作戦ナンバー『37564』。
それは、とても恐ろしい作戦。しかし、この無双世界ではそう珍しくもなければ、大して難しくもない作戦。ただし、それは「易しい」や「普通」世界での話。この「難しい」世界で、果たしてこの作戦を遂行できるのか―――……。
大陸の果てにある南国は今日も雪だった。そして、その男は今日も上半身裸だった。どんなに寒くて鳥肌が立とうと鼻水が出ようと、上着を着ることが許されない彼の名は、兄貴。またの名をハイテンションお祭り男。そしてまたの別の名を元ヤン。しかし今は彼を甘寧と呼ぶ。←最初から呼んでやれ。
前回、月英帝国側の武将として戦い、玉露率いる茶国軍に破れ、空前絶後の貧乏国家・茶国に転職することとなった甘寧。転職早々、目をぎらつかせた上司・玉露から「ねぇねぇ、兄貴にぴったりのバイトがあるんだけど、どうかなぁ? 日給3000で、頑張りによっては特別ボーナス有りなんだけどぉ、行ってきてくれないかなぁ? いいでしょ? いいよね? よし、じゃあお願い頼むね宜しくね」と、押し切られた甘寧は、茶国から遠く離れた、杏仁豆腐が統治する野生の王国に『同盟国救援』という名の出稼ぎに行くことに。しかも、ここ最近連続して、企んだ作戦(二大美女ご尊顔堪能作戦、火の海に沈めてやんよ作戦)がことごとく失敗し、少し自棄を起こしつつある玉露から、救援任務の他に、作戦ナンバー『37564』の遂行という特別任務まで仰せつかってしまった。
普通の人間なら、着任早々人使いの荒い横暴な上司だと、反感や怒りを覚えたかもしれない。しかし、根っからの兄貴体質で、男の器がでっかい彼は、「しょうがねえなぁ、いっちょ派手にやってやっからよ。まあ元気出せって」と、怒るどころか逆に玉露を励まし、一緒に行く絶対行く死んでも行くと暴れる桃缶を「土産に虎でも買ってきてやっからいい子にしてな」と宥め、手下の元暴走族メンバーを引き連れて、野生の王国へと出向いたのである。
そんなこんなで始まった、杏仁の野生の王国救援戦。
プレイヤーが4エンパで南方の国で戦をする時は、何故か殆どいつも雪が降っています。今回も降ってます。兄貴、寒そうです。誰かー、毛布持ってきてー。
今回の味方メンバーをざっと確認したところ、軍神はいないものの山田がいます。後は、厳輿とか胡車児とか韓遂とか……。韓遂……。あの屈辱の完敗戦で、背後から仲達を斬りつけて捕縛した男……。めらめらと憎しみの炎が蘇ってきますが、今は一時的とは言え仲間なので、我慢我慢。対する帝国軍には、劉備(別名:民フル男)、曹洪、田豊、馬忠、などなど。数字で見るからに、兵力にあまり大きな差はない。……すげーな、杏仁。味方拠点の数も最初から5つもあるし、すげーな、杏仁。玉露の茶国なんて、いっつも敵からすっごい兵力に差つけられまくってんだけど。味方拠点も殆ど1つか2つしかないんだけども。と、どうでもいい情報に感心するプレイヤー。とりあえず戦闘開始。
下手なくせに何故かいつも強気なプレイヤーは、作戦ナンバー『37564』を実行すべく、味方全員に拠点防御を指示し、1人で敵陣目指してレッツゴー。頑張れ、兄貴。
気合は充分ながらもスタート地点が味方陣地奥深くの本陣だったことで、ちょっと出遅れた感は否めないものの、辿りついた前線にて、「うおりゃあッ!」と、相も変わらず威勢良く敵兵に切り込んでいく兄貴。さすが、元ゾッキーの切り込み隊長です(←違う)。そして、味方攻撃拠点の付近で、山田に絡まれている曹洪を発見。作戦ナンバー『37564』遂行に本気モードの兄貴は、早速参戦。今まさに無双をしかけようとしていた山田の邪魔をし、曹洪にチャージ連発。山田も、さっさと拠点防御に戻ればいいものを、どうしても曹洪を自分の手で始末したいのか、横から槍を伸ばしてくる。はっきり言って邪魔。邪魔といえば、攻撃拠点から飛んでくる石。あれもすっごい邪魔。敵拠点からの攻撃ならまだ分かるけど、なんで味方拠点からの攻撃でダメージを食らわねばならないのか。まったくもって解せぬ。そんなことを考えながらも、兄貴、怒涛の攻め。ふふふふふ。使い慣れてる武将の操作は楽でよい。曹洪、兄貴と山田に絡まれて、可哀相なほど呆気なく肉まん化。「てぇきしょうッ、討ち取ったぜッ!」と叫ぶ兄貴に、「お見事! 我らも続くぞ!」と褒めてくれる山田。ありがとう。でもちょっとあんた、邪魔だったよ。とか、失礼なことを呟きながら、次なる標的を探しに移動。
すぐに田豊と鉢合わせして、兄貴、再び戦闘開始。再び怒涛の攻め。ふっ。お前も兄貴の敵ではないな。と、斬られまくってふらふらの田豊に、「せぇいりゃッ!」と、とどめの一発。ガードされる。とどめの一発。ガードされる。ならばチャージ。ガードされる。じゃあ無双。ガードされる。……………。ナニコイツ。しかも無双技を半分出したことで(兄貴の無双は俊足移動=逃げ専用だと信じているプレイヤーは、きっと私だけではあるまい)距離が出来てしまい、その隙に逃げ出す田豊。追いかける兄貴。邪魔する敵兵。敵兵の妨害のおかげで、何度も田豊を見失いそうになるも、必死に追及。逃がすわけにはいかない。だって今回の目的は『37564』。敵の再出撃回数が0になるまで、全敵将を必ずこの手で『37564』してみせる。その思いと根性と執念で、ガードの天才・田豊に追いつき、ガードされないよう後ろから斬りかかって、田豊も肉まん化。すごい。兄貴、HPがまだ青だ。2人も敵将を撃破してHPが赤になっていないことなんて、難易度難しいで、これまで1回だってあっただろうか。すごい、すごいぜ、兄貴! さすがだぜ!
プレイヤーのテンションも素敵にハイになって、次なる標的を探す。と、探すまでもなく向こうから、民フル男が飛び込んできやがった。よっしゃー、お前も血祭りじゃー! と、威勢だけは良かったのですが、さすがは民フル。君主設定武将。曹洪や田豊より格段に強い。そしてやっぱり、ガードが出来ないプレイヤー。青かったHPが、みるみる減っていく。本気で、田豊に弟子入りしてガードの教えを請いたい。そんなことを考えていたら、民フル男の体からオーラが。やべえ無双が来る。逃げよっと。と、こんな時こそ役に立つ兄貴の無双技で、民フル男の無双攻撃から回避しようと思ったら、タイミングがちょうどよく合ってしまい、つばぜりあいに。ううう、親指が痛い。仕方ないので、人差し指で□ボタン連打。頑張りも意味なく負けてしまい、民フル男にぶっ倒される兄貴。ごめん……。でもまだHPは黄色。まだ平気。起き上がって反撃しようとしたら、またタイミングばっちりだったみたいで、つばぜりあいに。□ボタンが壊れるんじゃないかと思うくらい連打して、今度は勝利。反撃開始。にしてもやっぱり民フル男、硬い。なかなかHPが減らない。くそう。民フル相手にもたもたしているうちに、馬忠登場。戦闘に仲間入り。2対1は、無理するとやばいことになると学習したプレイヤーは、とりあえずここは一旦引こうと、隙を見つけて敵前逃亡開始。山田のいる防御拠点を目指して一直線。そんな兄貴を目指して、民フルも一直線。でも、よくよく見れば、追ってきているのは民フルだけで、馬忠は来ていない。1対1なら、やってやる。と、立ち止まって再び戦闘開始。
しかし、やっとこさ民フルのHPを4分の1にまで減らしたところで、また馬忠参戦。兄貴のHPは、民フルによって随分と削られてしまった。この状況で2対1は自殺行為に等しい。ということで、兄貴、再度、敵前逃亡開始。するとまた、追ってくる民フル男。今度は馬忠も。そして雑兵の皆さんも。
ひたすら逃げ、味方拠点に逃げ込む兄貴。山田ー、変な人に追いかけられてるのー、助けてー。と、さっき邪魔呼ばわりしたくせに、都合が悪くなると山田に頼る勝手なプレイヤー。しかし仕事に真面目な彼は、拠点に近づいてきた敵・民フル&馬忠へと突撃していく。さすが山田である。蒸篭の肉まんを食べ、とりあえず山田に馬忠のHPを削ってもらい、その間に民フルを始末しようと試みる。しかし何故か、山田の狙いは民フル男に集中。馬忠撃退指示を出しても、馬忠に横から切られても、ひたすら民フルを狙う山田。仕方ないので、山田と2人で民フル撃破。「我らの武勇、響かせてやりましょうぞ!」と、テンション高い山田に、うんそうね。でもちょっとあんた、邪魔だったよ。と、助けてもらった恩も忘れて、再び失礼な感想を抱くプレイヤー。脇からちょこちょことうざい馬忠を潰しにかかる。
そして、山田のちょっと邪魔なヘルプのおかげか、そう大して苦労するでもなく、馬忠を肉まん化。その後も、敵陣地と味方陣地を行ったり来たりしながら、みつけた敵将を次々と肉まんへと変えていく。今のところ、作戦ナンバー『37564』は順調。
そうこうしているうちに、「今こそ仁の刃をふるわん!」を復活したらしい民フル男と再び戦闘。硬い。そしてうざい。無双技ばっか使うんじゃねえ。お前の無双ゲージはなんでそんなに溜まるのが早いんだ。と、文句を垂れながら、HPの危機に、兄貴またまた敵前逃亡。またまた追ってくる民フル男。そしてまた、山田のいる防御拠点に逃げ込むプレイヤー。困った時の山田頼みである。
しかし今度は、山田は、民フル男が引き連れてきた雑兵に絡み始め、民フル男放置。しかも今度は、蒸篭に肉まんがない。弓矢はいらない、肉まんを! と、叫んだところで、蒸篭は応えてくれない。ひたすら兄貴目指してしつこい民フルに、何回か応戦するも、どんどんHPが本格的な危機になっていく。こうなったら、次の味方拠点に逃げて、そこの蒸篭に期待するしかない。4度目の逃亡を試みる兄貴。しかしまたもや追ってくる、しつこすぎる民フル男。兄貴に惚れでもしたか、民フル男。だめだぞ。兄貴に手出したら、うちの桃缶(←レディース上がり)から死ぬ目にあわされるぞ、諦めろ民フル。
兄貴の逃げ専用無双技を発動しつつ、味方拠点に逃亡成功。肉まん!と、蒸篭を見れば、またもや浮かんでいるのは弓矢。だからもう、弓矢はいいんだってば。蒸篭さま、頼むから肉まんくれよう。と、悲痛な声をあげながらも、拠点の防御をしていた厳輿と一緒に民フル退治。何とか肉まんに変身させ、兄貴、命の危機を脱出。しかし、まだちょっと心もとないので、更に奥の拠点に戻って、肉まんを探す。そうして出会えた肉まんを食べて、兄貴復活。情報画面で、山田が曹洪とタイマンをはっているのを知り、作戦ナンバー『37564』の遂行のため駆け出す。どうにか間に合って、山田の手から、敵将撃破という手柄を横取りする兄貴。そしてHPに余裕があるのをいいことに、敵陣からこちらへと移動中の馬忠を迎えに行く。
馬忠から無双技を浴びせられながらも、兄貴、無事に馬忠撃破。見れば、敵の再出撃回数は後1回。さあ、誰が復活すんだ。さっさと、かかってきやがれ。と、雑兵相手に乱闘して祭りを楽しむ兄貴。そして耳に響いた「今こそ仁の刃をふるわん!」の声に、またお前かよ。と、少しうんざりしつつ、時間が勿体無いので、途中まで迎えに行く。思いっきりレッドゾーンだけど気にしない。祭りは、少し危険なほうが盛り上がる。とか、思ったプレイヤーが馬鹿でした。ごめんなさい。反省してます。謝りますから、どうか勘弁してください敵兵のみなさん。
民フル男だけでも、毎回HPが危なくなるというのに、やたら仕事熱心な敵の雑兵&弓兵のおかげで、兄貴、大ピンチ。とどめに、民フルのチャージ攻撃をまともに喰らってしまい、三途の川どころか、川の向こうのお花畑が見えそうなHPゲージの兄貴。……やばい、逃げろ、逃げるんだ兄貴。作戦ナンバー『37564』の成功は目の前だけど、『37564』どころか、兄貴を死なせたら桃缶から私が殺される。そんな気がする。
コントローラーの命令を受けて必死に逃げる兄貴。5回目の敵前逃亡。そしてやっぱりというか、なんというか、追ってくる民フル男。もうやだ、何なのあの人。成分:しつこさで出来てんじゃないの。と、文句を言っても始まらない。ひたすら逃げる。そんな兄貴をひたすら追ってくる民フル。しつこいなんてもんじゃない。諦めろよお前。人間諦めも大事だぞ。お前の息子は、なかなか諦めが良かったみたいじゃないか。よく知らないけど。お前も見習え民フル。
そしてやっと、味方拠点に到着。背後にはしつこく民フルが迫っている。山田ー!! たーすーけーてー!!と、拠点に飛び込み、蒸篭さまー!! 肉まんー!!と、見れば、浮かんでいるのは、これまた弓矢。どんだけ弓矢が豊富なんだ、この国は。弓矢の特産地かちくしょう。しかし、落胆している暇はない。山田を無視した民フルが、兄貴めがけて突進してくる。こうなったら一か八かだ。HPはやばいけど、今なら山田や拠点兵達の援護もある。そして、こいつさえ倒せば、作戦ナンバー『37564』は成功する。頑張れ、兄貴!と、痛む親指に力を入れて、民フルに攻撃再開。正面からの兄貴の攻撃をガードで防ぐ民フル。しかし残念。その後ろには山田がいるのだよフハハハハ。背後からの山田の攻撃に民フルが体制を崩した、その瞬間を逃さず、すかさずチャージチャージチャージ。ひたすらチャージ。今だけは邪魔してくれるな、山田。今邪魔されたら、兄貴は死ぬ。桃缶も、嘆きのあまり死んでしまうかもしれない。そんなプレイヤーの気迫が通じたのか、山田、兄貴の横で構えるも、槍で民フル男をどついて兄貴の連続攻撃を途切れさせるという邪魔をすることはなく、兄貴、めでたく民フルを肉まん化。作戦ナンバー『37564』、成功!!
制限時間終了まで後2分弱。敵拠点近くに行って、敵雑兵相手に兄貴にお祭り気分を味合わせてやりたいけれど、残念ながらもう、そんなことをしていられるHPじゃない。大人しく味方防御拠点で、山田の顔をR1でアップにして観賞。ヘイゼル髭、万歳。山田、万歳。ところで、上着を一枚、兄貴に貸してやってくれませんか、山田。などなど、思っていたところで、制限時間終了。杏仁の野生の王国救援戦、勝利。
貧窮する茶国財政の希望の光である日給の金3000とボーナス400を貰って、そして、玉露の悲願(?)だった作戦ナンバー『37564』も見事成功させ、桃缶にはポケットマネーで虎のぬいぐるみを買って、兄貴は無事、寒い南国から茶国へと帰途についたのでありました。
男だねー、兄貴!
それは、とても恐ろしい作戦。しかし、この無双世界ではそう珍しくもなければ、大して難しくもない作戦。ただし、それは「易しい」や「普通」世界での話。この「難しい」世界で、果たしてこの作戦を遂行できるのか―――……。
大陸の果てにある南国は今日も雪だった。そして、その男は今日も上半身裸だった。どんなに寒くて鳥肌が立とうと鼻水が出ようと、上着を着ることが許されない彼の名は、兄貴。またの名をハイテンションお祭り男。そしてまたの別の名を元ヤン。しかし今は彼を甘寧と呼ぶ。←最初から呼んでやれ。
前回、月英帝国側の武将として戦い、玉露率いる茶国軍に破れ、空前絶後の貧乏国家・茶国に転職することとなった甘寧。転職早々、目をぎらつかせた上司・玉露から「ねぇねぇ、兄貴にぴったりのバイトがあるんだけど、どうかなぁ? 日給3000で、頑張りによっては特別ボーナス有りなんだけどぉ、行ってきてくれないかなぁ? いいでしょ? いいよね? よし、じゃあお願い頼むね宜しくね」と、押し切られた甘寧は、茶国から遠く離れた、杏仁豆腐が統治する野生の王国に『同盟国救援』という名の出稼ぎに行くことに。しかも、ここ最近連続して、企んだ作戦(二大美女ご尊顔堪能作戦、火の海に沈めてやんよ作戦)がことごとく失敗し、少し自棄を起こしつつある玉露から、救援任務の他に、作戦ナンバー『37564』の遂行という特別任務まで仰せつかってしまった。
普通の人間なら、着任早々人使いの荒い横暴な上司だと、反感や怒りを覚えたかもしれない。しかし、根っからの兄貴体質で、男の器がでっかい彼は、「しょうがねえなぁ、いっちょ派手にやってやっからよ。まあ元気出せって」と、怒るどころか逆に玉露を励まし、一緒に行く絶対行く死んでも行くと暴れる桃缶を「土産に虎でも買ってきてやっからいい子にしてな」と宥め、手下の元暴走族メンバーを引き連れて、野生の王国へと出向いたのである。
そんなこんなで始まった、杏仁の野生の王国救援戦。
プレイヤーが4エンパで南方の国で戦をする時は、何故か殆どいつも雪が降っています。今回も降ってます。兄貴、寒そうです。誰かー、毛布持ってきてー。
今回の味方メンバーをざっと確認したところ、軍神はいないものの山田がいます。後は、厳輿とか胡車児とか韓遂とか……。韓遂……。あの屈辱の完敗戦で、背後から仲達を斬りつけて捕縛した男……。めらめらと憎しみの炎が蘇ってきますが、今は一時的とは言え仲間なので、我慢我慢。対する帝国軍には、劉備(別名:民フル男)、曹洪、田豊、馬忠、などなど。数字で見るからに、兵力にあまり大きな差はない。……すげーな、杏仁。味方拠点の数も最初から5つもあるし、すげーな、杏仁。玉露の茶国なんて、いっつも敵からすっごい兵力に差つけられまくってんだけど。味方拠点も殆ど1つか2つしかないんだけども。と、どうでもいい情報に感心するプレイヤー。とりあえず戦闘開始。
下手なくせに何故かいつも強気なプレイヤーは、作戦ナンバー『37564』を実行すべく、味方全員に拠点防御を指示し、1人で敵陣目指してレッツゴー。頑張れ、兄貴。
気合は充分ながらもスタート地点が味方陣地奥深くの本陣だったことで、ちょっと出遅れた感は否めないものの、辿りついた前線にて、「うおりゃあッ!」と、相も変わらず威勢良く敵兵に切り込んでいく兄貴。さすが、元ゾッキーの切り込み隊長です(←違う)。そして、味方攻撃拠点の付近で、山田に絡まれている曹洪を発見。作戦ナンバー『37564』遂行に本気モードの兄貴は、早速参戦。今まさに無双をしかけようとしていた山田の邪魔をし、曹洪にチャージ連発。山田も、さっさと拠点防御に戻ればいいものを、どうしても曹洪を自分の手で始末したいのか、横から槍を伸ばしてくる。はっきり言って邪魔。邪魔といえば、攻撃拠点から飛んでくる石。あれもすっごい邪魔。敵拠点からの攻撃ならまだ分かるけど、なんで味方拠点からの攻撃でダメージを食らわねばならないのか。まったくもって解せぬ。そんなことを考えながらも、兄貴、怒涛の攻め。ふふふふふ。使い慣れてる武将の操作は楽でよい。曹洪、兄貴と山田に絡まれて、可哀相なほど呆気なく肉まん化。「てぇきしょうッ、討ち取ったぜッ!」と叫ぶ兄貴に、「お見事! 我らも続くぞ!」と褒めてくれる山田。ありがとう。でもちょっとあんた、邪魔だったよ。とか、失礼なことを呟きながら、次なる標的を探しに移動。
すぐに田豊と鉢合わせして、兄貴、再び戦闘開始。再び怒涛の攻め。ふっ。お前も兄貴の敵ではないな。と、斬られまくってふらふらの田豊に、「せぇいりゃッ!」と、とどめの一発。ガードされる。とどめの一発。ガードされる。ならばチャージ。ガードされる。じゃあ無双。ガードされる。……………。ナニコイツ。しかも無双技を半分出したことで(兄貴の無双は俊足移動=逃げ専用だと信じているプレイヤーは、きっと私だけではあるまい)距離が出来てしまい、その隙に逃げ出す田豊。追いかける兄貴。邪魔する敵兵。敵兵の妨害のおかげで、何度も田豊を見失いそうになるも、必死に追及。逃がすわけにはいかない。だって今回の目的は『37564』。敵の再出撃回数が0になるまで、全敵将を必ずこの手で『37564』してみせる。その思いと根性と執念で、ガードの天才・田豊に追いつき、ガードされないよう後ろから斬りかかって、田豊も肉まん化。すごい。兄貴、HPがまだ青だ。2人も敵将を撃破してHPが赤になっていないことなんて、難易度難しいで、これまで1回だってあっただろうか。すごい、すごいぜ、兄貴! さすがだぜ!
プレイヤーのテンションも素敵にハイになって、次なる標的を探す。と、探すまでもなく向こうから、民フル男が飛び込んできやがった。よっしゃー、お前も血祭りじゃー! と、威勢だけは良かったのですが、さすがは民フル。君主設定武将。曹洪や田豊より格段に強い。そしてやっぱり、ガードが出来ないプレイヤー。青かったHPが、みるみる減っていく。本気で、田豊に弟子入りしてガードの教えを請いたい。そんなことを考えていたら、民フル男の体からオーラが。やべえ無双が来る。逃げよっと。と、こんな時こそ役に立つ兄貴の無双技で、民フル男の無双攻撃から回避しようと思ったら、タイミングがちょうどよく合ってしまい、つばぜりあいに。ううう、親指が痛い。仕方ないので、人差し指で□ボタン連打。頑張りも意味なく負けてしまい、民フル男にぶっ倒される兄貴。ごめん……。でもまだHPは黄色。まだ平気。起き上がって反撃しようとしたら、またタイミングばっちりだったみたいで、つばぜりあいに。□ボタンが壊れるんじゃないかと思うくらい連打して、今度は勝利。反撃開始。にしてもやっぱり民フル男、硬い。なかなかHPが減らない。くそう。民フル相手にもたもたしているうちに、馬忠登場。戦闘に仲間入り。2対1は、無理するとやばいことになると学習したプレイヤーは、とりあえずここは一旦引こうと、隙を見つけて敵前逃亡開始。山田のいる防御拠点を目指して一直線。そんな兄貴を目指して、民フルも一直線。でも、よくよく見れば、追ってきているのは民フルだけで、馬忠は来ていない。1対1なら、やってやる。と、立ち止まって再び戦闘開始。
しかし、やっとこさ民フルのHPを4分の1にまで減らしたところで、また馬忠参戦。兄貴のHPは、民フルによって随分と削られてしまった。この状況で2対1は自殺行為に等しい。ということで、兄貴、再度、敵前逃亡開始。するとまた、追ってくる民フル男。今度は馬忠も。そして雑兵の皆さんも。
ひたすら逃げ、味方拠点に逃げ込む兄貴。山田ー、変な人に追いかけられてるのー、助けてー。と、さっき邪魔呼ばわりしたくせに、都合が悪くなると山田に頼る勝手なプレイヤー。しかし仕事に真面目な彼は、拠点に近づいてきた敵・民フル&馬忠へと突撃していく。さすが山田である。蒸篭の肉まんを食べ、とりあえず山田に馬忠のHPを削ってもらい、その間に民フルを始末しようと試みる。しかし何故か、山田の狙いは民フル男に集中。馬忠撃退指示を出しても、馬忠に横から切られても、ひたすら民フルを狙う山田。仕方ないので、山田と2人で民フル撃破。「我らの武勇、響かせてやりましょうぞ!」と、テンション高い山田に、うんそうね。でもちょっとあんた、邪魔だったよ。と、助けてもらった恩も忘れて、再び失礼な感想を抱くプレイヤー。脇からちょこちょことうざい馬忠を潰しにかかる。
そして、山田のちょっと邪魔なヘルプのおかげか、そう大して苦労するでもなく、馬忠を肉まん化。その後も、敵陣地と味方陣地を行ったり来たりしながら、みつけた敵将を次々と肉まんへと変えていく。今のところ、作戦ナンバー『37564』は順調。
そうこうしているうちに、「今こそ仁の刃をふるわん!」を復活したらしい民フル男と再び戦闘。硬い。そしてうざい。無双技ばっか使うんじゃねえ。お前の無双ゲージはなんでそんなに溜まるのが早いんだ。と、文句を垂れながら、HPの危機に、兄貴またまた敵前逃亡。またまた追ってくる民フル男。そしてまた、山田のいる防御拠点に逃げ込むプレイヤー。困った時の山田頼みである。
しかし今度は、山田は、民フル男が引き連れてきた雑兵に絡み始め、民フル男放置。しかも今度は、蒸篭に肉まんがない。弓矢はいらない、肉まんを! と、叫んだところで、蒸篭は応えてくれない。ひたすら兄貴目指してしつこい民フルに、何回か応戦するも、どんどんHPが本格的な危機になっていく。こうなったら、次の味方拠点に逃げて、そこの蒸篭に期待するしかない。4度目の逃亡を試みる兄貴。しかしまたもや追ってくる、しつこすぎる民フル男。兄貴に惚れでもしたか、民フル男。だめだぞ。兄貴に手出したら、うちの桃缶(←レディース上がり)から死ぬ目にあわされるぞ、諦めろ民フル。
兄貴の逃げ専用無双技を発動しつつ、味方拠点に逃亡成功。肉まん!と、蒸篭を見れば、またもや浮かんでいるのは弓矢。だからもう、弓矢はいいんだってば。蒸篭さま、頼むから肉まんくれよう。と、悲痛な声をあげながらも、拠点の防御をしていた厳輿と一緒に民フル退治。何とか肉まんに変身させ、兄貴、命の危機を脱出。しかし、まだちょっと心もとないので、更に奥の拠点に戻って、肉まんを探す。そうして出会えた肉まんを食べて、兄貴復活。情報画面で、山田が曹洪とタイマンをはっているのを知り、作戦ナンバー『37564』の遂行のため駆け出す。どうにか間に合って、山田の手から、敵将撃破という手柄を横取りする兄貴。そしてHPに余裕があるのをいいことに、敵陣からこちらへと移動中の馬忠を迎えに行く。
馬忠から無双技を浴びせられながらも、兄貴、無事に馬忠撃破。見れば、敵の再出撃回数は後1回。さあ、誰が復活すんだ。さっさと、かかってきやがれ。と、雑兵相手に乱闘して祭りを楽しむ兄貴。そして耳に響いた「今こそ仁の刃をふるわん!」の声に、またお前かよ。と、少しうんざりしつつ、時間が勿体無いので、途中まで迎えに行く。思いっきりレッドゾーンだけど気にしない。祭りは、少し危険なほうが盛り上がる。とか、思ったプレイヤーが馬鹿でした。ごめんなさい。反省してます。謝りますから、どうか勘弁してください敵兵のみなさん。
民フル男だけでも、毎回HPが危なくなるというのに、やたら仕事熱心な敵の雑兵&弓兵のおかげで、兄貴、大ピンチ。とどめに、民フルのチャージ攻撃をまともに喰らってしまい、三途の川どころか、川の向こうのお花畑が見えそうなHPゲージの兄貴。……やばい、逃げろ、逃げるんだ兄貴。作戦ナンバー『37564』の成功は目の前だけど、『37564』どころか、兄貴を死なせたら桃缶から私が殺される。そんな気がする。
コントローラーの命令を受けて必死に逃げる兄貴。5回目の敵前逃亡。そしてやっぱりというか、なんというか、追ってくる民フル男。もうやだ、何なのあの人。成分:しつこさで出来てんじゃないの。と、文句を言っても始まらない。ひたすら逃げる。そんな兄貴をひたすら追ってくる民フル。しつこいなんてもんじゃない。諦めろよお前。人間諦めも大事だぞ。お前の息子は、なかなか諦めが良かったみたいじゃないか。よく知らないけど。お前も見習え民フル。
そしてやっと、味方拠点に到着。背後にはしつこく民フルが迫っている。山田ー!! たーすーけーてー!!と、拠点に飛び込み、蒸篭さまー!! 肉まんー!!と、見れば、浮かんでいるのは、これまた弓矢。どんだけ弓矢が豊富なんだ、この国は。弓矢の特産地かちくしょう。しかし、落胆している暇はない。山田を無視した民フルが、兄貴めがけて突進してくる。こうなったら一か八かだ。HPはやばいけど、今なら山田や拠点兵達の援護もある。そして、こいつさえ倒せば、作戦ナンバー『37564』は成功する。頑張れ、兄貴!と、痛む親指に力を入れて、民フルに攻撃再開。正面からの兄貴の攻撃をガードで防ぐ民フル。しかし残念。その後ろには山田がいるのだよフハハハハ。背後からの山田の攻撃に民フルが体制を崩した、その瞬間を逃さず、すかさずチャージチャージチャージ。ひたすらチャージ。今だけは邪魔してくれるな、山田。今邪魔されたら、兄貴は死ぬ。桃缶も、嘆きのあまり死んでしまうかもしれない。そんなプレイヤーの気迫が通じたのか、山田、兄貴の横で構えるも、槍で民フル男をどついて兄貴の連続攻撃を途切れさせるという邪魔をすることはなく、兄貴、めでたく民フルを肉まん化。作戦ナンバー『37564』、成功!!
制限時間終了まで後2分弱。敵拠点近くに行って、敵雑兵相手に兄貴にお祭り気分を味合わせてやりたいけれど、残念ながらもう、そんなことをしていられるHPじゃない。大人しく味方防御拠点で、山田の顔をR1でアップにして観賞。ヘイゼル髭、万歳。山田、万歳。ところで、上着を一枚、兄貴に貸してやってくれませんか、山田。などなど、思っていたところで、制限時間終了。杏仁の野生の王国救援戦、勝利。
貧窮する茶国財政の希望の光である日給の金3000とボーナス400を貰って、そして、玉露の悲願(?)だった作戦ナンバー『37564』も見事成功させ、桃缶にはポケットマネーで虎のぬいぐるみを買って、兄貴は無事、寒い南国から茶国へと帰途についたのでありました。
男だねー、兄貴!