アメリカよ失望させるな。

2016-11-11 08:03:02 | 文化人類学

アメリカ大統領の選挙戦は一昨日、歴史的な幕切れとなって、米国民の心に刻まれたことであろう。

それは私たちが描いてきた、アメリカの底知れぬヒューマニティに溢れた映画を見た時の偉大さを思い起こさせたあのアメリカとはとても思えなかった。

マスコミすらこのエンディングを予想していなかったのだろう。

アメリカ全土はこの結果に震撼として行く末を憂い悲しみ、そして憎しみとなって拳を握りしめたことであろう。

そんなサイレントマジョリティがこの結果を左右したと言っても間違いじゃないのかもしれない。

彼らは絶望にも似た思いで意中にない候補者を選択したのだ。アメリカの悩みはこの人たちのように出口のない鬱積した思いに似ているのかもしれない。

末法の世は偽物が蔓延るように本当のヒーローが現われない。そんな言葉を思い浮かべるのである。

今回ほど選択肢のない選挙戦は過去には、なかったのだろうか。そうは思わない。誰でもよかった時代もあった筈だ。

今は悲しいかなそんな流暢なことは言っていられない時期に来ているのだと思う。

世界にグローバル化を扇動してきたアメリカは自らが陥ってしまい、自分の罠に嵌ってしまったかのような狼狽ぶりにも似ているかもしれない。

しかし、もうこのグローバル化の波は止められないのである。後戻りできない現実を直視しながら新たな建設的な展望に立って現状の打開策を構築しなくてはならないと考える。パートナーである日本はそのことに少しも傍観者ではありえないと思う。

これから4年間、失意の大統領を見て行かなくてはならないのである。

分断なんかしている場合じゃないのだと思う。アメリカと言う大船の舵取りを見間違ってしまえば世界に波及するのだから、彼の言動の一挙手一投足を国民は目を光らせ必要であれば厳しく糾弾することもあるかもしれないし、グローバルな観点から正しい道を共に築くことが何よりも大事なことだと思う。嘆いている時間などないのかもしれない。そして次期大統領のスローガンである偉大なアメリカを本当の意味で具現化していってほしいものだ。

ただ、一つ心配事がある。保護主義的な言動である。時勢は今や内に向いているきらいがあるからだ。

杞憂と思うが戦争が起きるのも大国の保護主義が小国を疲弊させ、その軋轢が戦争を巻き起こす引き金となるのも一つの要因と思うからだ。

 

 


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