第53回 日本生態学会大会 公式サイト
以下のシンポでボクはアユモドキの発表を受けて魚の立場からのコメントをする予定です。
要点は二つ。一つは田んぼに水を張ることが魚にとって、産卵に必要な条件であるということ。
そして、もう一点は、その水を張るタイミングが魚から見た場合重要であるということです。
このタイミングにもいくつかの要素があって、
1.産卵場として田んぼを利用する魚にとってのタイミング
2.河川を遡上する魚にとっての田植え開始のタイミングなどがあります。
シンポジウムの世話人の日鷹さんの主旨としては、田んぼを利用する魚(生物)にとってのタイミングが重要だと思うのですが、ボクは、水田に水を張ることで難儀する生き物についても触れるつもりでいます。
水田に水を張る→川の水量が減る
代掻きが始まる→濁り水が河川に流れ込む
ホントなら、遡上が終わった頃に始まっていた稲作の作業が長良川では、同じ時期になっています。
長良川河口堰の運用後、サツキマスの遡上時期は遅くなりました。そのことが、サツキマスの遡上の減少と秋までの生残に影響しているのでは、とボクは考えています。
この内容はパワーポイントで発表しますから、発表後公開する予定です。
NEW 発表内容 こちら
::::::::::::::::::::::::::::::::::::
○公募シンポジウム
3月28日(火) 9:30-12:00 Room B
JX9
水田生物多様性ホットスポットの危機と再生-水稲作依存RDB種の行方-
企画責任者:日鷹一雅 (愛媛大・農・附属農場)・嶺田拓也(行政独立法人 農業工学研究所)
水田生物多様性の保全・再生は、最近のコウノトリ野外放鳥などに象徴されるように、ミチゲーションによるめざましい発展が期待されている反面、全国の水田農業地帯に残された多様性ホットスポットの保全や再生は遅々として進んでいない。事態が悪化し続ける原因はいろいろあるが、水田生物多様性ホットスポットやRDB種についての現状把握や絶滅が心配される種々の個体群動態の分析が不十分なままであることが主因の一つあげられるであろう。
ここでは、実際に希少なホットスポットの農村フィールド現場において、保全のための基礎研究に取り組むフィールド研究者が、それぞれの事例をもとに話題提供を行う。とくに水田農業が持続できなくなるとき絶滅するような種(農業依存種:Hidaka 2005)の個体群の現況と、その行方について、基礎研究に基づいた予測をまじえてお話いただく。水田生物多様性ホットスポットの危機的な状況と絶滅へのシナリオを科学的に把握した上で、今後の保全と再生のあり方を議論することは有益であろう。
とくに総合討論において主題にしたい論点は、主食の生産の場である水田に強く依存した種個体群と、我々はどのように付き合って行くのかについてである。最近、水田や里山といった農村生態系の現場に「共生」という概念が大いに語られ、自然再生技術として普及めざましいものもないではない。我が国の人里における主要な生態系の一つである水田という場において、我々の選択は多様な生物群との「共生」なのか「共存」なのか、会場の皆さんと共に議論を深めたいと考えている。
趣旨説明:日鷹一雅(愛媛大・農・附属農場)
RDB種の水稲作依存性と水田農の行方
・岩田明久(京都大学大学院アジア・アフリカ 地域研究科)
魚類の生存条件について水田農業の持つ意味 (アユモドキを事例として)
・コメンテータ:新村安雄(リバーリバイバル研究所)
水田が代替する自然条件とは
・亀山 剛(復建・環境・生物研)
山陽地方におけるダルマガエルの危機と保護・再生の現状
・コメンテータ:福山欣司(慶応大・生物学)
水田環境の変化がカエル類に与える影響
・西原 昇吾(東大院・農学生命科学研究科)
絶滅のおそれのある止水性水生昆虫の危機と保全
・日鷹一雅(愛媛大・農・附属農場)
止水性水生動物の個体群衰退の謎解きと絶滅シナリオ
・嶺田拓也(農工研)
水田RDB植物の分布に関する要因分析から考えられる絶滅のシナリオ
・コメンテータ:藤井伸二(人間環境大学)
植物種ごとの生活史や分布集団の特性から
・コメンテータ:湯本貴和(総合地球環境学研究所)
共生か共存か? その相対性の間で
総合討論
以下のシンポでボクはアユモドキの発表を受けて魚の立場からのコメントをする予定です。
要点は二つ。一つは田んぼに水を張ることが魚にとって、産卵に必要な条件であるということ。
そして、もう一点は、その水を張るタイミングが魚から見た場合重要であるということです。
このタイミングにもいくつかの要素があって、
1.産卵場として田んぼを利用する魚にとってのタイミング
2.河川を遡上する魚にとっての田植え開始のタイミングなどがあります。
シンポジウムの世話人の日鷹さんの主旨としては、田んぼを利用する魚(生物)にとってのタイミングが重要だと思うのですが、ボクは、水田に水を張ることで難儀する生き物についても触れるつもりでいます。
水田に水を張る→川の水量が減る
代掻きが始まる→濁り水が河川に流れ込む
ホントなら、遡上が終わった頃に始まっていた稲作の作業が長良川では、同じ時期になっています。
長良川河口堰の運用後、サツキマスの遡上時期は遅くなりました。そのことが、サツキマスの遡上の減少と秋までの生残に影響しているのでは、とボクは考えています。
この内容はパワーポイントで発表しますから、発表後公開する予定です。
NEW 発表内容 こちら
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○公募シンポジウム
3月28日(火) 9:30-12:00 Room B
JX9
水田生物多様性ホットスポットの危機と再生-水稲作依存RDB種の行方-
企画責任者:日鷹一雅 (愛媛大・農・附属農場)・嶺田拓也(行政独立法人 農業工学研究所)
水田生物多様性の保全・再生は、最近のコウノトリ野外放鳥などに象徴されるように、ミチゲーションによるめざましい発展が期待されている反面、全国の水田農業地帯に残された多様性ホットスポットの保全や再生は遅々として進んでいない。事態が悪化し続ける原因はいろいろあるが、水田生物多様性ホットスポットやRDB種についての現状把握や絶滅が心配される種々の個体群動態の分析が不十分なままであることが主因の一つあげられるであろう。
ここでは、実際に希少なホットスポットの農村フィールド現場において、保全のための基礎研究に取り組むフィールド研究者が、それぞれの事例をもとに話題提供を行う。とくに水田農業が持続できなくなるとき絶滅するような種(農業依存種:Hidaka 2005)の個体群の現況と、その行方について、基礎研究に基づいた予測をまじえてお話いただく。水田生物多様性ホットスポットの危機的な状況と絶滅へのシナリオを科学的に把握した上で、今後の保全と再生のあり方を議論することは有益であろう。
とくに総合討論において主題にしたい論点は、主食の生産の場である水田に強く依存した種個体群と、我々はどのように付き合って行くのかについてである。最近、水田や里山といった農村生態系の現場に「共生」という概念が大いに語られ、自然再生技術として普及めざましいものもないではない。我が国の人里における主要な生態系の一つである水田という場において、我々の選択は多様な生物群との「共生」なのか「共存」なのか、会場の皆さんと共に議論を深めたいと考えている。
趣旨説明:日鷹一雅(愛媛大・農・附属農場)
RDB種の水稲作依存性と水田農の行方
・岩田明久(京都大学大学院アジア・アフリカ 地域研究科)
魚類の生存条件について水田農業の持つ意味 (アユモドキを事例として)
・コメンテータ:新村安雄(リバーリバイバル研究所)
水田が代替する自然条件とは
・亀山 剛(復建・環境・生物研)
山陽地方におけるダルマガエルの危機と保護・再生の現状
・コメンテータ:福山欣司(慶応大・生物学)
水田環境の変化がカエル類に与える影響
・西原 昇吾(東大院・農学生命科学研究科)
絶滅のおそれのある止水性水生昆虫の危機と保全
・日鷹一雅(愛媛大・農・附属農場)
止水性水生動物の個体群衰退の謎解きと絶滅シナリオ
・嶺田拓也(農工研)
水田RDB植物の分布に関する要因分析から考えられる絶滅のシナリオ
・コメンテータ:藤井伸二(人間環境大学)
植物種ごとの生活史や分布集団の特性から
・コメンテータ:湯本貴和(総合地球環境学研究所)
共生か共存か? その相対性の間で
総合討論
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