逍遥日記

経済・政治・哲学などに関する思索の跡や旅・グルメなどの随筆を書きます。

コロナ研究投資信託 ―対コロナウイルス治療薬研究促進のための―

2020-03-20 15:17:20 | 病気
コロナ研究投資信託
                                                    和洋女子大学・山下景秋


1.世界の混乱の終息のための研究投資
 新型コロナウイルスの蔓延による現在の世界の混乱は、結局この感染症を治療する治療薬の開発まで終息しないのではないだろうか。
 この治療薬の研究開発を進めるためには巨額の資金が必要である。この研究に対する政府の財政支出が必要だが、財政赤字があるもとでは十分な支出は難しいかもしれない。しかし一方、世界中の感染地では外出が制限されているので消費が抑制されており、それゆえ使用しないおカネが手元に溜まっている人もいるはずである。消費が抑制されて世界経済が悪化しているこの状況のなかで、世界中の民間のこの余剰資金を治療薬の開発促進に活用し治療薬の実現が早まれば、世界におけるこの感染症の深刻な被害を減らすことができるのはもちろん、世界経済の早期の回復に資するはずである。

2.コロナ研究投資信託
 そこで、新型コロナウイルスによる感染症を治療する研究を促進するための投資信託(コロナ研究投資信託=corona research investment trust=CRIT=クリット)を提案したい。この投資信託は、多数の人達から資金を集め、この資金を新型コロナウイルスによる感染症の治療薬の研究をしている世界中の研究者・研究機関に(重要度・必要度に応じた金額を)研究開発資金として配分するものである。
 分散して投資すれば、これらの投資先のどれかが将来治療薬の開発を達成するだろう。そしてその治療薬を販売すれば巨額の利益が生まれるだろう。その利益は、その治療薬を開発した、研究者・研究機関・企業にある程度帰属するのはもちろんだが、残りの利益をCRITに投資した人たちに投資金額に応じて配分するのである。
 CRITをこのように設計すれば、この投資により利益が生まれる可能性があるのなら、多数の人達が喜んで研究資金を投資してくれるのではないだろうか。また、多額の研究資金が研究者・研究機関に行き渡って治療薬の研究開発が促進するならば、現在進行している世界の悲惨な病気の予防・治療が進んでこの病気の克服に大きく貢献するばかりか、世界中の人々を苦しめている経済の悪化の回復も早めてくれるのではないだろうか。
 ただし、この投資からのもうけを期待できない場合があるかもしれない。もし治療薬が開発される前に、集団免疫などで自然にこの感染症が収束する可能性も0ではないからである。CRITに投資する人たちは、もうけはあまり期待しない方がよいかもしれない。このCRITによる投資は、投資というよりも、自分や世界に対する広い意味の貢献であると考えて頂きたい。

3.詐欺に注意
 このような投資につきものなのは投資詐欺である。善良な市民の資金が甘言によってだまし取られないようにしなくてはならない。
 そのためには、CRITの取り扱いは信用ある金融機関・組織が担わなくてはならない。また、投資信託の投資先を明示し、投資先の配分額や研究経過の情報も投資家に知らせなくてはならない。
 また、詐欺を防止するためのキャンペーンや取り締まりの厳格化も必要である。

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