ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第191回」

2016-03-23 |   ビタペクト配布活動
 3月23日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第191回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を8個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを2部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2396個、セルロースの合計は82個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2125部となりました。
 今回で通算207回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2396人の子どもにビタペクトを、約73人の子どもにセルロースを、2125家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。


(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



 今回は2家族が保養滞在していました。

(家族A)

 オルシャ市(チェルノブイリ原発から約350キロ)から来た家族。お母さんが里子である双子姉妹を引率していました。

 この家族には1個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時13歳)11ベクレル 
女子(11歳)35ベクレル ○
女子(11歳)17ベクレル

 この姉妹は引き取られて2年になります。
 お母さんは「双子でこの2年間全く同じものを食べているのに、こんなに差があるのか?」と疑問に思ったそうですが、話を伺うと、17ベクレルだった子は極端な小食で甘い物アレルギー、心臓の調子もよくなく、頻脈でした。
 現在のベラルーシでは食べ物から内部被爆を受けますので、「小食の人は被爆量が少なく、大食いの人は被爆量が多い」と言えることは言えます。しかし放射能汚染されていない食べ物だったら、たくさん食べても被爆しないわけですから、被爆しないために小食になるというのは間違いです。
 きちんとした食生活が本当に大事ですね。

(家族B)

 オルシャ近郊の町ベレボから来た家族。お母さんが2人の里子を引率していました。 
 この家族には1個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時21歳)12ベクレル  
男子(12歳) 4ベクレル 
男子(11歳)29ベクレル ○

 子どもたちの健康状態ですが、12歳の男の子はよく偏頭痛を起こすそうです。寝ていると治るそうですが・・・
 11歳の男の子は躁うつ病。以前他の家族の里子になっていましたが、気分の浮き沈みが激しく、里親から手に負えないと別の里親に引き渡され・・・
 これを繰り返し、今回4回目の里子になっているそうです。
 現在の里親はその子を専門病院に連れて行ったり、いろいろ手を尽くして躁うつ病を治そうとしていますが、難しいと話していました。

 さて、この2人のお母さんはオルシャやオルシャ近郊にすむ10人の子どもを引率していました。
 10人とも里子ですが、あちこちの里親から保養滞在のため預かってきたという形でした。 
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。またこのうち2人の子どもが2014年にもSOS子ども村に滞在しています。その場合前回の測定結果も表記しました。

男子(16歳)34ベクレル ○ → 23ベクレル ○
女子(13歳)25ベクレル ○ → 34ベクレル ○
女子 (7歳)35ベクレル ○

 この3人は同じ里親の下で暮らしているそうです。
 2014年にも保養滞在した子ども2人についてはチロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第158回」(家族B)をご覧ください。
 7才の女の子は9月から小学校入学ですが、自分の名前は分かっているものの、苗字や数字、文字などが全く分かりません。しかも話をしているときは、両腕をしょっちゅう震わせています。
 
女子(16歳)27ベクレル ○
男子(15歳)35ベクレル ○
女子(12歳)16ベクレル

 この3人は同じ家庭で里子として引き取られています。男の子と12歳の女の子は異父兄妹だそうです。

男子(13歳)20ベクレル
男子(12歳)18ベクレル 

 この2人は兄弟です。同じ家庭の里子になっています。
 20ベクレルのお兄さんのほうにビタペクト3をあげたかったのですが、SOS子ども村の判断でセルロースでよい、ということになりました。セルロースはSOS子ども村が購入します。
 このお兄さんですが、引率したお母さんは「ものすごく落ち着きがない。」と話していました。私の目から見ると「中学生にしてはちょっと子どもっぽい感じで、少々お行儀が悪いレベル」だな、と思いました。

男子(15歳)21ベクレル ○
女子(14歳) 5ベクレル 

 この2人は同じ里親の元で暮らしているわけではありません。
 15歳の男の子は私がSOS子ども村に来たとき、いませんでした。2人のお母さんが言うには
「とにかく落ち着きがなく、こちらの言うことは全く理解できない様子。さらに保養に来たのだが、他の女の子の体を触ったりして、問題行動がひどすぎるので保養滞在打ち切りになった。」そうです。
 引率者の手に負えず、ほかの子どもに迷惑をかけているのでこういう処置になったのでしょうが、SOS子ども村の保養活動でこんなケースもあるんですね・・・
 打ち切りが決定した後、里親がやってきて連れて帰ったそうです。
 引率した家族Aのお母さんは、この男の子の里親と知り合いなので、ビタペクト3を渡しておくと言いましたが、被爆(将来の発病リスク)のことより、今日のしつけのことで里親は頭がいっぱいだろうなあと思いました。

 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、日本語で子どもの名前を書いた絵葉書、お母さんたちには着袋をプレゼントしました。  
 画像は記念撮影した様子です。画像にはSOS子ども村の職員のアンナさん、保養には関係のない子ども(^^;)も写っています。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、巾着袋など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。