リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

第66回 激流の果てに ラフティング世界選手権 日本女子の戦い!

2017-10-21 13:02:26 | ”川に生きる”中日/東京新聞掲載

世界ラフテイング選手権2017 日本チームの戦い。地元吉野川を拠点とする女性チーム「ザ リバー フェイス」は総合優勝を飾った。最後のレースが終わった彼女たちの傍らで、ボクは感動していました。

 

水辺からラフトボートを持ち上げ、運搬トラックの傍らまで運んだ。激流に耐えるため、パンパンに空気を入れたボートのバルブを押す。渓谷にシュッという鋭い音が響く。その時、彼女たちから嗚咽が漏れた。褐色の乙女達の長い戦いが終わった。

 世界ラフティング選手権日本大会。日本代表オープンクラスの女性チーム「ザ リバーフェース」は全員が地元吉野川に住んでいる。リバーガイド、看護師などの仕事を持ち、平日の早朝、週末など週6日の練習を重ねてきた。

 レースラフティングは4種目の総合成績で順位を決める。初日は、スプリント競技、短距離のタイムを競う。つづいて、H2H(ヘッドツウヘッド)二艇が同時にスタートして先にゴールしたチームが勝ち上がるトーナメント戦だ。二種世界ラフテイング選手権2017 日本チームの戦い。地元吉野川を拠点とする女性チーム「ザ リバー フェイス」は総合優勝を飾った。最後のレースが終わった彼女たちの傍らで、ボクは感動していました。目を終え、チームは強豪を退け首位に立った。一日おいてスラローム競技。ここでアクシデントが起きる。競技中にパドルが折れたのだ。予備パドルでレースを続けたが英国に及ばす二位。総合一位は守ったものの二位英国との差はわずか、ニージーランドも三位で追う。

 最終日はダウンリバーだ。8キロ、およそ1時間の距離、川を下る長距離レースだ。配点の多いこのレースの勝者が優勝となる。

 スタート、地元の大声援を受けて首位で最初の瀬をくだる。レース区間には瀬と淵が交互にある。落差のある瀬の上流には淵が広がる。激流を下る競技であるが、淵を下るところで、勝負が決まる。穏やかに見える淵だが、川の流れは複雑で、速い流れは限られる。その限られた流れをつかみ、全力でこぐ。

 ゴール地点。リバーフェースが首位で下ってきた。英国は遅れて三位だ。しかし、ゴール前、ニュージーランドが距離を詰める。抜かれると総合優勝は消える。

時間が止まる。

大歓声のなか、彼女たちは、最後の淵を漕ぎきったのだった。

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