別格

何十年も前の話。
まだプロレスも格闘技だと思われていた頃の話。

その頃は格闘技なんてのはマイナーなもので、
ヤンキーや喧嘩自慢が格闘家になるケースが多かったと思う。

当時、全日本キックを見てた頃、この選手達は本当に強いのだろうか？と思った。
だって、キックボクシングの総人口を考えたら、
野球やサッカーのトップの選手と比べものにならないぐらいに少ない。

プロ格闘技で言えば、ボクシングが圧倒的に競技人口が多い。

だから、ボクシングで世界チャンピオンになる人は凄いと思ってた。
キックでチャンピオンになるよりも明らかに。
もうボクシングだけは別格だと思ってた。

キックが好きな自分でさえも、そー思ってた。
が、今となってはわからなくなってなってきた。

武居がボクシングで無敗で世界チャンピオンになったり、
天心が無敗でアジアのチャンピオンになったり。

以前の考えではキックのチャンピオンだとしても、
ボクシングではそんなに強くなれないと思ってた。

が、ボクサーですらも難しいチャンピオンにキックのチャンピオンがなってしまう。
それを一番分かってるのがボクサーだと思う。

自分は少し勘違いしていた。

武居がボクシングの世界チャンピオンになるのは少し難しいのかな？って思ってた。
キックの成績も無敗ってわけじゃないし、チャンピオンにはなったけども強い選手と戦ってない。

一番強い選手で玖村だったのかもしれないけど、
あの頃の玖村はまだ強くなってる最中の選手だったし。
軍司とも戦ったけど、あの頃の軍司も今ほどの強さじゃなかった。
強くなったのは武居が居なくなった後の話。

それでもボクシングで世界チャンピオンになった。
ボクシングの世界チャンピオンって、競技人口から見ると凄いと思う。

確かに階級が軽いから人口はどちらかというと中量級以上よりも少ないかもしれないし、
世界と言っても軽量級だとアジアとかメキシコとかが主流になるのかもしれないが。

それでも日本人でチャンピオンになるのは難しいわけで。
キックを辞めたキックのチャンピオンの武居と天心が無敗で2人ともチャンピオンになっている。

そーなると、他のキックのチャンピオンもボクシングに転向したら、
そこそこ出来てしまうのかもしれないな〜と思った。

特に最近のキックはパンチが主流の選手が多いし。
それは総合もだけども。

意外とボクシングってのはそこまで距離が遠い格闘技じゃないのかもしれない。