やぎの宇宙ブログ

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2月上旬のニュース

2009-02-15 01:42:52 | 最新ニュース
2月上旬の宇宙関連ニュースです。

まだ一部はリンクのみですが、時間があれば順次タイトルや解説もつけていきたいと思います。

★の数は私の勝手な注目度です。

今回は注目ニュースが目白押しです!!!

個人的には、「いぶき」の今後の活躍に大注目しています。
温暖化問題は特に発展途上国で影響が既に深刻化しているし、日本の宇宙開発技術がこうした全世界の人々に直接的に役立つことは嬉しいし、そうした貢献をすることこそ日本の責任だと思います。
そんなわけで★★★★くらいにしたいところですが、まだ初データ取得成功の段階なので、今後に期待を込めつつ★★くらいでいかがでしょうかw

代わりにと言ってはなんですが、トランジット法による地球型系外惑星の発見を★★★★にしました。
「トランジット法による」というのがポイントですね。
「ドップラーシフト法」や「マイクロ重力レンズ法」では得ることが困難な物理量が、「トランジット法」では得られるからです。

そして小惑星探査機「はやぶさ」イオンエンジン再点火のニュース。
何とか奇跡の地球帰還へ向けて頑張っています。
小惑星イトカワへの着陸から3年3ヶ月。
前ブログで着陸実況中継をして1日3500HITを達成したあの日から3年3ヶ月…orz
「はやぶさ」とともに、当サイトも奇跡の復活へ向けて今は細々と続けていくのみ!






★★ヴルカノイドを探す水星探査機メッセンジャー

MESSENGER Continues Hunt for Ever-Elusive Vulcanoids
http://messenger.jhuapl.edu/news_room/details.php?id=120


NASAの水星探査機メッセンジャーが、太陽に最も近い0.31AU(約4600万km)の距離を通過しました。
近年、観測技術の向上で太陽系外縁部の様子が詳しく分かってきましたが、実は太陽に近い中心部付近の様子は、太陽に近いために地球からの観測が困難で詳しく分かっていません。
水星軌道の内側にヴルカノイドと呼ばれる小天体群が存在する可能性がありますが、これまでの観測では60kmを超えるものは存在しないことが分かっています。
メッセンジャーはこの領域を、少なくとも直径15km以上の天体を発見できる精度で観測を行っています。
ヴルカノイドの発見が期待されます。



★★「いぶき」初観測成功

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)搭載センサの初観測データ取得について
http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090209_ibuki_j.html


日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」が、初観測データを取得しました。
雲・エアロゾルセンサ(TANSO-CAI)による擬似カラー画像や、温室効果ガス観測センサ(TANSO-FTS)によるスペクトルデータが紹介されています。
観測精度は予定通りとのことです。



★★★コンピュータ・シミュレーションが解き明かす大質量星の形成過程

The Formation of Massive Star Systems by Accretion
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/323/5915/754

ASTRONOMY: Forming Massive Stars
http://www.sciencemag.org/cgi/content/summary/323/5915/719


大質量星は、ある限度を超えると放射圧が重力を上回るために収縮が進まないと考えられてきました。
しかし今回のシミュレーションでは、重力及びレイリー・テイラー不安定性によって、非対称な円盤やフィラメントを通ってガスが流入することが分かりました。
そのため、放射圧が強くても大質量星が成長できることが明らかになりました。
一方、重力不安定性は円盤を分裂させて、より小さな恒星から成る連星系が形成されることがあります。



★水が作り出す火星のクレーターの地形

Geologic Features in Martian Craters Suggest Deposition and Flow of Water and/or Ice
http://www.psi.edu/press/archive/20090209marsice/




★ハッブルが捉えた貧血銀河NGC 4921

Exceptionally deep view of strange galaxy
http://www.esa.int/esaSC/SEMA1NXPXPF_index_0.html


かみのけ座銀河団では、密集した銀河が互いに衝突を繰り返しているため、ガスの豊富な渦巻銀河が少なく、星形成があまり行われていない楕円銀河が多くみられます。
NGC 4921はそんなかみのけ座銀河団の中でも数少ない渦巻銀河の一つですが、やはり活発な星形成がみられず、渦巻銀河の特徴である散開星団が数珠状に連なる明るい腕が目立ちません。



★★★バルジのもととなったハイパー・スターバーストを観測

A kiloparsec-scale hyper-starburst in a quasar host less than 1 gigayear after the Big Bang
http://www.nature.com/nature/journal/v457/n7230/full/nature07681.html


赤方偏移6.42の初期宇宙のクェーサーSDSS J114816.64+525150.3のホスト銀河が詳しく撮影されました。
その結果、キロパーセク・スケールの範囲で爆発的な星形成が起こっていることがわかりました。
これはハイパー・スターバーストと呼ばれる宇宙の再電離を完了させた現象である可能性があり、この際に誕生した大量の恒星が銀河系などにみられるバルジを形成したと考えられます。



★★★VLTIで小さな小惑星の形状特定に成功

Powerful New Technique to Measure Asteroids' Sizes and Shapes
http://www.eso.org/public/outreach/press-rel/pr-2009/pr-04-09.html


ヨーロッパ南天天文台のVLTIは、2台の口径8.2mの望遠鏡を組み合わせることにより、口径87mの望遠鏡に相当する能力を発揮します。
これまで小惑星の詳しい形状を知る方法には、比較的大きな小惑星を望遠鏡で直接観測する方法、地球に接近する小惑星をレーダーで観測する方法がありました。
VLTIを利用した新しい観測技術によって、地球から離れた比較的小さな小惑星も詳しく観測できるようになりました。
研究グループはまず、1990年に木星探査機ガリレオが探査した(951)ガスプラをVLTIで観測し、得られたデータに基づくモデルがガリレオの観測結果とよく一致することが確認されました。
さらに、(234)バルバラをVLTIで観測して得られたデータを解析すると、バルバラが連星系であるらしいことが分かりました。
大きさ37kmと21kmの2つの小惑星が、24kmの中心間距離で互いに公転していると仮定すると、最もよく観測結果と一致しました。



★★タイタンの火山活動を示唆するアンモニアの霜の変化

Titan: Frozen in Time or Constantly Evolving?
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/cassinifeatures/feature20090204/


NASAの土星探査機カッシーニの可視光・赤外撮像分光計(VIMS)による観測で、タイタンの地表にアンモニアの霜が時期によって明るさを変化させていることがわかりました。
アンモニアの霜が、蒸発したか、分解されたか、あるいは炭化水素の雨が降ったことにより暗くなったと考えられます。
また、現在もタイタンの大気にアンモニアが供給され続けている証拠であり、火山活動などによってタイタン内部のアンモニアが放出されている可能性があります。



★きく8号の実験成果

技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)の基本実験および利用実験の成果について
http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090204_sac_kiku8_j.html


きく8号を使った無人深海探査機の遠隔制御に成功しました。
また、桜島火山爆発総合防災訓練において、避難住民の管理や被災地状況の報告などにきく8号による通信を利用する実験が行われました。



★★「はやぶさ」、地球帰還へ向けイオンエンジン再点火

小惑星探査機「はやぶさ」の現在の状況について-イオンエンジン再点火、地球帰還へ向け第2期軌道変換を開始へ-
http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090204_hayabusa_j.html


第1期軌道変換を終えてイオンエンジンを停止した2007年10月18日以来1年以上が過ぎましたが、地球帰還へ向けた第2期軌道変換のため2月4日11時35分にイオンエンジンを再点火しました。
2010年6月の帰還までの残り軌道変換量は400m/sで、性能、推進剤ともに余力は十分残されています。



★水星のエンウォンウ・クレーター

Enwonwu: A Young Crater on Mercury Named for an African Modernist Artist
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=290




★★★★初の地球型トランジット惑星発見

Super-Earth found! The smallest transiting extrasolar planet ever discovered
http://www.obspm.fr/actual/nouvelle/feb09/exo7.en.shtml

COROT discovers smallest exoplanet yet, with a surface to walk on
http://www.esa.int/esaSC/SEM7G6XPXPF_index_0.html


ヨーロッパのCoRoT衛星による観測で、トランジット惑星CoRoT-Exo-7 bが発見されました。
トランジット惑星とは、恒星の手前を惑星が通過(トランジット)することによって恒星が一時的に暗くなる食現象によって発見された惑星のことです。
トランジット法では明るさの変化から惑星の断面積が計算できるので、そこから直径が割り出せます。
この結果CoRoT-Exo-7 bの直径や地球の役1.8倍であり、直径が測定された太陽系外惑星の中では最小です。
恒星のすぐ近く(0.017AU)を公転するため、公転周期はわずか20時間、表面温度は1000~1500℃です。



★グーグルが火星の立体地形を配信

NASA and Google Launch Virtual Exploration of Mars
http://www.nasa.gov/home/hqnews/2009/feb/HQ_09-024_Google_Mars_map.html


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