ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベルギー同時テロの容疑者はベラルーシ出身?正しくは・・・

2016-03-24 | ベラルーシ生活
 3月22日ベルギー・ブリュッセルで発生した同時テロの容疑者が3人います。
 そのうち2人は兄弟で、すでに自爆して死亡し、残り1人は逃亡中です。

 この兄弟がベラルーシ出身らしいことを今日ベラルーシのKGBが発表しました。(←これは間違いであることが後で分かりました。*)
 こちらの報道によると、兄弟の名前はアレクセイ・ドブバシとイワン・ドブバシ。
 日本(ベルギー発)の報道とは氏名がちがいます。イスラム教に改宗してから氏名が変わったようです。

 この兄弟はゴメリ州出身で、16年前の2000年母親に連れられ、ベルギーに移住しました。12歳と7歳だったそうです。
 父方の親戚はベラルーシに住んでおり、ベルギー移住後もときどき父の家や祖母の家に遊びに来ていたようです。
 母親はベルギー人と再婚。

 移住してから6年後、18歳になった兄は学校卒業後、ボクシングを始め、そこでイスラム教に傾倒するきっかけがあったらしく、兄弟でイスラム教に改宗しました。それまでは正教徒だったようです。

 名前もスレイマンとハリドに改名したようですが、一般に報道されているのはブラヒム・バクラウィとハリド・バクラウィです。(これも同一人物という報道が一部あったのですが間違いです。)
 2014年兄は仕事を求めてトルコに滞在。1年半そこにいたようですが、犯罪を犯してトルコから退去させられています。
 
 で、すごく変なのは、この兄弟は空港で自爆しすでに死亡したことになってますが、KGBはテロが発生したとき、兄のほうは、ベラルーシのゴメリにいた。つまり実行犯ではない、と発表していることです。
 これが本当なら、死亡した兄は別人? スレイマンは生きていて、死んだのはブラヒム?

 私の頭の中は「?」になっています。(←これも後で意味が分かりました。*)

 また逃亡中とされるナジム・ラーシュラウィ容疑者ですが、こちらの報道ではマラト・ユヌソフとなっています。(←これも別人です。*)
 そして、マラトはロシア出身。1990年から1998年までベラルーシのグロドノ州で暮らしていましたが、その後ベルギーへ移住。しかし少なくとも5回ベラルーシに入国したことがあり、最後にベラルーシへ来たのは2010年だそうです。

 ちょっとはっきりしない点が多いので、この件についてはまた後ほど内容を追加します。
 
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 *追記です。上記の記事の中の*マークがついているのも追記です。
 私がちょっと間違っていることが分かりました。
 ベルギー同時テロの犯人である兄弟とベラルーシ出身の兄弟は別人です。
 ただこの2組の兄弟同士がテロ組織に関わっていた・・・ということなのです。

 アレクセイとイワンの兄弟は両親の離婚後母親に引き取られ、母親はベルギー人と再婚。ベルギーに移住しました。
 その後、ベルギーでイスラム教に改宗し、改名もしました。さらにロシア筋の情報によると、2人はシリアに渡り、テロリストになる訓練を受けたらしいのですが、はっきりしません。
 2016年2月にベルギーに帰国した記録があるのですが、どこから帰国したのかは分かりません。シリアからベルギーには直行できませんし・・・

 ともかくこのベラルーシ人兄弟とロシア人マラトの3人はベルギーで知り合い、マラトは爆発物を製造するのが担当だったようです。
 この3人は昨年末からベラルーシの国家安全委員会のチェックリストに入っていて、将来テロを起こす可能性があるとしてマークされていました。
 ベルギーで同時テロが起きた後、この3人が何らかの形で関わっている可能性があったため、調査されたのですが、その結果ドブバシ兄弟の兄のほうはテロが起きたとき、ベラルーシのゴメリにいたことが判明。つまり無関係であるとベラルーシ側が発表したのです。

 一方弟のハリドとマラトのほうは今回のテロに無関係であるという確たる証拠がない(あるいはまだ調査中で結果を発表できない)状態です。

 ああ、いやだなあ、ベラルーシ人がテロリストに関与してたら・・・と思いましたが、私がもっとびっくりしたのは、ベラルーシ内務省が約10人のベラルーシ人がイスラム国の戦闘員になるためシリアに入国していると発表していることです。

 何がよくてイスラム教徒になってまで(もともとイスラム教徒だった、という人もいるでしょうけど。)危険な戦いの中に身を投じるのでしょう?
 世捨て人みたいな心理状態なんでしょうか???