さすが、あの人たらしのゼロの妹というべきか。このナナリー姫は人の敵対心や攻撃性を弱め、穏やかにする力でも持っているのではないか。
ナナリー姫は一番孤独なのだと星刻は思う。あのゼロ・ルルーシュの一連の行動にかかわった者達のなかで、彼女が一番孤独なのだと。
日本にいる元黒の騎士団組はお互いに会って話すことができる。
中華には・・・天子様には洪古も香凛もいる。
ブリタニアではあのロイド博士とセシル女史がいるが、今は2人ともインドに長期滞在している。
そしてなによりもナナリーがたった一人孤独なのは、他の人々がゼロ・ルルーシュに運命を巻き込まれた立場であるのにたいして、ナナリー一人はルルーシュに守られる立場であったこと。優しい世界とはナナリーのための世界。少なくとも最初それがルルーシュの想いの全てだったのだろう。
「私が最初にゼロを知ったのは・・・
星刻はゆっくり語りだす。途中で幾度も言葉を止めて。すぐに息が切れてしまうため長い話は休みながらでなければできないからだ。当初は肉体のあまりの急激な変化に戸惑い苛立ち自棄さえ起こしかけた。回復してももはや軍役は不可能との宣告に『あの方の役に立てないなら生きる意味が無い』と絶望した。そんな星刻を静かに見つめ寄り添ったのはナナリーだった。
・・・まぶしいほどの存在でした。私には、いや彼以外には不可能な奇跡、演出。多少演技過剰にも見えましたが」
「お兄様は学校でも格好つけでしたもの」
「舞台は変えても役者は変わらずですね」
星刻は微笑む。
外交用の完璧な笑顔ではなく、天子を思うときに近い自然な笑顔を。
それを見てナナリーはまた(あ、似ている)と思う。
この人、星刻は兄に似ている。兄が唯一認めた相手、兄がスザクとは違う意味で世界を託した人。兄に似た笑顔。兄のと同じくらい優しい手。
すなおにうれしいとおもう。
この人の大きな手が髪をなぜるのを。つい落ちてしまった涙を拭いてくれるのも。
たとえ、この人の手が本当に触れたいのはあの純白の少女だけだと知っていても。
ナナリー姫は一番孤独なのだと星刻は思う。あのゼロ・ルルーシュの一連の行動にかかわった者達のなかで、彼女が一番孤独なのだと。
日本にいる元黒の騎士団組はお互いに会って話すことができる。
中華には・・・天子様には洪古も香凛もいる。
ブリタニアではあのロイド博士とセシル女史がいるが、今は2人ともインドに長期滞在している。
そしてなによりもナナリーがたった一人孤独なのは、他の人々がゼロ・ルルーシュに運命を巻き込まれた立場であるのにたいして、ナナリー一人はルルーシュに守られる立場であったこと。優しい世界とはナナリーのための世界。少なくとも最初それがルルーシュの想いの全てだったのだろう。
「私が最初にゼロを知ったのは・・・
星刻はゆっくり語りだす。途中で幾度も言葉を止めて。すぐに息が切れてしまうため長い話は休みながらでなければできないからだ。当初は肉体のあまりの急激な変化に戸惑い苛立ち自棄さえ起こしかけた。回復してももはや軍役は不可能との宣告に『あの方の役に立てないなら生きる意味が無い』と絶望した。そんな星刻を静かに見つめ寄り添ったのはナナリーだった。
・・・まぶしいほどの存在でした。私には、いや彼以外には不可能な奇跡、演出。多少演技過剰にも見えましたが」
「お兄様は学校でも格好つけでしたもの」
「舞台は変えても役者は変わらずですね」
星刻は微笑む。
外交用の完璧な笑顔ではなく、天子を思うときに近い自然な笑顔を。
それを見てナナリーはまた(あ、似ている)と思う。
この人、星刻は兄に似ている。兄が唯一認めた相手、兄がスザクとは違う意味で世界を託した人。兄に似た笑顔。兄のと同じくらい優しい手。
すなおにうれしいとおもう。
この人の大きな手が髪をなぜるのを。つい落ちてしまった涙を拭いてくれるのも。
たとえ、この人の手が本当に触れたいのはあの純白の少女だけだと知っていても。