長良川のアユはてごわい。
各地の川でアユの産卵する場所を調べ、撮影しているのだけれど、長良川のアユは一番流れの速いところで産卵をするように思う。
長良川のアユのおおよその産卵場所は、武儀川の合流する辺りからな長良大橋付近まで、長良川が岐阜市内を流れる部分の早瀬だ。産卵する水深は膝くらいから胸のあたり、膝下くらいの深さなら、ようやく流れの中で立っていることができる。産卵を撮影するにはその場所に潜って、カメラを持って固定していなくてはならない。
大変なのはその場所の流れの速さと河床の石の不安定さだ。アユは流れで河床の石が動くような場所で産卵をする。不安定な河床に足を踏ん張り、カメラと身体を一体にして、流れの中でアユの産卵を待つ。そうして撮影した映像を河原の参加者に送り、参加者はスクリーンで同時に観察をする。
「アユの産卵をみる会」で僕がこだわっているのは、その場所で同時に見るということだ。
ぽつりポツリと婚姻色が出て黒ずんだ雄のアユがいる早瀬。夕闇が迫るころその場所がにわかに活気づいてくる。いつのまにか、辺りが雄のアユであふれかえるようになる。そこに、夏の銀色にやや赤みが差した雌アユの一群が訪れる。産卵する場所は雌が決めるようだ。石の間の砂と小石の部分に雌が頭から突っ込む、と同時に雄達が身体を寄せる。産卵は2秒ほどのことだ。アユの卵は小さくて、精子も少ないから産卵放精を肉眼で見ることはできない。産卵する時、アユたちは全身を反らせ、その瞬間、周囲の砂粒が舞い上がる。産卵して受精した卵は河床の小石の間に埋め込まれる。アユたちが河床の石が動くような場所を産卵場とするのは、そういった場所では流れが石の間に潜り込む場所であることからだ。石の間の受精卵には新鮮な流れが酸素を運び、受精卵は2週間くらいで孵化をする。
参加したみんなが同じ時間に観察するということ、それにこだわるのはボク自身の体験がある。初めてアユの産卵を見たときの感動だ。いつのまにか、産卵の場所がアユたちで溢れかえる。その賑わいの瞬間を共にしたい、という想いからだ。
アユたちが群れた産卵場は、歩けば、注意しても足の裏にアユを踏みつけてしまう。横になったからだの、河床に接した部分には、アユが潜り込んで産卵をする。僕はその産卵のバイブレーションを感じながら夢中で撮影したものだった。
撮影を終えて、岸に上がり、ドライスーツ(潜水服)を脱ぐとアユの匂いがした。
一年という一生を生き抜き、生命をつないで死んでいく、アユたちの営みの名残だった。
各地の川でアユの産卵する場所を調べ、撮影しているのだけれど、長良川のアユは一番流れの速いところで産卵をするように思う。
長良川のアユのおおよその産卵場所は、武儀川の合流する辺りからな長良大橋付近まで、長良川が岐阜市内を流れる部分の早瀬だ。産卵する水深は膝くらいから胸のあたり、膝下くらいの深さなら、ようやく流れの中で立っていることができる。産卵を撮影するにはその場所に潜って、カメラを持って固定していなくてはならない。
大変なのはその場所の流れの速さと河床の石の不安定さだ。アユは流れで河床の石が動くような場所で産卵をする。不安定な河床に足を踏ん張り、カメラと身体を一体にして、流れの中でアユの産卵を待つ。そうして撮影した映像を河原の参加者に送り、参加者はスクリーンで同時に観察をする。
「アユの産卵をみる会」で僕がこだわっているのは、その場所で同時に見るということだ。
ぽつりポツリと婚姻色が出て黒ずんだ雄のアユがいる早瀬。夕闇が迫るころその場所がにわかに活気づいてくる。いつのまにか、辺りが雄のアユであふれかえるようになる。そこに、夏の銀色にやや赤みが差した雌アユの一群が訪れる。産卵する場所は雌が決めるようだ。石の間の砂と小石の部分に雌が頭から突っ込む、と同時に雄達が身体を寄せる。産卵は2秒ほどのことだ。アユの卵は小さくて、精子も少ないから産卵放精を肉眼で見ることはできない。産卵する時、アユたちは全身を反らせ、その瞬間、周囲の砂粒が舞い上がる。産卵して受精した卵は河床の小石の間に埋め込まれる。アユたちが河床の石が動くような場所を産卵場とするのは、そういった場所では流れが石の間に潜り込む場所であることからだ。石の間の受精卵には新鮮な流れが酸素を運び、受精卵は2週間くらいで孵化をする。
参加したみんなが同じ時間に観察するということ、それにこだわるのはボク自身の体験がある。初めてアユの産卵を見たときの感動だ。いつのまにか、産卵の場所がアユたちで溢れかえる。その賑わいの瞬間を共にしたい、という想いからだ。
アユたちが群れた産卵場は、歩けば、注意しても足の裏にアユを踏みつけてしまう。横になったからだの、河床に接した部分には、アユが潜り込んで産卵をする。僕はその産卵のバイブレーションを感じながら夢中で撮影したものだった。
撮影を終えて、岸に上がり、ドライスーツ(潜水服)を脱ぐとアユの匂いがした。
一年という一生を生き抜き、生命をつないで死んでいく、アユたちの営みの名残だった。
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