両王手3 神船
わが軍に勝利をもたらすのは、わが国の歴史そのもの
今日、ブリタリア皇帝家の歴史は終わる。
足の下で地球は回る。星刻は計算したとおりの位置に神虎を固定した。
待つまでも無く、巨大な舟が近づいてくる。
舟、正しくは空舟。
朱王朝が成立する前に戦乱期があり、さらにその以前にきょうさんとうという支配体制があった。この神舟はそのきょうさんとう時代の中華が造った。
神舟、1999年以降複数打ち上げられた完全中華製の空船。当時、政権担当者であるきょうさんとうは国内の不満や矛盾を逸らす意味でこれらの舟を打ち上げたという。
政治的には理解できるが、星刻には心情的には理解できない。あの時代はなぜ、天子を求めなかったのか。中華に天子が必要なのは当然の事であろうに。
結局、戦乱期が来てきょうさんとうの支配は終わる。だが、その遺産を無駄にする事は無い。
わが軍に勝利をもたらすのは、わが国の大地そのもの
ゼロと戦ったとき星刻はそう言った。
では今回は、
わが軍に勝利をもたらすのは、わが国の歴史そのもの
聞くものがいればそのように言ってやろう。
神虎と神舟のシステムをリンクさせる。これで星刻は神舟を思い通りの位置に移動できる。
狙うポイントはただ、一つ。
ブリタリア首都、ネオウェルズの上空。
ヒドラジンと四酸化二窒素の組み合わせは、混合すれば確実に着火する。信頼性の高い推進剤だ。サクラダイト全盛時代の今日では完全に忘れられた燃料だが、1世紀近い年数を経てもなお確実に燃焼しロケットを動かす。神舟製造同時の科学者の思考が伺える。燃料として要求されるのは「必要時に確実に燃焼し、目的物を目的位置に届けること」だ。だが、そういう思考法は3度にわたる文化大革命という名の過去への進化によって風化した。
それが頭の上にあるのにはじめに気が付いたのは誰なのか。記録には無い。
その日、ネオウェルズの空は晴れ渡り、戦いの炎などどこからも感じられなかった。
だが、遠く極東の島国で行なわれているはずのちっぽけな戦いの炎は、この朝帝国本土の空を汚した。
何話後の妄言という題名のつけ方、これ楽ですね。小生には題名を先につけるとそれに引きずられる癖があって、この付け方を覚えてから気が楽になりました。
ちなみに両王手は本来19話後の妄言でした。
わが軍に勝利をもたらすのは、わが国の歴史そのもの
今日、ブリタリア皇帝家の歴史は終わる。
足の下で地球は回る。星刻は計算したとおりの位置に神虎を固定した。
待つまでも無く、巨大な舟が近づいてくる。
舟、正しくは空舟。
朱王朝が成立する前に戦乱期があり、さらにその以前にきょうさんとうという支配体制があった。この神舟はそのきょうさんとう時代の中華が造った。
神舟、1999年以降複数打ち上げられた完全中華製の空船。当時、政権担当者であるきょうさんとうは国内の不満や矛盾を逸らす意味でこれらの舟を打ち上げたという。
政治的には理解できるが、星刻には心情的には理解できない。あの時代はなぜ、天子を求めなかったのか。中華に天子が必要なのは当然の事であろうに。
結局、戦乱期が来てきょうさんとうの支配は終わる。だが、その遺産を無駄にする事は無い。
わが軍に勝利をもたらすのは、わが国の大地そのもの
ゼロと戦ったとき星刻はそう言った。
では今回は、
わが軍に勝利をもたらすのは、わが国の歴史そのもの
聞くものがいればそのように言ってやろう。
神虎と神舟のシステムをリンクさせる。これで星刻は神舟を思い通りの位置に移動できる。
狙うポイントはただ、一つ。
ブリタリア首都、ネオウェルズの上空。
ヒドラジンと四酸化二窒素の組み合わせは、混合すれば確実に着火する。信頼性の高い推進剤だ。サクラダイト全盛時代の今日では完全に忘れられた燃料だが、1世紀近い年数を経てもなお確実に燃焼しロケットを動かす。神舟製造同時の科学者の思考が伺える。燃料として要求されるのは「必要時に確実に燃焼し、目的物を目的位置に届けること」だ。だが、そういう思考法は3度にわたる文化大革命という名の過去への進化によって風化した。
それが頭の上にあるのにはじめに気が付いたのは誰なのか。記録には無い。
その日、ネオウェルズの空は晴れ渡り、戦いの炎などどこからも感じられなかった。
だが、遠く極東の島国で行なわれているはずのちっぽけな戦いの炎は、この朝帝国本土の空を汚した。
何話後の妄言という題名のつけ方、これ楽ですね。小生には題名を先につけるとそれに引きずられる癖があって、この付け方を覚えてから気が楽になりました。
ちなみに両王手は本来19話後の妄言でした。