硝子のスプーン

そこにありました。

アナタガワタシニクレタモノ

2014-10-10 01:30:21 | 日記(雑記)
あなたが私にくれたもの♪ シャガールみたいな青い夜♪

この歌知ってる十代はもういないだろうな。てか二十代でも知らないかもな。


変な時間に寝てしまって、変な時間に起きてしまった。失敗した。まあ、そういう日もある。
せっかく起きているので、ブログ更新。
今日はちょっとセンチメンタルジャーニーな内容。
捨てられない大事なものは宝箱に入れておこうと思ったけど、そうやっていつまでも大事大根に取っておくから時々眺めたくなってつい取り出して足が止まってしまうんだという心理学説(?)を読んだので。
センチメンタルジャーニーお断りな方は、ブラウザバックを熱く推奨する。



ちょっと思うところがあって、少し前からちょびちょび出来る範囲で身の回りの品の整理をしているのだけど、私は結構すぱすぱと物を捨てる人だ。
必要ないと思ったら、それがたとえ過去に必要だったもの、もしくは未来に必要になるかもしれない可能性があるものだったとしても、あっさり捨てるか、人にあげるか、店に売るかする。悩むことなど殆どない。悩むとしたら、漫画くらいだ。
漫画はなかなか難しい。私は気に入った本は何回もしつこくしつこく読むタイプだけど、漫画はそうでもなくて、連載中に買い続けていた漫画が終わって全巻出揃って数年経つと、心の殿堂入りを果たしたよっぽどのお気に入り作品じゃない限りは、新しい漫画を置くスペースを空けるために売ることにしていて、実際そうやって何十冊何百冊(実際百は優に越している気がする)という漫画とお別れしてきたのだけど、後から売ったことを心底後悔して買い戻した漫画も多々ある。漫画の取捨選択は本当に難しい。

早速話が逸れたが、とにかく私は、「物を捨てる=手放す行為」に関しては殺伐としていると言われても頷くしかないほど躊躇いがない。家族内では「要らない物をあの子の前に置いていたら容赦なく捨てられる…!」という強迫観念すらもたれてしまっているくらいだ。さすがに私だって人の物を無断で捨てたりはしないのだけど、恐らく、そう思わせてしまうような行動を私が日頃から取ってしまっているのだろう。
去年の夏、一人と一匹暮らしだったマンションから実家へと戻ったときも、当時買ったばかり(?)のソファーがあったのだが、実家には置く場所もないしもう必要ないと思って売り払った。母はしつこく「新しいのに勿体無い」と言っていたが、リサイクルショップに売るのに勿体無いも何もないだろうというのが私の考えだ。物を大事にしなさいというお叱りの声が聞こえてくるような気もするけど、私個人としては、けして物を粗末に扱っているわけではないと思っている。ただ、必要のない物をずっと持っていても仕方ないだろうと割り切っているだけだ。こういうところに、心のシビアさが滲み出ているなあと我ながら思うけれど。

だけど、そんな私でもやっぱり、人から貰った思い出の品というものは捨てられない。
家族然り、友達然り、過去の恋人然り。
物と思い出は別物だが、思い出の分だけ、物もある。
家族がくれた物は、いずれひとりぼっちになるだろう私(←順番的に考えて)にはとても大事なものだ。壊れても使えなくなっても、けして捨ててはいけない。二十歳を過ぎたあたりから、意識的にそうしてきた。
友達がくれた物もそうだ。けして手放してはいけない。少なくとも私はそう思う。
だけど、過去の恋人がくれた物はどうなんだろう。必要なかったら捨てるべきものなんだろうか。それともやっぱり、手元に置いておくべきなのだろうか。自由なだけになかなか判断が難しい。

よく、別れたら即効で貰ったもの全部捨てるとか、相手に返品するとか、激しい人だと燃やしてしまうとか、そういう話を耳にする。
そういう人達の繊細さはすごいなあと本気で思う。
私の中では、あくまで物は物なので、貰ったアクセサリーが私の好みで私が好きならば、それをくれた人と別れても、別段気にせずに普段使いが出来てしまう。さすがに、ラブラブの時に貰った指輪をラブラブな時同様、薬指に着け続けるというのはちょっとどうなのって思うのでしないけれど、ネックレスとかピアスとかは関係なく使い続ける。そうすることで、その相手を思い出して切ない気分になるということも、まずない。私にとって、物はあくまで物だからだ。
こういうところにも、私のシビアさというか冷めた人間性がよく出ているなあと、振り返ってみてつくづく思った。知り合いから情が深いとよく言われるけど、本当は私は情なんて欠片も持ち合わせていない気がする。まあ、だからって別に今からそれを改めようなんて気もないけど。

そんなことを考えながら、今日身辺整理をしていた。
少し前にもここに書いたけど、私には長年ずっと好きだった人がいる。その人を仮にAとしよう。また、Aの他に付き合った人も数人いる(断じて同時進行ではない)。
Aとは、他の彼氏さまと比べて付き合っていた期間がダントツ長くて、一緒に暮らしていた期間も長い。当然、思い出も思い出の品も山のようにあるし、プレゼントをあげた回数も貰った回数も、Aが軒並みトップだ。

しかし、今日整理しながら思った。
Aが私にくれた物と他の彼氏さまがくれた物では、まるで種類が違うなと。
他の彼氏さま達が私にくれたものトップスリーは、ブランド物の指輪やネックレス等のアクセサリー、バック、洋服で、くれたのは大体誕生日だとか記念日だとかクリスマスだとかだ。
だけどAが私にくれたものは、そういうものとは違ってなんというか、色気もへったくれもない実用的なものばかりで(具体的な例を挙げると、プレステ2(本体機器)や、ノートパソコン。財布。デジカメ。電子辞書。本。本。本。ひたすら本。とにかく本。そして、アイポッド。ポロライドカメラ。音声録音機(正式名称忘れた)。花束。鉢植え)、くれるのは大抵、自分の買い物の「ついで」の時だった。
最近脳内デリートが激しくて記憶が曖昧だけど、考えてみれば確か私は、Aにクリスマスや誕生日に、物をプレゼントとして貰ったことは一度もないと思う。

私は自分からアレが欲しいコレが欲しいと可愛くおねだり出来るような女の偏差値が高い女ではない。むしろ、「買ってあげようか?」と言われたら、即答で「いやいい」と言ってしまう可愛げのないタイプだ。
欲しいものは自分で手に入れる…というと何だか自立したかっこいい女みたいだけど、私の場合はただの強がりに近い。若干遠慮も混じっている。
それでも相手が気を使って買ってくれた場合は、素直に感謝するけど、でも私が恋人に求める甘えというのはそういった物欲でなくて、うまく言えないけど「普通の日常」そのもので、だから白状してしまうと、高いブランドの指輪とかバックは驚くけどそこまで嬉しくない(全く嬉しくないわけではないよここ注意)。それらは私の思う「普通の日常」じゃないからだ。

そもそも考えてみれば私は、恋人に対して誕生日や記念日に「物をもらいたい」という気持ちが若い頃からあまりない。記念日など私はいちいち覚えていないから、逆に相手が覚えていてプレゼントなど用意されると慌ててしまうし、誕生日やクリスマスは一緒に食事でも出来ればそれで充分幸せを満喫できる。
勿論、好きな人から物をもらってを嬉しいと思う気持ちはある。私の為に選んでくれたんだなと幸せな気分にもなる。でも理想を言えば、そんなことより、もっとそばにいて欲しいと思う。私のことを思ってお店でプレゼントを選んでいる時間、私のそばにいてくれた方が、私はずっと嬉しいし満たされる。とはいえ、おとぎの国でもあるまいし、相手と片時も離れずに一緒にいられるなんてわけがないことは分かっているので、あくまでこれは理想論だ。

私は自分の中にある、ややこしい面倒くさい感情諸々を人に話さない。
誰かを好きだと思ったら、あまり物怖じしないで相手に好きだとはっきり伝えるし、日常的に相手に言葉や行動で好きを伝えることも、私にとっては息を吸うのと同じくらいの感覚だ。だから、「好きとか恥ずかしくて言えない」とかいう人を見ると、なんてファンタジーな人なんだって思う。←けしてファンタジーではないw
でも、好きとか愛してるとかそういう気持ちはすごく簡単に言えても、心の奥底にあるややこしい感情の話なんかは、私は出来ない。うまく言葉で言えないという理由も大きいけど、言っても仕方ないという諦めという名の人間不信が根底にあって、これは私の悪い点なんだろうけど、残念ながらそれは今更覆るようなものじゃない。
自分が信じないのに相手から信じられるはずもないから、私は恋愛不適応者なのだろうと最近やっと理解した。

気が付けばまた話が脱線した。
Aがくれた物の話だ。
Aは、私のことをよく見ていてくれたのだなあと、Aがくれた物たちをみていると、しみじみ胸がじんとした。
私が好きそうなもの、私が興味あるもの、私が興味を持つだろうもの。私のことをよくまあここまで知っていたものだと感動すらしてしまう。しかも、くれるのは「自分の買い物のついで」。自分のものを選ぶ途中に偶然目に入って、のんちゃんが好きそうだなって思ったからついでに買ってきた。それがAの言い分だ。そして私がAからのプレゼントを喜々として開いている間、Aは別に私の反応を見るでもなく、自分のために買ってきたものに全身全霊で夢中になっていた。
私はAのそういうところも本当に好きだった。

Aがくれた物らは今も私の手元に全部ある。中にはもう壊れてしまって使えないものもある。私はこれらを処分すべきだろうかとちょっと考えた。ちょっと考えて、やめた。私が捨てるべきは、物じゃなくて思い出の方だ。
物はあくまでずっと物だけど、思い出はそうじゃない。あいつらは時間が経てば経つほど優しく美しく変化していくから、危険だ。しかも私は、あいつらを宝物みたいにずっと大事に自分の中の箱にしまってきたから、余計危険度がUPしてる。

私はもう、恋愛感情は誰にも持たないだろう。
諦めとかじゃなくて、直感でそう思う。
でもだからって、ずっとAのことを思い続けるわけにはいかない。というか、そんなこと不可能だ。Aはもう私のAではないし、私には私の人生がある。願っても願わずとも、人はいつまでも同じ場所にはいられない。
だから、大事大事にずっと心の中にしまっていた宝物が後ろ髪をひくなら、もう思い切って全部捨てようと思う。
でも、捨て方がよく分からない。
どうやったら、捨てられるのかな、思い出って。
もしかして最近脳内デリートが異常に激しいのは、無意識に思い出を捨てにかかっているのかな、脳が。だったらいいな。





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10 Comments

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気持ち、すごくわかっちゃいます (ひーちゃん)
2014-10-10 07:47:46

けど、私とは違う価値観を持っていて、なんだかうらやましいですね(´・_・`)

持っていても仕方がない物、捨ててみようかな…
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ご無沙汰してます。 (pada01)
2014-10-10 08:12:50
いつもブログには伺っているのですが、なかなかコメントを残せなくてごめんなさい。
お体の具合はいかがですか?

さて。思い出と物の話ですが。

私は恐らく正反対のタイプで、思い出はさっさとしまいこむ割に、物を捨てるのに苦労する方です。
何の思い入れもない場合は容赦なく捨てられるのですが、ちょっとでも思い出があったりすると、ぐずぐず迷ってしまいます。
何でしょうね、このよくわからないセンチメンタルな感情って。

ただひとつ言えるのは、思い出は忘れたくなくてもいずれ薄れていくものだということです。
絶対に忘れないと思っていたエピソードも、月日が古い写真みたいに鮮明さを失わせていきます。
いつか忘れてしまうかもしれないなら、気がすむまでいとおしむのもいとおしむのも、ひとつの方法かもと今では思っています。

覚えているのは苦しくても、その気持ちはその時しか感じられないかもしれない。
お話をつくる糧になる可能性があるのなら、もう少し味わうのもいいのかもしれませんよ。

。。。なんて、勝手なことをごめんなさい。
でも、そういう思い出ってきっと真珠の素みたいなものだと思うので。

心身の回復を心より願ってます。
お大事にしてください。
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Unknown (のん)
2014-10-10 13:09:57
ひーちゃん、これは個人個人で価値観が違うものだから、客観的に見て持っていて仕方がないものでも、それをひーちゃんの心が必要としているならば、わざわざ捨てることもないんじゃないかなあって思います。ガラケーとかね。…………ジャージとかね(笑)
漫画と違って買い戻すことはできない物らだから、捨てた後に後悔するようなことにだけはならないように、その時の勢いだけで行動しちゃだめだよーん。

気持ちはいつか絶対薄れていくものだから、その点では私はたまに感傷に浸るのもいいと思うのだけど、思い出というか、その人といて起こった物事に対してその時感じた強い感情(うまく説明できないごめん)は、なかなか薄れてくれなくて、苦しくなるね。
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Unknown (のん)
2014-10-10 13:58:15
pada01さん、私のほうこそ、気を紛らわす言葉一つ残せなくてごめんなさい。どんな言葉を書いても薄っぺらくなってしまって、コメ書きかけては消していました。
弥七たんがいる。旦那さまもいる。少しずつでも穏やかに日々を繰り返すことが出来ていることを信じて、のんびりと再開を待ってます。

そう。思い出そのものは薄れていくのだけど、その思い出に対しての自分の感情がなかなか薄れなくて、フラッシュバックみたいに突然感情がぐおおおって襲ってくるときがあって、そういう時はもう開き直って泣きたかったら泣くことにしてるんですけど(ていうか勝手に涙が出てくる)、そういうのもいずれ自然と消えてなくなるのでしょうか。
ちょっと私は無駄に溜め込みすぎたみたいで、フラッシュバックの勢いが辛いというか自分が怖いです。

でも確かに、この気持ちも今しか味わえないものなのかも。以前は確実になかった気持ちですから。今が今だけなら、多少辛くても全身で今を味わうほうが得策かもしれない。
真珠の素かあ。素敵。
綺麗に育てて創作の糧にするのが、生粋の創作者魂ですよね! よし! 未来の創作のために、腹くくってもう少しうじうじしてよう!(笑)

私の心配までしてくださって、ありがとうございます。
大事にします。
pada01さんも、ですよ!
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Unknown (Unknown)
2014-10-10 18:33:10
振り返るのもいいかもね。
楽しいことも辛いこともないよりましかも。
あ、でも辛いのは嫌かなやっぱり(笑)。

ま、そういうの引きずっていくのが人間かもしれませんね。例のごとくうまく言えませんが。

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Unknown (のん)
2014-10-10 18:51:54
ありがとう。
例のごとくでも、ちゃんと伝わってますよ、赤猫さん!(笑)

でも正直、この不安定さを引きずっていきたくないなあ。
一分前まで笑ってたのに、一分後には泣いてるからね。もうね、自分がきもいorz

このフラッシュバックセンチメンタルジャーニーをなんとかしたい。
とにかく吐き出すことが大事だとはわかっているけど、なかなか、ねえ?
難しいね!


多分絶対赤猫さんて確信してるけど、あの、もし違う人だったら、ごめんなさい。ありがとう。
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Unknown (ひわ)
2014-10-12 11:16:20
思い出は薄れていくもんなんですよね…pada01さんのコメントに私まで励まされました!

…といっても、そういう思い出も大分薄れてしまってますが。
私は、別れたら全部捨てる派で、捨ててしまった後に、あのピアス取っときゃよかったと、貰い物もあまりありませんが、何度か思いました。

数年前引っ越しの時に、大昔の彼からの手紙を見つけ、携帯のない時代の不便で不器用な恋愛を懐かしく思いましたよ。

思い出がセピア色に変わるには、時間がかかりますが、ある日突然懐かしく思えるときが来るのでしょうね。
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Unknown (のん)
2014-10-12 21:17:13
ひわさんは捨てる派ですか~。
やっぱり、見ると思い出しちゃうから?なんですかね。
でも、アクセサリーとかは現実的に考えて後々何げに使えますよ~。と、色気も情緒もないことを言う私は、やっぱり何か感情のスイッチがおかしいのでしょうね(ノ´∀`)アイタタタ

そうそう。昔はねえ、メールとかなくって、手書きの手紙を彼氏がくれたんですよね~。懐かしいなあ。私も高校時代の彼氏がくれた手紙まだ持ってますよw 相手からしたら黒歴史だから一秒も早くこの世から抹消してほしいでしょうね(大笑) 
……まだもし持ってるとしたら、私からの手紙も一刻も早く抹消して欲しいっす…orz

あの頃のことは、もうとっくの昔にセピア色なんですけどねえ。不思議ですね、人の縁というものは。

大人しく真珠育てながら、その時を待ちますたい(*´∀`)
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Unknown (赤猫)
2014-10-12 21:45:52
はい、俺です(笑)。
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Unknown (のん)
2014-10-13 13:00:38
うん、知ってた(笑)
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