぁ。
オーディションで選ばれた子供たちも上手で、
変にませてなくて、素直そうで子供らしくて可愛かった。
こういう楽しいストーリーも、久しぶりに、良いな~と。
エンディングの歌も、アンナ先生(満島ひかり)が歌ってる。
相変わらず、潔い。
「バタフライ・エフェクト」/2004年 米
監督・脚本: エリック・ブレス 、J・マッキー・グラバー
音楽: マイケル・サビー
撮影: マシュー・F・レオネッティ
出演: アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート、エルデン・ヘンソン 他
配給: アートポート
もう何年も前に、友達に教えてもらっていて、
今年の元旦にやっと観た。
『マルホランドドライブ』(2001)や『ダイアナの選択』(2009)を観て以来、
時系列が複雑に絡み合った映画は、とても好み。
普段から、現実さえ、小説の中を生きているのでは?と考えることが多いので、
本当の世界に連れて行ってもらったような気分になる。
映画の一言。
「心地よい感性」
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