眠れぬ夜

眠れぬ夜を過ごし

あらたな朝を迎える

いつものように

いつものコーヒーを入れ

いつものように静けさの中に

佇んでいる今のわたしは　

何処から来たのだろう



透明なハコのクローゼットの扉を開けて

無意識に手を伸ばした心に何かを羽織る

今日は何色　今日はどんなものをまとって

大きなハコの扉の向こうへ

行くの　


そんなこと　誰も知るまい

このわたしでさえ

おぼろげにしか

知っているのか

知らないのか


大きなハコと言う、おもての景色


予想外の空気の冷たさに　

心を凍えさせ

風邪を引いてしまうかもしれないし


想定外の暑さで

胸を焦がし　眩暈し

燃え尽きてしまうかもしれない


今のこの季節柄


新緑の狭間からそそぎ込む太陽の陽射しが

意外性の中の穏やかな癒しのエネルギー

目には観得ない感覚のところのぬくもりとなり


わたしは

言い知れぬ浮遊感とともに

ひとときの心地よさに甘え

そっと目を閉じているかもしれない


今朝の空模様

うっすらと明るいような暗いような

そんな感じの窓硝子の色

太陽の存在は

遥か彼方の

色模様

......

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