桐山孝信「民族解放闘争における武力紛争法の役割」
田畑先生の京都国際法研究会の系譜を受けた適切なテーマ設定である。パレスチナ・イスラエル紛争の考察を中心に占領地におけるハーグ法適用に関する国際法理論上の問題点と、国際関係・政治上の解決案のずれを適切に記述している。
ただし、占領地行政という面では、過去の先例の引用のほうが適切かもしれないし、進行中の占領地行政を中心に取り扱うのであれば、ゴム弾や現地での裁判、敵産没収等を中心に扱うほうがよいかもしれないし、民族解放闘争そのものの拡散による同法の適用の継続ならば桜井論文や孫論文の引用が望ましかったのではないかという印象を抱いた。
恵谷論文「領海警備」
船舶法との関係で不開港場や領海警備の本質について綿密に検討している。しかしながら現行問題点なのは、排他的経済水域(EEZ)と領海との管理との同一点と差異点を書くことの方が緊喫ではないかと思います。
<このあと、村上暦造「領海警備の法構造」中央法規出版、2005年という本が出ました。まだこれから、確保して感想は別途記入しておきます。>
村瀬信也「武力紛争における環境保護」
軍事的必要性と環境配慮との比例性原則の図表と、近年の武力紛争にもとづて国際機関の武力紛争に対する環境影響評価の実例を記述して明解である。個人的に武力紛争法時の国際環境法の適用範囲を平時法と戦時法の制約で2元論の視点で考えるよりも、一元論で規律するとしてどの程度の制約があるのか、ジュネーブ条約追加議定書における兵器開発の制約、環境改変兵器禁止条約の視点による国家に対する規律と攻撃目標・方法の規制と記述の整理があるとなお読みやすかったのではないか。
田畑先生の京都国際法研究会の系譜を受けた適切なテーマ設定である。パレスチナ・イスラエル紛争の考察を中心に占領地におけるハーグ法適用に関する国際法理論上の問題点と、国際関係・政治上の解決案のずれを適切に記述している。
ただし、占領地行政という面では、過去の先例の引用のほうが適切かもしれないし、進行中の占領地行政を中心に取り扱うのであれば、ゴム弾や現地での裁判、敵産没収等を中心に扱うほうがよいかもしれないし、民族解放闘争そのものの拡散による同法の適用の継続ならば桜井論文や孫論文の引用が望ましかったのではないかという印象を抱いた。
恵谷論文「領海警備」
船舶法との関係で不開港場や領海警備の本質について綿密に検討している。しかしながら現行問題点なのは、排他的経済水域(EEZ)と領海との管理との同一点と差異点を書くことの方が緊喫ではないかと思います。
<このあと、村上暦造「領海警備の法構造」中央法規出版、2005年という本が出ました。まだこれから、確保して感想は別途記入しておきます。>
村瀬信也「武力紛争における環境保護」
軍事的必要性と環境配慮との比例性原則の図表と、近年の武力紛争にもとづて国際機関の武力紛争に対する環境影響評価の実例を記述して明解である。個人的に武力紛争法時の国際環境法の適用範囲を平時法と戦時法の制約で2元論の視点で考えるよりも、一元論で規律するとしてどの程度の制約があるのか、ジュネーブ条約追加議定書における兵器開発の制約、環境改変兵器禁止条約の視点による国家に対する規律と攻撃目標・方法の規制と記述の整理があるとなお読みやすかったのではないか。