日本の金星探査機「あかつき」は、皆さんご存知のように、昨年12月7日に金星周回軌道投入を試みましたが、まさかの失敗に終わりました。原因は推薬弁のトラブルで軌道制御用エンジン(OME)の異常燃焼が起き、エンジンが破損したことです。ミッションの継続を断念する話も持ち上がりましたが、再び金星に接近できる可能性を追求することになりました。様々な検証や検討を重ねた結果、本来は機体の姿勢を維持するために使う姿 . . . 本文を読む
日本の金星探査機「あかつき」が金星周回軌道投入に失敗した際、軌道制御エンジン(OME)が破損した可能性が高く、今後の運用にOMEを使用できるかどうかを確認するため、本日試験噴射が行われました。
軌道投入に失敗して以降初めての噴射となる今回の試験噴射は約2秒間のみで、OMEの状態を確認するのが目的です。
地上試験でも様々な検討が繰り返されましたが、実際のエンジンの状態を把握するには、やはり本体の試験 . . . 本文を読む
日本の金星探査機「あかつき」は、昨年12月7日に金星周回軌道投入に失敗しました。その原因についての新しい報告があったので、簡単に解説します。
過去の調査報告では、失敗の原因について次のような報告が行われました。
まず、ガス系配管に設置されている逆止弁CV-Fが閉塞したことが根本的な原因であり、これによって弁が開かず、燃料タンクに十分な圧力をかけられなくなった結果、燃料の供給が減少してしまった . . . 本文を読む
12月7日、日本初の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入は失敗に終わりました。
第5部では、「あかつき」が金星周回軌道投入に向けて噴射を始めてから、軌道投入に失敗し、ようやく地上との通信が確立されるまでの戦いを、「あかつき」の側からの視点で振り返ります。
今回は、時系列で書いてみます。
X月X日 燃料の逆流を防ぐために設置されている逆止弁CV-Fが閉塞。(閉塞の時期や原因は調査中)
1 . . . 本文を読む
「金星周回軌道投入に挑んだ24時間」と題して、今回の失敗の原因について考察してきましたが、新たな報告書も出されたので、特集を延長して続けていきます。
第4部は、今回のトラブルの根本的な原因と考えられる逆止弁CV-Fについてです。
CV-Fに一体何が起こったのか、現在分かっている範囲で解説していきます。
1. CV-Fの機能
金星探査機「あかつき」の軌道制御エンジン(OME)は、燃料と酸化剤 . . . 本文を読む
昨日、金星探査機「あかつき」の軌道投入失敗についての原因調査の報告書が公開されました。
前回の報告書で、原因として熱流束過大、フィルムクーリング不良、スロート後方後燃え、不安定燃焼、インジェクタ噴射方向異常の5つが候補として挙げられ、そのうち熱流束過大は逆止弁CV-Fの閉塞が原因となりうると報告されていました。
今回の報告書では他の4つの候補についても分析が行われ、何れも逆止弁CV-Fの閉塞が原 . . . 本文を読む
12月7日、日本の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入は失敗に終わりました。
第2部で解説したように、噴射開始から152秒後に起きた急激な姿勢の傾きにより、OMEの噴射が中断されたため、減速が不十分で周回軌道に乗れなかったと考えられます。突然の姿勢の異常は何故起こったのか、第3部ではさらに掘り下げて分析していきます。
1. 失敗原因解明の手法について
JAXAでは、FTA解析と呼ばれる方 . . . 本文を読む
12月7日、日本の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入は失敗に終わりました。
第2部では探査機のデータから読み取れる異常とその解釈、そして軌道投入失敗の原因についての調査の進捗状況を解説します。
1. 噴射開始時から152秒後までの異常
軌道制御モードへの移行までは特に異常はなかったようです。ところが、8:48:00に軌道制御エンジン(OME)の噴射が始まると、異常が現れます。
ここでエ . . . 本文を読む
12月7日、日本の金星探査機「あかつき」
は金星周回軌道投入を試みましたが、失敗に終わりました。
JAXAから公式な報告書が発表され、現在分かっている当時の探査機の状況と、失敗原因究明の進捗状況が明らかにされました。
今回は3部にわたって、「あかつき」に何が起きたのか、その激動の24時間を新たに明かされた事実をもとに振り返ります。
探査機の状態の把握、探査機への指令等は全て探査機と地上局との電 . . . 本文を読む
12月7日、日本初の金星探査機「あかつき」は金星をまわる軌道への投入に失敗しました。
金曜の朝から土曜の午後まで夜通し仕事で寝不足ですが今も仕事中なので、合間をぬって携帯から投稿します。
8日の時点で、エンジン噴射開始から数分後に突然大きく姿勢が崩れ、その後にエンジンがストップして予定通りの噴射が行われなかったため軌道投入に失敗してしまったこと、異常が発生したためにセーフホールドモードに入り、そ . . . 本文を読む
こんばんは。
金星探査機「あかつき」は、昨日金星の周りを回る軌道へ乗るためのエンジン噴射を行いましたが、残念ながら予定の軌道に乗ることができませんでした。
今日も出張先から携帯で最新情報を配信してきましたが、さすがに仕事のテンションも下がりました。
現在失敗の原因究明と今後の運用についての検討が行われていますが、ここで昨日からの動きと現状について、まとめてみます。
出張先から帰宅中ですが、携帯 . . . 本文を読む
金星周回軌道に乗れなかった探査機「あかつき」ですが、2016年12月と2017年1月に、再度軌道投入を試みるチャンスはあるようです。
「あかつき」からの電波の到達時間とドップラーシフト(発信源の速度に応じて周波数が変化すること)から、地球からの距離と視線速度を割り出し、そこから軌道を精確に計算した結果、予定軌道に乗れなかったことが確認されたということです。
今の軌道だと、これから噴射を行っても周 . . . 本文を読む
日本初の金星探査機「あかつき」ですが、金星周回軌道への投入は失敗していたことが確認されました。
原因はまだ不明で、調査中です。
運用を続けるかどうかは決まっていませんが、7年も先に再トライをする意義があるのかどうなのか。
また、今後の惑星探査計画への影響も避けられないと思います。
ESAと共同開発の水星探査機ベピ・コロンボや小惑星探査機はやぶさ2等の計画がありますが、期待したいところです。
なお、 . . . 本文を読む
日本初の金星探査機「あかつき」が、今朝セラミックスラスタを噴射して、金星の周りを回る軌道への移行を試みました。
一時的な通信遮断の後、通信の回復が予定より遅れ、軌道の決定にも時間を要しています。
現在「あかつき」はセーフホールドモードに入っており、10分周期のスピン運動をしていることは間違いないようです。
中利得アンテナだと、10分の周期のうち40秒程しか通信することができない状態です。
そのため . . . 本文を読む