明澄五術・南華密教ブログ (めいちょうごじゅつ・なんげみっきょうぶろぐ)

明澄五術・南華密教を根幹に据え、禅や道教など中国思想全般について、日本員林学会《東海金》掛川掌瑛が語ります。

秋近くなるしるしにや玉すだれ 凶命の鎌倉殿 源頼家・源実朝の命式 大海の 磯もとどろに 寄する波 われてくだけて さけて散るかも

2024年09月17日 | 五術

三代目「鎌倉殿」こと 源実朝の生年月日時は、『吾妻鏡』に記されて居ます。

建久三年(1192)八月小九日己酉。

天晴   風靜。  早旦以後、 御臺所御産氣。御加持 は 宮法眼。 驗者 は 義慶坊、 大學房等。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

景季、 義村等 奉行 と 爲し、巳剋、 男子 御産也。

梶原景季と三浦義村の記述に続き、

巳刻に男子お産、とあります。

この、巳刻に生まれた男子というのが、実朝のことです。

旧暦の日付をグレゴリオ暦に直すと、

次のような日付、命式と判ります。(ユリウス暦 9月17日

 

一見して、己土濁壬が目立ちますから、余り良い命式とは言えませんが、

無学訣を看ると「保持」に当たり、悪いとばかりも言えません。

余計な事ばかりする、と言えば、宋に渡る為の大船を建造させますが、鎌倉は遠浅で浮かばずに浜で朽ち果て、何も為りませんでした。と言っても、幕府の実権は北条氏が握っており、何をやっても余計な事になってしまうのは仕方の無い事でした。勿論、右大臣の位階を求めた事も、北条氏始め、坂東武者に取っては、全く余計な事で、次はもう、太政大臣しか無く、そうなれば、朝廷と幕府は一体と為って了い、武士の所領や徴税権は如何なって了うか、という懸念があった筈です。

年干が 壬で無く、癸 だったら、時干が己で無く、 戊 だったら、などと惜しまれる命式であり、歌人として惜しまれる人と為りました。

実朝の危険で不安定な境遇は、安定と安らぎを求める、次の作品によく表われています。

 

大海の 磯もとどろに 寄する波 われてくだけて さけて散るかも

世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも

世の中はいつも変わらずに居て欲しいものだ、渚を行く小船の引綱に愛おしくも悲しみを覚えるのだ。

箱根路を我が越えくれば伊豆の海や沖の小島に波のよる見ゆ

心象風景・・・

 

秋ちかくなるしるしにや玉すだれこすの間とほし風のすずしさ

晩夏から初秋に、白い可憐な花を咲かせる、タマスダレ という植物があり、この花のことを詠んだ歌だ、と解説してくれた人が、昔、居ましたが、タマスダレはメキシコ原産の外来植物で、実朝の時代にはまだ有りませんでした。恐らく、和名を命名した植物学者が、この歌を知って居て、その様に名付けたのでは無いかと思われます。

 
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に依りますと、

 

との事で、実朝の歌との関連は書かれておらず、面白くとも何ともありません。

 

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紫薇斗数を看ますと、

命宮は廉貞で、如来蔵では、薬師如来に当たります。

西1192年 9月24日 9時 0分生

   【  守護仏 薬師如来  】    

 ○性情:薬師如来は理性と厳粛をつかさどり、正しさと厳しさで、すべての苦痛から人々を救済します。
 ○光明:厳しさを全面に出し、あらゆる物事に正しい理性をもって厳しく対処するようにすると、人々に魅力を感じさせます。
 ○相性:日光菩薩と月光菩薩は薬師如来の脇士であり、両菩薩を守護仏とする人との相性は非常に良いものです。除障菩薩を守護仏とする人とは相性が悪く、交際には努力が必要になります。
 ○守護色:青。衣服など、いつも青い物を身につけると、魅力が増進されます。金色と銀色も良い。   ただし薄い青のものは避けるようにします。
 ○宝石:瑠璃(ラピスラズリ) 藍宝石(サファイア)
 ○座騎:象。頑丈で安全な乗り物。
 自家用車:ランドローバー、レンジローバー、ベンツM・G、BMW・X、ジープ、エクスプローラー、ランドクルーザー、ハイラックス、ローグ、CRV、CX8など
     

太乙命理では、

*[疾厄宮]子
  客小  体質的に強いほうではなく、いつも軽い症状に悩まされる
  太歳  いつも大きな災難やひどい病気に襲われる

 

 

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次は、実朝の兄、頼家の出生を記録した、吾妻鏡の記事と、子平命式です。

壽永元年(1182)八月大十二日庚戌。霽。酉尅、御臺所男子御平産

実朝より、丁度十年前の生まれで、

驚く事には、実朝と同じく、壬年の己酉月まれで有り

此方も、年月干が、己土濁壬に為っている上に、日時は化金して鉄槌砕玉で、事故や出血の多い命式です。

更に、無学決を看ますと、

無学訣の格局には当てはまらず、実朝と較べても、可成り悪い命式で、その置かれた立場から、非業の死を遂げるのも、無理も有りません。

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なお、公暁の出生に付いては、吾妻鏡に記載が無く、

正治2年(1200)に誕生、としか判りません。それも、他の記述から、推定された物のようです。 

建仁二年(1202)十一月大廿一日辛夘。天顏快晴。今日將軍家 若君〔字は善哉三歳〕始めて鶴岡於 神拝有り。

建仁三年(1203)正月小二日壬申。晴。將軍 若君〔一万君〕 鶴岳宮 へ御奉幣。神馬二疋を 奉 被る。

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『子平命理・基礎篇』  
       ¥15,750(税込)

干支と五行の知識、立命の方法、干関係の見方、強弱の見方、変通の見方、格局の見方、喜忌の見方、体用の見方などを解説します。

 本書を熟読・暗記すれば、子平の基礎は完璧であり、より高度な理論にも対応できるようになります。

 

 

 

 

子平命理・象意篇 増補改訂版

 
                ¥31,500(税込)
子平象意の基本構造、変通による象意、十二長生の象意、王文澤十六通変による象意、無作用干合の象意、六親の象意、成敗の象意、十二宮の象意、造命の象意などを解説します。
『子平命理象意篇』を、加筆改訂し、更に、『子平修密無学訣』の「導論」部分を付け加えたものです。

 

 

 

  子平大全
 
 ¥21,000(税込)

 命式の昇降レベルを知るためには、体用と喜忌が必要であり、喜忌を知るためには、強弱と格局を知る必要があります。本書では、誰でも子平の行運が理解できるように解説します。
 また、本書では、子平と皇極経世を組み合わせた「局式」による「測局」や、「群式」による国家や企業の推命を行う方法、通常の命理のように、個人の事が分るだけではなく、人類文明全体や国家のような、「天」に属する事柄まで分る方法を説明します。
 さらに「子平方位」「子平風水」への応用法を説明し、子平の「命卜相」が完成に至ります。

 

 
掛川掌瑛編著
 子平修密無学訣大全
(上・中・下巻セット)
 
 
 
改訂新版 ¥76,000(税込)

旧版をお持ちの方は、
差額¥13,000(税込)にて
交換致しますのでお申し込みください。

 


(「改訂新版序言」より)
  『子平無学訣大全』を発表してから二年近くになり、少しずつ間違いや不足を見つけては加筆・修正してきたのですが、中でも日時の変化干合が反映されていない箇所が数多くあることが判明し、今回『子平修密無学訣・全解』の完成に合わせ、題名も『子平修密無学訣大全』と改め、「改訂新版」を発売すること致しました。
 何分にも『無学訣大全』の命式数は一万通りに上り、文字数は百万字に達するもので、これを一人で執筆・校正までするのは容易な事ではありません。
 今回、二百箇所程の加筆・訂正を行いましたが、発見できたのも熱心な読者からのお問い合わせがヒントになったもので、読者の皆様におかれましては、お気づきの点がありましたら、ご遠慮なくご指摘いただき、今後さらに完成度を上げて行きたいと考える次第です。  何卒ご愛読、ご利用の程よろしくお願い申し上げます。

(序言より抜粋)
「無学」とは、仏教用語で、学び尽くしてこれ以上学ぶべきことがない境地を意味します。つまり「子平無学訣」を学べば、もうこれ以上「子平」を学ぶ必要がありません。
「子平」のような学問を「命理」と言います。
「命理」とは、時間が運命に与える影響を見る学術であり、「子平」が他の「命理」に優れるのは、時間記号である「干支」によって、あらゆる判断ができるところにあります。その「干支」の並びだけに焦点を絞ったのが「子平無学訣」なのです。
本書『子平無学訣大全』は明澄派五術の秘伝書『子平修密無学訣』の〈解説書〉です。四干の組み合わせは、十の四乗、つまり一万通りあり、本書ではそのすべての組み合わせについて、ひとつひとつ解説します。

(本文より抜粋)
つまり『無学訣』においては、「五行」や「干関係」などを超越して、「干支」の組み合わせだけで、命式を判断できるパターンが存在する、ということになります。
「時間」につけた「記号」である「干支」の並びだけで判断できる、ということは、「時間」と「運命」との関係を直接観察することにより近づくものであり、「作盤」のような、根拠不明の方法からは、より遠ざかることを意味します。
 「作盤」や「五行」を排除する、などと言うと、まるで伝統に反逆するかのようですが、実は「五術」においても、「五行」や「易卦」などに基づかない分野も、昔から存在するのです。
 例えば「風水」において、「理気」は確かに「五行」や「易卦」の理論に基づいて構成されているのですが、「巒頭」だけは、「竜」「穴」「砂」「水」とい う、地形そのものを類型化し、分類して、その土地の「貴賤」「吉凶」「壽夭」「富貴」を判断できるようにしたものです。
「巒頭」の理論でも「干支」や「易卦」などが使われていますが、これはただ、形態分類上の記号として使われているだけで、地形そのものが「五行」の作用を持っているというわけではありません。
 これに対し「理気」はどうかと言えば、家や墓石が、どの八卦方位を向いているとか、水流がどの十二支方位から来ているか、などという、ある種の約束事に基づいて判断を行うもので、地形そのものを見る「巒頭」の見方とは全く異なるものです。
 この「巒頭」と「理気」の関係を「子平」に当てはめてみると、「干支」の並びをそのままで判断できる「無学訣」の方法が、「巒頭」の見方と同様であり、 「干支」を「五行」で分類して、その「強弱」で判断する方法が、「理気」の見方と同様、と考えることができます。そして、風水の判断において、「巒頭」の 占める割合は80%と言いますから、「子平」においても、「干支」の並びだけで、80%の判断ができる可能性があるはずです。

「無学訣」でも「強弱」や「格局」を考慮する場合がありますが、それは四干が、ある特殊な並びになる場合の対処法として説明されており、やはり、「風水」 の「巒頭」のように、「子平」の判断も、80%は「干支」の並びだけで決まっている、と考えることができます。 『無学訣』を完全に理解できれば、あらゆる命式を、誰もが、あるがまま的確に判断できるようになり、これ以上「子平」を学ぶ必要のない「悟り」の境地に達することができるのですが、修得には長い持間を要し、なかなか生きているうちに「子平」を使うことができません。
 本書が書かれた目的は、「無学訣」の示す「干支」の並びによる推命、即ち、時間が運命に与える影響を、時間記号である「干支」の並び方そのものから、誰 でも読み取ることができるようにするためであり、「子平」における「無学」の境地を全人類と分かち合うためのロードマップとして、一万通りに上る四干すべ ての組み合わせについて解説します。

 

掛川掌瑛 著作目録 密教姓名学・三式風水大全

 

張明澄師 南華密教講座 DVD 有空識密 智慧と覚悟

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張明澄講義<命卜相>DVD 明澄五術・張明澄記念館

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    お申し込み先

日 本 員 林 学 会  

代表 掛川掌瑛(東海金)

☎Fax 0267-22-0001

E-MAIL    showayweb◎msn.com 

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