良いこともあれば悪いこともある…
良いことがあっても有頂天にならず、気を引き締めておこう…
人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)という諺がある。
でも、心の持ちようで運というのはプラスに向けることができるのだと思う。
浅見帆帆子さんというエッセイストが書かれていた雑誌の切抜きを見つけたので
ご紹介しておきたい。
「運は偶然ではない」
運は自分でつくることができる。
自分のまわりに起こることは、
全て自分が招き寄せている――
一昨年、弱冠二十四歳の若造が
こんな偉そうなことを書いて本を出版させていただきました。
お陰様で二十代から八十代の方まで幅広く読んでくださり、
意外にも会社の社員教育にまで
取り入れてくださったことには自分でも驚いています。
そもそも私は本を出そうと目指していたわけではありません。
何か不思議なモノが見えてしまう特異体質でもなければ、
特定の宗教に属しているわけでも、
まして悟りを開いたなどということでもありません。
大学卒業後、インテリアの勉強のために、
ロンドンに留学しました。
帰国後、ロンドンで書いていた日記のことを、
世間話のひとつとしてたまたま知り合いに話したら、
「文章にしてみない?」という話になって、
なんだか分からないうちに、自然の流れで
一冊目が出版されることになってしまったというわけです。
その一方で、インテリアの仕事に就くかどうか迷い、
これから先の仕事について悶々と考える日が続いていました。
そんな時です。
母親から、
「いま目の前にあることを一所懸命していれば、
自分にとって絶対ベストな流れがくるから、
何も心配する必要はない」
と言われました。
昔からそのようなことを言われてはいたものの、
学生の頃は耳を素通りしていました。
だがその時は、
「よーしっ、試しにやってみよう!」という気になったのです。
でも、目の前にあることって何?
当時、私は家庭教師をしていたので
「じゃあ、まず家庭教師を一所懸命やろう!」
と、ひたすら頑張ってみました。
すると、家庭教師先のお母様から、
「ある会社の会議室の椅子の張り替えをしてくれない?」
と頼まれたのです。
行ってみると、そこは出版社でした。
そして、社長がたまたま私の一冊目の本を
読んでくださっていて、あれよあれよという間に、
次にお会いした時には二冊目を
書くことになっていたのです……。
確かに一冊目を出した後、
また書いてみたいなあと思ってはいたし、
二冊目を出して喜んでいる姿を毎日思い描いていました。
でも、自分から動かなくても、こんなに早く、
自然の流れのままで思いが形になるとは、本当に驚きました。
目の前にあることを一所懸命していると、
それが何につながるか、その時には分かりませんが、
必ず良い方向に流れる。
自分の生活がぐんぐん変わっていくのを目の当たりにして、
これがプラスのパワーであることに気付きました。
その効果の凄さに、驚きと同時に生きていくことの
楽しさを感じ始めました。
プラスのパワーとは俗にいう
「徳を積む」ということです。
毎朝、家族に挨拶するとか、身のまわりを片づける、
笑顔でいることなど、善い行いをひとつ、
一か月続けるだけで、不思議な現象が必ず起こります。
ある三十代のサラリーマンの方が私の本を読み、
これは理想論だろうと思い、
試しにわざと意地悪な方法で実験をしてくださいました。
仕事とは関係のないところで善い行いをして、
そのプラスパワーが仕事に
どう影響するかを見てみようと思われたのです。
彼が実践した善い行いとは、
母親と義理の母にまめに連絡を取って
親孝行をすることでした。
一、二か月後です。
突然、嫌な上司が転勤になって、
代わりにその上司のポストに就くように
命じられたのは彼でした。
彼が考えていた方向で仕事が進められるようになり、
成果が現れるようになりました。願っていたことが叶ったのです。
このような話はたくさんありますが、
これは絶対に偶然ではないのです。
自分の中でつくられたプラスのパワーが、
良いことを引き寄せるようになるのです。
プラスのパワーとうまくいかせたいことは、
何の関係もなくても良いことが起こります。
何がどうつながって良いことが起こるのかは、
心配する必要はありません。
こういうことを聞いた時に、
「ああ、そうなんだ」と思って、
すぐに実行してみる素直さが、大事だと思います。
「そりゃ、そうできればいいけれど……」と言いながら、
いつまでも実行しない人は、
この効果を実感しにくいと思います。
わたしは、よく言えば素直で、
悪く言えば単純なんだと思います。
プラスのパワーをためるために、
もうひとつ効果的なことは、自分の本音で楽しいこと、
「いい!」と思うことしかやらないことです。
逆に言えば、嫌だと思うことはやらないのです。
自分の心がワクワクしているということは、
それだけでプラスのパワーがたまります。
理由はないけど
「なんとなくやりたい」「なんとなく気が乗らない」
ということもそうです。
自分の本音で思っていることは情報です。
理由がわからないけれどなんだか良いと思うのは、
それをするとうまくいくからそう感じるのです。
これを「直感」と言うこともできます。
その直感に素直になることです。
プラスのパワーをためていれば、
自然の流れに乗っているだけで、
運が良かったという結果になります。
私自身、まだまだこのプラスのパワーに
驚いている最中ですが、この力を知らなかった時の私と
知っているいまとでは、まわりに起こる現象が
違うことだけは確信しています。