ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年1月31日。ウクライナ侵攻から343日目

2023-01-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月31日。

 ベラルーシ発の戦車ゲーム「ワールド・オブ・タンクス」を手掛けるウォーゲーミング社の最高事業開発責任者であるニコライ・カツェラポフ氏が、ベラルーシKGBによってテロ活動への資金提供者として認定されていました。ただ同氏が実際にテロ活動を支援したかどうかは詳細不明です。
 またウォーゲーミング社は2022年3月31日に、事業運営の戦略的見直しとしてロシアとベラルーシでのライブゲーム事業から完全に撤退しています。同社が2011年に買収したロシアを拠点とするレスタスタジオに移管しています。
 つまり同社がベラルーシから撤退したことから、政府としては税金を得られなくなってしまい、それに対する報復措置として同氏がテロ支援者認定されたのでは?という見方がありますが、どうでしょう? 同氏は逮捕されてしまうのでしょうか。もっともすでに他の国に移住しているので、身柄を拘束される可能性は低そうです。


 ウクライナのティモシェンコ元首相が、新年をドバイで過ごしたと報じられ、国内で「戦時下で、ウクライナ人同胞が命の危険にさらされているのに、この人は・・・」と批判を浴びています。
 ロシアによる侵攻下で士気に影響しかねず、ゼレンスキー政権も対応に追われました。

 ゼレンスキー政権与党「国民の奉仕者」でも動員令で男性が出国できない中、所属議員のタイ外遊計画が「公私混同ではないか」と批判されました。
 最高検ナンバー2がスペインで休暇を過ごし、ゼレンスキー政権は24日に更迭。内閣は27日、公職にある者が正当な理由なく外国に渡航することを禁じました。
 要するに暖かい国のリゾート地にセレブのウクライナ人が行くだけで、批判され、今ではもう禁止ということです。

 ウクライナのメディアは侵攻開始後、富裕層や政治家が巨額マネーと共に移住したと報道しています。もともとウクライナには汚職がまん延していた過去がありました。ゼレンスキー政権はその撲滅に向けた取り組みをしていたのですが、今は戦争が始まり、そちらが後回しになっています。
 2012年に私がウクライナに行ったとき、夫(ウクライナ人)が宿泊した小さいホテルの従業員と話をしたら、ウクライナが賄賂社会で混乱していることをこぼしていたそうです。大学に入学するのも賄賂、成績も就職も賄賂で、お金がないと人生無理・・・ということでした。経済格差も激しいし、まだましなベラルーシのことを羨ましがられました。

 侵攻開始後、ウクライナでは徴兵対象となる年齢の男性は一部の例外を除いて出国が禁じられました。今回新たに定められた禁止措置は、女性の公務員および地方議員にも適用されます。
 例外が認められるのは、他国にいる自分の子どもに会いに行く場合や病気治療、家族が亡くなった時のみ。
 ただ、ティモシェンコ氏の長女は3人の子ども(あの話題になったイギリス人ミュージシャンの夫との子どもではないです)を連れて、侵攻前にドバイへ移住しています。ティモシェンコ氏からすれば、娘と孫がドバイに住んでいるのだから、これからも会いに行けますよね。ウクライナのセレブの子どもで外国に避難した人はたくさんいると思うので、この法律にあまり意味がないような気がします。


 
 ウクライナの国営電力企業「ウクルエネルゴ」は今日、電力不足が深刻であり、ロシアのミサイル攻撃による被害を受けて、全ての州で終日停電が発生する可能性があると発表しました。
 確かに国内の国民がこんなに生活が大変になっているのだから、特権階級の人だけリゾート地へ行きましたと聞いたら、一般国民は腹が立つでしょうね。


 先日はロシアの高官の家族がドバイなどでバカンスを楽しんでいて、それを自らSNSで上げたりしていることが報道されていました。ロシア国民の間に不満の声は出ないのでしょうか。特に兵士やその家族。
 もちろんロシア政府は「リゾート地へ行って遊んではいけません。新しい法律を作ります。」などと身内に釘を刺すようなことはしません。
 ロシア人が外国でショッピングをしていたとか、のんびりビーチで海水浴をしていたとか、ネット上で批判されたり、こういうロシア人を見ているだけでムカつくなどというコメントをする人(日本人を含む)が大勢いますね。
 私の考えでは、これはある意味、ロシア人セレブの心の裏返しのような気がします。この人達自身が、表には出しませんが心のなかで相当「やばい。ロシア負ける。」と焦っていて、もうすぐ自分たちの富が消えてしまうのではないかと非常に心配しているからこそ、「今のうちに」「できるうちに」「買えるうちに」と慌てて外国へショッピングに行っているように思えます。
 外国でロシア人セレブが買いまくる姿が増えれば増えるほど、ロシアの焦りと敗戦への恐怖、心の余裕のなさ、将来への悲観が浮き出てきているのだと思って画像や動画を見ておいたほうがいいです。
 

 ジンバブエを公式訪問中のベラルーシ大統領は今日、会見で「ベラルーシとジンバブエへの制裁は、害悪だけでなく恩恵ももたらした。制裁を受けていなければ、ジンバブエは今も欧米と貿易を続け、天然資源を売っていたかもしれない」「しかし、今は制裁のおかげで、ジンバブエはベラルーシと貿易している。わが国もジンバブエと取引できるのを喜んでいる」「私たちがアフリカに来るのは、平和と科学技術をもたらすためで、破壊のためではない」「ジンバブエがあなた方が必要とするすべてを支援すると約束しました。
 ベラルーシは、農業の機械化を目指すジンバブエに6600万ドル(約86億円)規模の支援の一環として、トラクターとハーベスター(収穫機)数百台を提供しています。
 今回もトラクターをジンバブエ大統領にプレゼント。ジンバブエ大統領からはライオンの剥製をプレゼントされました。
 ロシアとともに経済制裁を受けているベラルーシ。ロシアだけを経済パートナーにしている場合ではないと、アフリカに目を向け始めました。