2010年も、宇宙・天文に関する様々な出来事、新発見がありました。中でも世間をにぎわせたのは、何と言っても小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還でしょう。小惑星イトカワのサンプルも発見され、歴史的快挙となりました。
「はやぶさ」が打ち上げられたのは2003年。私も打ち上げを心待ちにしていた一人でした。この「やぎの宇宙旅行」を立ち上げたのは2004年。翌2005年には「やぎの宇宙ブログ」を立ち上げ、その . . . 本文を読む
12月7日、日本初の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入は失敗に終わりました。
第5部では、「あかつき」が金星周回軌道投入に向けて噴射を始めてから、軌道投入に失敗し、ようやく地上との通信が確立されるまでの戦いを、「あかつき」の側からの視点で振り返ります。
今回は、時系列で書いてみます。
X月X日 燃料の逆流を防ぐために設置されている逆止弁CV-Fが閉塞。(閉塞の時期や原因は調査中)
1 . . . 本文を読む
「金星周回軌道投入に挑んだ24時間」と題して、今回の失敗の原因について考察してきましたが、新たな報告書も出されたので、特集を延長して続けていきます。
第4部は、今回のトラブルの根本的な原因と考えられる逆止弁CV-Fについてです。
CV-Fに一体何が起こったのか、現在分かっている範囲で解説していきます。
1. CV-Fの機能
金星探査機「あかつき」の軌道制御エンジン(OME)は、燃料と酸化剤 . . . 本文を読む
No.562 2010/12/29作成
Akatsuki trouble
日本初の金星探査機「あかつき」は、12月7日金星周回軌道投入に失敗してしまいました。
12/27にJAXAが公表した報告書によると、失敗の直接の原因は姿勢異常による軌道制御エンジンの停止であり、姿勢異常を引き起こした根本的な原因は、燃料タンクを加圧するための配管の途中に設置されている逆止弁CV-Fの閉塞であると、結論付け . . . 本文を読む
小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰った微粒子のサンプルが、各研究機関に配られて、分析されることになりました。比較的大きな粒子が配られるということです。研究機関の公募が行われ、1月下旬に配られるとのことです。いよいよ本格的な分析が始まります! . . . 本文を読む
昨日、金星探査機「あかつき」の軌道投入失敗についての原因調査の報告書が公開されました。
前回の報告書で、原因として熱流束過大、フィルムクーリング不良、スロート後方後燃え、不安定燃焼、インジェクタ噴射方向異常の5つが候補として挙げられ、そのうち熱流束過大は逆止弁CV-Fの閉塞が原因となりうると報告されていました。
今回の報告書では他の4つの候補についても分析が行われ、何れも逆止弁CV-Fの閉塞が原 . . . 本文を読む
12月7日、日本の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入は失敗に終わりました。
第2部で解説したように、噴射開始から152秒後に起きた急激な姿勢の傾きにより、OMEの噴射が中断されたため、減速が不十分で周回軌道に乗れなかったと考えられます。突然の姿勢の異常は何故起こったのか、第3部ではさらに掘り下げて分析していきます。
1. 失敗原因解明の手法について
JAXAでは、FTA解析と呼ばれる方 . . . 本文を読む
12月7日、日本の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入は失敗に終わりました。
第2部では探査機のデータから読み取れる異常とその解釈、そして軌道投入失敗の原因についての調査の進捗状況を解説します。
1. 噴射開始時から152秒後までの異常
軌道制御モードへの移行までは特に異常はなかったようです。ところが、8:48:00に軌道制御エンジン(OME)の噴射が始まると、異常が現れます。
ここでエ . . . 本文を読む
今年地球に帰還を果たした日本の小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの中に、小惑星イトカワ由来の塵が含まれていたことは、既にお伝えした通りです。
一昨日、仙台市内で開催された市民講座で東北大学准教授で地球宇宙化学が専門の中村智樹先生の講演を聞く機会があったので、かいつまんでご報告いたします。
尚、写真撮影は一切禁止だったので、文章のみです。
内容は主にカプセル開封・サンプル分析についてで、最 . . . 本文を読む
23日木曜日、「市民のためのサイエンス講座2010 『はやぶさ』奇跡の物語」を聞いてきました。
一般向けの話だしどうかなぁとも思いましたが、せっかく自分の大学で開かれる講演会だし、行かないのももったいない気がして行ってみました。
それに川口先生はじめ、諸先生方の話を生で聞いてみたいという、ミーハーな目的も兼ねてw
講演は4部でした。
JAXA 川口淳一郎先生 探査機「はやぶさ」の挑戦とその成果
. . . 本文を読む
12月7日、日本の金星探査機「あかつき」
は金星周回軌道投入を試みましたが、失敗に終わりました。
JAXAから公式な報告書が発表され、現在分かっている当時の探査機の状況と、失敗原因究明の進捗状況が明らかにされました。
今回は3部にわたって、「あかつき」に何が起きたのか、その激動の24時間を新たに明かされた事実をもとに振り返ります。
探査機の状態の把握、探査機への指令等は全て探査機と地上局との電 . . . 本文を読む
No.561 2010/12/11作成
Venus from AKATSUKI - see you again! -
日本初の金星探査機「あかつき」は、12月7日金星周回軌道投入に失敗してしまいました。
「あかつき」の6年後の金星周回軌道投入が現在検討中です。
「あかつき」は遠ざかっていく金星の姿を初めて撮影することに成功しました。
この画像は、紫外線イメージャ(UVI)、1μmカメラ(LR . . . 本文を読む
12月7日、日本初の金星探査機「あかつき」は金星をまわる軌道への投入に失敗しました。
金曜の朝から土曜の午後まで夜通し仕事で寝不足ですが今も仕事中なので、合間をぬって携帯から投稿します。
8日の時点で、エンジン噴射開始から数分後に突然大きく姿勢が崩れ、その後にエンジンがストップして予定通りの噴射が行われなかったため軌道投入に失敗してしまったこと、異常が発生したためにセーフホールドモードに入り、そ . . . 本文を読む
こんばんは。
金星探査機「あかつき」は、昨日金星の周りを回る軌道へ乗るためのエンジン噴射を行いましたが、残念ながら予定の軌道に乗ることができませんでした。
今日も出張先から携帯で最新情報を配信してきましたが、さすがに仕事のテンションも下がりました。
現在失敗の原因究明と今後の運用についての検討が行われていますが、ここで昨日からの動きと現状について、まとめてみます。
出張先から帰宅中ですが、携帯 . . . 本文を読む
金星周回軌道に乗れなかった探査機「あかつき」ですが、2016年12月と2017年1月に、再度軌道投入を試みるチャンスはあるようです。
「あかつき」からの電波の到達時間とドップラーシフト(発信源の速度に応じて周波数が変化すること)から、地球からの距離と視線速度を割り出し、そこから軌道を精確に計算した結果、予定軌道に乗れなかったことが確認されたということです。
今の軌道だと、これから噴射を行っても周 . . . 本文を読む