ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年9月21日。ウクライナ侵攻から576日目

2023-09-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年9月21日。
 
 ベラルーシ大統領は教育相らとの会談で、ベラルーシの大学を卒業後、最短2年、最長7年間、新卒者あベラルーシの国内で就業しなければならないという新しい法律を発令する可能性について言及しました。
 ベラルーシから外国への人材流出が続いており、人手不足が社会問題になっています。
 そのため大学を卒業した後、外国へ仕事に行けないように国内で就職させようということです。
 
 そもそもこの制度はベラルーシには前からありました。 
 ベラルーシの大学のほとんどは国立大学です。卒業後、公務員になる人はとても多いです。
 そこで、大学では入学時の成績が優秀だと奨学金がもらえますが、これは返済不要です。その代わり、卒業後、大学(国)が指定する企業などへ(これも国立公立の企業が多いからできるのですが)就職し、2年間はやめることができません。このように人材を確保しています。
 もし指定の職場に就職することを拒否する場合は、罰金を支払わないといけません。これで奨学金を返すことになります。
(ちなみに卒業前に結婚し、結婚した相手の都合などで住むところが指定された職場から通勤できないと証明できると、その職場に就職しなくてすみます。罰金も払わなくていいです。それで、ベラルーシは学生結婚する人が多いんですよね。)

 今回の法改正では、この罰金の額が最高4万5000ルーブルになる可能性があり、日本円に換算すると200万円を越えるのです。ベラルーシ人の平均月収が7万円ぐらいとすると、とても支払える罰金ではありません。大金持ちの子どもだったら、大学卒業後、外国へ就職することができるでしょう。
 また職種によって、2年だったり、5年だったり7年だったり期間も変わるようです。
 ちなみにこの指定された就職先でやめられない期間が終了すると、退職、転職が可能です。
 僻地の人手不足の職場が指定されて、いやいや行く人もいれば、行ってみたら意外と気に入って、期間が終わっても同じ職場にずっと居続ける人もいます。


 ロシアは今日、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスタンの4カ国以外へのガソリンおよびディーゼルの輸出を一時禁止しました。小売価格引き下げにつながるためとしています。
 すでに数カ月に渡り、ロシアではガソリンとディーゼルが不足しています。ロシアは産油国なのですが、軍に優先的に回しているので、外国へ輸出する余裕がなくなってきたのでしょう。


 ポーランド首相は20日、ウクライナへの武供与を止めて、自国の軍備を増強すると発言しました。
 ポーランド大統領は今日、地元メディアで首相の発言について、「自国のために購入している新しい兵器は送らないという趣旨だろう」と述べ、火消しを図りました。ポーランド国内も揉めているようです。