「テンプレート変更を食い止めるには記事を書くしかないのか!!」メロスは激怒した。かの邪知暴虐、gooに欺かれ、裏切られ、憤慨しているのである。「ならば」とメロスは言った。「ひとつ、あのgooの奴をウフン♪と言わせるものを書いてやろう!」彼は書斎に腰をおろし、おもむろに筆を執るとうんうん唸りだした。
一時間が経過しようとしていた頃、我らがメロスはまだ「うんうん」と唸っていた。彼はいつになく勤勉であった。ところが彼は平生が怠け者であったから、慣れない種類の仕事の要領をなかなか得ない上に、意識を一点に集中させるということにかけては恐ろしく不慣れであったから、疲れてとうとうやめにした。
「あれほどうんうん唸ったんだ」と、メロスは言った。「こりゃあ大作だろう!」彼は自分のうんうんがいかなる実を結んだのか確かめようと机上の紙を手にとった。まだ最初の一文字を読まぬうちに彼はそこに書かれている――書かれているはずの文章についてあれこれ空想を膨らませて嬉々としていた。そして視線を紙に移した。次の瞬間、彼は自分の受けるべき報酬を手にした。
結局のところ、彼は誤解していたのだ。彼が一時間かけてやっていたことは「文章を書く」ことでも「文章を考える」ことでもなく、ただうんうん言っていただけだったのである。こうして、メロスは無知から徒労を刈り取り、空しさの果汁を吸った。
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