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写真は、広島の三原港からすぐの佐木島西海岸にある磨崖和霊(まがいわれい)石地蔵です。
昔は、通う道もほとんどなく、山中をわけてとおりやっとだどりつくことができた海岸にひっそりとありました。お地蔵様は、海の方をむいています。船で海に出ないかぎり、やっと海岸にきても、背中の石しか見えなかったのです。
お地蔵様は、満潮時には肩まで海につかります。干潮時には、すべての姿があらわれる。
いまから700年ほど前、鎌倉時代に彫られました。銘文によると、仏師念心によって彫られたといわれます。人里はなれて、毎日海につかりながら彫ったのでしょうか。
いまは、向田桟橋の上から、お地蔵様をながめることができます。
人間の営為に感動しながら、その痕跡になにか胸が締め付けられるような感じもします。
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