弦楽器と鼻笛 Nekoya四弦堂

Nekoya製作の弦楽器や鼻笛をご紹介するブログです。

ギターその後

2024-06-26 06:09:00 | 日記

作業も終盤となりテールピースの製作です。

市販の物で使える物が有れば良かったのですが、パーラーギターに合うものは無く自作しました。

真鍮板を使えば作業もし易く制約も無く作れたのですが、結構お高いのと後でメッキするのも面倒なので、今回は建築金物を使用しました。

釘を通す穴が開いてますので、それをどうするかが問題です。

あれこれ考えた挙句、一度平にするためハンマーで叩きます。


開いている穴をなるだけ利用できる様考えながら、ルータと糸鋸で切ってゆきます。

どの穴を利用しているか解るでしょうか?


おおまかな型に切れたら、また叩いて曲げます。


グラインダーなどで形を整えて、ベルトサンダーで凸凹を消して出来上がり。

結構大変な作業でした。


オイルも塗ったので、後はブリッジとナットを製作して、ペグを付けたら一応出来上がり。

ただネットの削り直しとか、色々手を入れなければならない事もあり得るので、本当の完成はもう少し後になりそうです。



トラベルウクレレNo.62

2024-06-18 11:19:00 | 日記

新作のトラベルウクレレです。
No.60〜62と同じ仕様で3台作りました。
スケールは348㎜、全長は480㎜。

海外旅行を予定されている方から、ソプラノスケールのままでなるべく小さくとのオーダーでした。

No.60は既にお手元に届いております。

今までのトラベルウクレレと大きく違う点は、ボディーの幅を140㎜から127㎜に変えた事です。
また弾きやすさを考慮してヘッド側に余裕を持たせたので、ボディーが若干短くなっています。

あとはサイドバックを一枚板からの削り出しにして、バックのアーチをより深くしております。
これらの変更で音質的には少し硬め(音の粒立ちが良い)となりましたが、音量はあまり変わっておりません。

因みに、弾きやすさに影響するのはナットと1弦のペグまでの長さで、あまり短いとコードによっては押さえ辛くなります。

音質的にはボディーの幅と共に、ブリッジ後ろの余裕が関係します。

限られた条件の中であれこれ試行錯誤するのは、悩ましくも楽しいものではあります。

ハンドメイドなので一つの仕様に決める必要は無いのですが、今回の仕様は一つのスタンダードとして良い物だと思っております。









新作ハザコ鼻笛

2024-06-06 22:13:00 | 日記

岐阜県郡上市和良は大山椒魚の生息地として有名です。

地元ではハザコと呼ばれております。

和良は鼻笛愛好家の聖地の一つとも言われていて、随分前からハザコモチーフの鼻笛をご依頼いただいておりました。

しかしながら、当方が得意とする猫モチーフの様には簡単は行かず、御要望にお応えすることが出来ませんでした。

大山椒魚はファンの多い生き物ではありますが、ぱっと見にはあまり可愛いとは言えないかも知れません。

それ故リアルさを持って鼻笛の形や大きさに落とし込むには無理があったのですが、発想の転換とゆうか、突然デザインが降りて来ました。

大山椒魚大好きとゆう方には物足りないかも知れませんが、そうでない方にも何と無く(何だか解らないが)可愛い‼︎と思っていただけると思います。

何より楽器ですから、音は勿論演奏し易さも大切です。

ともあれ昨日納品に伺ったので、近日中には「道の駅和良」にてお買い求めいただけることと思います。








ウクレレの弦交換

2024-06-04 10:34:00 | 日記

先日、知人のウクレレのブリッジが剥がれ飛んだそうです。

剥がれる理由はトップの変形、接着剤の劣化など考えられますが、最初からちゃんと接着されていない場合もあります。

理屈から言えばいつか剥がれるのは当たり前の事で、一度剥がれると何度でも有るようです。

剥がれる兆候が見られたら直ぐ弦を緩めるべきですが、いきなり飛んだ時の恐怖は経験したものでないと解りません。

なので当工房のウクレレは剥がれる心配の無い(少なくとも飛びはしません)弦の裏通し式を採用しております。


今回はその弦の交換手順を説明したいと思います。

普通のブリッジの弦交換より多少面倒に思われますが、慣れればそれほど面倒でもありません。


先ず弦を通します。


差し込んだ先端をサウンドホールより引き出し玉を作ります。

この時、なかなか弦が出て来なくてちょっとイライラするのですが、そんな時は抜き差ししたり、捻じったりすると出てきます。

引き出すのにピンセットが有れば便利です。

玉は1、4弦は三重、2弦は二重と大きめに作ります。

もし不安ならビーズ等を利用すればより安心です。


後ポイントとしては先に全部の弦を通しておく事でしょうか?

最近では弦裏通し式のウクレレも増えて来ているようで、また一度ブリッジが剥がれたウクレレならちょっと手を入れてみるのもお勧めです。

いずれYouTubeにも説明の動画を乗せるつもりです。