ベラルーシ発のニュースです。
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半年間「無職」の国民に罰金、奉仕活動の強制 ベラルーシ
CNN.co.jp 4月18日(土)16時11分配信
ロンドン(CNNMoney) 東欧ベラルーシのルカシェンコ大統領が18日までに、少なくとも半年間職に就かず、納税していない国民に罰金を科す新たな法令に署名したことがわかった。
罰金は少なくとも252米ドル(約3万円)で、支払わない場合は拘束され、地域社会での奉仕活動が命じられる。(後略)
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このニュースは以前にも聞いていたのですが、そのときは「罰金」ではなく、「納税」でした。
つまり無職で収入がなくても税金は払わないといけない、ということです。
「収入もないのに、納税するって、できるかなあ。」
「いや、これは国が税収を増やしたいのではなく、無職の人数を減らしたいからだろう。」
などと巷では話していたのですが、ここへきて「罰金」あるいは「奉仕活動」ですよ。
どうなるのでしょうねえ。
私が言いたいことは二つ。
一つ目はベラルーシではアルコール中毒が社会的な問題第1位で、予備軍も含めると国民の10人に1人がアルコール中毒あるいは依存症です。
国民の約10%がアル中のため、就労できないと想像してみてください。
国にとっては大変な損失です。
さらに患者を治すための専用の施設がありますが、それを運営する費用を税金から出していることも考えてみてください。
ベラルーシで無職の人はどうして無職なのか。その理由は人それぞれですが、一番多い理由はアル中です。
罰金あるいは奉仕活動でもさせたくなる国の考えはよく理解できますよ。
それと罰金の代わりに奉仕活動、というと日本人はそこに個人の献身的な要望を感じ取れず、「国が強制労働をやらせている。」というイメージを抱きがちですが、ベラルーシでは奉仕活動はよくあることで、献身的な気持ちがあるとかないとかでするしないを決めるものではありません。
例えばちょうど今日も「スボートニク」と呼ばれる4月の奉仕活動の日で、何をするかと言えば、「春の大掃除(ベラルーシでは年末の大掃除はしない習慣)」「職場あるいは地域社会の大掃除と植樹」をする日です。
私も朝から職場で大掃除をしたし、近くの公園では中学生が枯れ枝を片付けていたし、自宅マンションの敷地内では近所の人が花壇の手入れをしていました。
もちろんお金はもらえませんが、やらされている感はありません。
罰金の代わりに奉仕活動をするのは、「奴隷的」「強制労働」ではないです。
それが不服なら、就職すればいいだけの話です。
・・・と書くと「就職したくても就職先がないから無職なんだよー。」と反論する人もいます。
それで、私が言いたいことの二つ目です。
日本人でもそういう人はいますが、ベラルーシ人の場合
「少ない給料もらうぐらいだったら、無職のほうがいい。」
という考えの人がいっぱいいるのです。
もう何年も無職でずっと職を探しているけど見つからない、という人がいました。
その人に資格も学歴も問わない仕事を紹介しましたが、給料が少ないからと断られました。
ベラルーシ人の多くが「働く時間は少しだけ、でも給料はがっぽりもらえる」仕事に就きたいと希望しています。
またそういう仕事に就いているのが憧れであり、頭がいい人だと思っています。
同じだけ稼いでいても、汗水たらして長時間働くのは、要領が悪いと思われ、尊敬されません。
確かに誰でも楽して儲けたいと思っているでしょうが、実際にはそんな甘い商売はほとんどないです。
そのため、必死で職探しをする人、つまり「何でもいいからやらせてください!」と懇願するタイプの人がベラルーシにはいません。
だから無職者が多く誕生してしまいます。
そして生活保護の申請をします。国からしたら大きな経済的損失です。
罰金ぐらい取りたくなりますよ。これぐらい厳しくしないと、就職活動をしないんだから。
さらに大学生。大学は出たけれど安い給料のところには馬鹿馬鹿しいから就職したくない。
安い給料でも就職してしまえば、それで社会人の仲間入りもできて、親も喜ぶのに、高い給料のことろでなければ仕事する意味がないと、無職になるほうを選択する。
そして親のすねかじりとなります。
同じヨーロッパ人でもイギリスなどでは、18歳過ぎると自立しろと実家から追い出されるらしいですが、ベラルーシにはそんな習慣がないので、無職の子どもが増え続けます。
せっかく就職しても一攫千金の夢を追い求め、後先考えずに退職する人が多いです。
今でこそ減りましたが終身雇用が基本の日本と比べると、転職する人も多いです。そのため専門家を職場で育てるということも難しくなっているケースもあります。
(職種によっては転職がスキルアップ、ステータスアップになるものもあるので、一概には言えませんが。)
今回のベラルーシの政策、半年間も無職の人は罰金を払えというのは、国の経済的損失を減らすのも目的ですが、「給料が少ないなら働かないほうがまし」という考えを捨てて「給料が少なくても職についているほうがいい」という考えに転換しろと、国民を教育しているのだと思います。
いろいろ書きましたが、もちろんベラルーシにも子どもがたくさん生まれて、本職のほか、副業やバイトを掛け持ちして必死で働いているまじめな親もいることを追記しておきます。
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半年間「無職」の国民に罰金、奉仕活動の強制 ベラルーシ
CNN.co.jp 4月18日(土)16時11分配信
ロンドン(CNNMoney) 東欧ベラルーシのルカシェンコ大統領が18日までに、少なくとも半年間職に就かず、納税していない国民に罰金を科す新たな法令に署名したことがわかった。
罰金は少なくとも252米ドル(約3万円)で、支払わない場合は拘束され、地域社会での奉仕活動が命じられる。(後略)
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このニュースは以前にも聞いていたのですが、そのときは「罰金」ではなく、「納税」でした。
つまり無職で収入がなくても税金は払わないといけない、ということです。
「収入もないのに、納税するって、できるかなあ。」
「いや、これは国が税収を増やしたいのではなく、無職の人数を減らしたいからだろう。」
などと巷では話していたのですが、ここへきて「罰金」あるいは「奉仕活動」ですよ。
どうなるのでしょうねえ。
私が言いたいことは二つ。
一つ目はベラルーシではアルコール中毒が社会的な問題第1位で、予備軍も含めると国民の10人に1人がアルコール中毒あるいは依存症です。
国民の約10%がアル中のため、就労できないと想像してみてください。
国にとっては大変な損失です。
さらに患者を治すための専用の施設がありますが、それを運営する費用を税金から出していることも考えてみてください。
ベラルーシで無職の人はどうして無職なのか。その理由は人それぞれですが、一番多い理由はアル中です。
罰金あるいは奉仕活動でもさせたくなる国の考えはよく理解できますよ。
それと罰金の代わりに奉仕活動、というと日本人はそこに個人の献身的な要望を感じ取れず、「国が強制労働をやらせている。」というイメージを抱きがちですが、ベラルーシでは奉仕活動はよくあることで、献身的な気持ちがあるとかないとかでするしないを決めるものではありません。
例えばちょうど今日も「スボートニク」と呼ばれる4月の奉仕活動の日で、何をするかと言えば、「春の大掃除(ベラルーシでは年末の大掃除はしない習慣)」「職場あるいは地域社会の大掃除と植樹」をする日です。
私も朝から職場で大掃除をしたし、近くの公園では中学生が枯れ枝を片付けていたし、自宅マンションの敷地内では近所の人が花壇の手入れをしていました。
もちろんお金はもらえませんが、やらされている感はありません。
罰金の代わりに奉仕活動をするのは、「奴隷的」「強制労働」ではないです。
それが不服なら、就職すればいいだけの話です。
・・・と書くと「就職したくても就職先がないから無職なんだよー。」と反論する人もいます。
それで、私が言いたいことの二つ目です。
日本人でもそういう人はいますが、ベラルーシ人の場合
「少ない給料もらうぐらいだったら、無職のほうがいい。」
という考えの人がいっぱいいるのです。
もう何年も無職でずっと職を探しているけど見つからない、という人がいました。
その人に資格も学歴も問わない仕事を紹介しましたが、給料が少ないからと断られました。
ベラルーシ人の多くが「働く時間は少しだけ、でも給料はがっぽりもらえる」仕事に就きたいと希望しています。
またそういう仕事に就いているのが憧れであり、頭がいい人だと思っています。
同じだけ稼いでいても、汗水たらして長時間働くのは、要領が悪いと思われ、尊敬されません。
確かに誰でも楽して儲けたいと思っているでしょうが、実際にはそんな甘い商売はほとんどないです。
そのため、必死で職探しをする人、つまり「何でもいいからやらせてください!」と懇願するタイプの人がベラルーシにはいません。
だから無職者が多く誕生してしまいます。
そして生活保護の申請をします。国からしたら大きな経済的損失です。
罰金ぐらい取りたくなりますよ。これぐらい厳しくしないと、就職活動をしないんだから。
さらに大学生。大学は出たけれど安い給料のところには馬鹿馬鹿しいから就職したくない。
安い給料でも就職してしまえば、それで社会人の仲間入りもできて、親も喜ぶのに、高い給料のことろでなければ仕事する意味がないと、無職になるほうを選択する。
そして親のすねかじりとなります。
同じヨーロッパ人でもイギリスなどでは、18歳過ぎると自立しろと実家から追い出されるらしいですが、ベラルーシにはそんな習慣がないので、無職の子どもが増え続けます。
せっかく就職しても一攫千金の夢を追い求め、後先考えずに退職する人が多いです。
今でこそ減りましたが終身雇用が基本の日本と比べると、転職する人も多いです。そのため専門家を職場で育てるということも難しくなっているケースもあります。
(職種によっては転職がスキルアップ、ステータスアップになるものもあるので、一概には言えませんが。)
今回のベラルーシの政策、半年間も無職の人は罰金を払えというのは、国の経済的損失を減らすのも目的ですが、「給料が少ないなら働かないほうがまし」という考えを捨てて「給料が少なくても職についているほうがいい」という考えに転換しろと、国民を教育しているのだと思います。
いろいろ書きましたが、もちろんベラルーシにも子どもがたくさん生まれて、本職のほか、副業やバイトを掛け持ちして必死で働いているまじめな親もいることを追記しておきます。