金属中毒

心体お金の健康を中心に。
あなたはあなたの専門家、私は私の専門家。

ぼくとけっこんしてくにになろう6回目

2011-06-17 17:02:13 | APH
ぼくとけっこんしてくにになろう6回目
20110617

 フランシスはパソコンを立ち上げた。しばらく触らなかったパソコンのキーボードはわずかにざらついている。ここはフランシスの隠れ家の1軒。ここを知っているのはギルベルトとアントーニョだけ。この隠れ家は悪友達の秘密基地だ。今はフランシスの所有になっているが昔はギルベルトの持ち物だった。旧東ドイツ時代に使っていた隠れ家のうちの1軒。
 東西統一の後、ギルは統一にかかわるあらゆる事務雑務をこなしていた。東の子供たち(国民たちを)一日でも早く統一ドイツ国民にするために。だが、ギルの努力はむしろ西の政府関係者には不審がられていた。というのも西ドイツ政府は旧東ドイツ秘密警察の全メンバーリストを欲しがっていた。これから先、統一ドイツ内で一番騒乱の元となりそうなのは悪い体制の中で権力を握っていた者達に違いない。西ドイツ政府はそう考えていた。だからあらかじめ秘密警察のメンバーに見張りをつけすぐに逮捕投獄できるようにしておこうと考えていた。旧東ドイツ政府は西の圧力に屈しメンバーリストをわたした。ところが西の秘密警察の調べたところ渡されたリストは古いもので、書かれたメンバーはもう故人であった。
 追求された旧東政府は答えた。「我々の持っている最新のデータを提供した。東ドイツの全てを把握しているのは東ドイツ本人だけである。」

 当然、追及はギルベルトにきた。最新リストを渡し、さらに逮捕投獄に必要なデータを提供するように秘密裏に要求された。この要求をギルベルトは完全に拒否した。


ぼくとけっこんしてくにになろう5回目20110528

2011-05-29 00:12:58 | APH
ぼくとけっこんしてくにになろうその520110529

 前回のその4やその3で音沙汰なしとか書いているが、実際はフランシスはイギリスにはつい数日前にも会っている。ただそれは国体の化身としてのいわば仕事としての会談であり、私情は混じらない。
イギリスも老大国と言われる存在であり、公私の別は完璧である。


 
 20110529の朝、パリはまるでロンドンのような雨雲に覆われていた。
ついでに書くとこの日ロンドンの天気は快晴であった。
フランシスはソファに深く腰をおろした。
今日はG8の予備会談がある。
会場はパリ。
イギリスもすでにパリにいる。
フランシスはいつも軽妙な世界のお兄さんらしくない重いため息を吐く。
はきだした息の代わりに吸い込んだ空気は、大量の湿気を含んでいた。
肺の中まで湿っぽくなりそうだ。
アーサーはいつもこんな空気をすってるから、あんなややこしい性格になったのだろう。


いつものG8なら、ここまで気が重くはならない。それにふだんのG8なら予備会談などしない。今回のG8は経済だけが話題ではない。今回の話題は重い。
ひとつは日本の原発事故。これについてはロシアからとドイツから議題として出されている。おそらく真っ向から対立するだろう。

日本の原発暴走事故、あれは天災というべきだとフランシスは思うのだが、他国には別の意見があるらしい。特にロシアは自分の時に世界中から非難されているだけに、今回の日本の事故は言いたい事を言うチャンスだと思っているだろう。
八橋も同情もロシアには無い。日本はさぞつらい思いをするだろう。
だが、まぁそれも国に生まれた宿命だ。それに菊の性格を考えればいっそ責められた方がまだしも楽かもしれない。




 

ぼくとけっこんしてくにになろう20110417

2011-04-18 02:27:40 | APH

3章タイトルうっかりきけない

「だから携帯もつながらないんだってば。ブログも更新されてないし、トーニョにも連絡してない。」
アーサーが最初に連絡してきたのは10日ほど前。あの時もいきなりのいやみと怒鳴り声から始まったが今回も同様。
と言うよりもこいつが俺に私的に連絡をとるときに、友好的に始まることなど無かったのだからいつも通りと言うべきか。
「そういうそっちはどうなの。ピーターと連絡ついたの」
アーサーが息を吸い込む間に短い質問を返してやる。
うっと声にならない返答が聞こえた。
あぁそうよね。シーランドと連絡がついていればおにいさんにこんな電話なんてしてこないよね。
次の反応が予測できるからフランシスは電話を耳から外した。
ばかぁという最初の声が聞こえてからえんえん15分。アルフレッドだのかわいいだのかわいかっただのという声が受話器を1メートル離してもがんがん聞こえてくる。そんな声を聞きながらフランシスは古なじみのことを考える。

馬鹿な子ほどかわいいっていうけどそういう意味ではアーサーがお兄さんにとって一番かわいい子だね。
海を隔てたあの子は愛情を与えられることに慣れてなくてで、与えることに不器用で、自分が愛されていないと信じ込んでいて。
ピーターに対して親としても兄としても自信が持てなくて。たぶんアルフレッドの時の失敗を引きずっているのだろう。

ぼくとけっこんして2011/4/6

2011-04-07 00:28:29 | APH
僕と結婚して国になろう
[chapter2:章連絡不能]

2011/4/6

フランシスの部屋から

 ドーバーを隔てた腐れ縁の古なじみから文句といやみだらけの電話がかかってきたのは3日前。
その話題は≪美幼児攻め、聖職者受け≫こういう新聞記事だった。
なんだ、それは。菊のところのうすいきらきらした本の題名か。はたまた眉毛の国のエロ本か。
フランシスの返答に眉毛はさらにヒートアップして記事の内容を読み上げた。
記事の内容はかなり具体的でえげつないものだった。それを経済紙でも読むように淡々と読むアーサーの声に、フランシスは逆にアーサーの怒りの大きさを感じた。
 口ではなんだかんだ言いつつアーサーは(自分の家族)を深く愛している。それが強く表れるのは家族が誰かに害された時である。特にシーランドは一人前の国ではないため、(俺が保護する)という気持ちが強い。
 ことに今回の記事のシーランド本人の名誉を汚すような形の攻撃は、アーサーの怒りを強く呼んだ。

 今のところアーサーはその記事の新聞社に具体的な行動を起こしていない。だが逆にそれは恐ろしい。フランシスにはわかる。この記事を載せた新聞社は社長以下全社員、今後の社会生活で光が当たることはない。おそらく具体的な抗議はなにひとつされないまま彼らは社会的に抹殺される。
 
 公式の抗議がされないのは迂闊にそうするとかえってこの不愉快な記事の内容を世間に広めることになるためである。それはシーランドのためにならない。そしてもうひとつ理由がある。イギリスのような一流の国が記事を問題視することによって記事の内容が事実として走り出してしまう可能性がある。いまのところはイエローゴシップ誌のエロ記事だが、記事の内容は切り口を変えればとんでもない国際問題に化けるのだ。
 つまり、シーランドがプロイセンに求婚している。それはイギリス連邦の一部・・・みたいなものであるシーランドが、ドイツのもう一つの国体にしてロシアの飛び地の化身でもあるプロイセンと同君連合を組むということになる。具体的にどういう連合になるかはわからないが、どういう形であってもロシア・ドイツ・イギリスを中心とした政治問題になるだろう。
(そうなったら巻き込まれて一番迷惑受けるのはおにーさんなのよね)
フランシスにとっては頭の痛いことになる。

 イギリスもさすがに自重してくれて、とにかくシーランドに連絡してそういう話が少しでもあったのかを確認しようとしている。ところがシーランドと連絡がとれないのだ。

 そしてフランシスはもう一人の当事者であるギルベルトに連絡をとろうとしているのだが、これも連絡不能であった。


ぼくとけっこんして

2011-04-03 22:13:06 | APH
ぼくとけっこんしてくにになろう
[イギリスからの電話] 

「フランシスてめぇ、相変わらずカレンダーも買えないのか。エイプリルフールはとっくに過ぎたぜ」
フランシスに最初にその話題を運んできたのは、ドーバー海峡を挟んだ隣人だった。
2011年4月3日 エイプリルフールはもう終わっていた。

 国体には国内の様々な情報が渡される。新聞だけでも20誌以上が毎日届けられる。
それでも国体の目に触れない情報はある。それにフランシスはそんなに丹念に新聞を読むほうではない。自国のことでありながら、会議の時に他国に何気なく話題にされて「へー,いまそうなっているのか」と返答した事も多い。だから今回もそういう話題だろうとフランシスは思った。わざわざアーサーが電話してきたところを見るとイギリスに関係することだろう。

ニュースでもえる

2011-03-03 15:51:52 | APH
空き箱の中の古新聞でももえるおもい

2011年1月6日
読売新聞朝刊7面より

ベルギーが政権なし状態で200日

政党乱立でどの党も政権を立てられない。





このニュースを見ておもった。
ヘタリア的考えでは、政権の長イコール上司。
国の化身にとって、上司は必要不可欠な存在。
今頃、ベルギーさんは不安定な精神でヒステリーでも起こしてはいないかと。ベルギーの化身さんは可愛い女の子。オランダさんの妹。
きっとお兄さんは妹を心配して、ちょくちょく顔を出しているだろう。
そのたびに妹に「おにいちゃん!うちはもう一人前の国やで!ほっといてや!」とどなられる。
おにいちゃんのオランダとしては、そんな妹の様子に余計に不安になるが内政干渉になるし、あまりあれこれ言えない。


さて、国の化身の不安定化は当然地方にも影響する。
以下の妄想は次回へ。



どちらも2になる

2011-02-17 11:34:27 | APH
イタリア 1+1で2

ドイツ √2×√2で2

どちらも2になる。
でも重ならなければ2にならない。

二人の化身がいる国、イタリアとドイツ。
この両国は 一見変わりないようだけど、大きく違う。
1は一人でも1だけど、√2は重ならない限り、自分が1人ですらない事を知っている。

夕刻の月

2011-01-23 01:44:59 | APH
誰かの瞳に写る自分の姿で初めて自分の変化を受け入れる事ができる。
このイメージでうっかりやらかしそうな新しい話。

東(北)から戻った兄は・・・弟が覚えていた姿ではなかった。
亡国の名を背負う兄は弟に全てを返して、役目を終えた満足感だけを抱きしめて消えようとする。変わってしまった自分を受け入れられないままに。
そんな兄に「ずっと俺のとなりにいてくれ」と懇願する弟。
だが、兄には弟の声は聞こえない。
兄は自分が自分である事を受け入れていないから。

また、長くなりそうな予感が。
ラッセルの話も途中で入力が止まっているというのにしょうこりもなく。




この兄弟、
もろにストライクです。
弟のために身体まで捧げて、国土的意味で、弟の狂気の罪を背負い北に身をまかす兄。
おまけに「銀」。