西村まさと 

日本共産党釧路市議会議員

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釧路市議会 市長総括 学校給食費の無料化継続を

2023-06-29 18:09:31 | 市政

本日(2023年6月29日)の釧路市議会は、各常任委員会で市長総括質疑を行いました。

総務文教常任委員会所属の私は、「恒久的な学校給食費の無料化」について、教育長に質疑を行いました。

質問の要旨は下記の通りです。

答弁は、正式な議事録完成後、このブログでご紹介します。

 

テーマ 恒久的な学校給食費の無料化

(Q1 今後の学校給食費費の無料化はどうなるのか)

釧路市でも、今年8月から学校、保育園などの給食費の無償化がスタートすることになりました。この議案を議決したのは先の5月臨時議会でして、臨時議会という性質上、一般質問も市長総括もありませんでしたので、改めて今議会で市長総括としてとりあげさせてもらいました。

 学校給食費の無償化については、昨年12月議会の本委員会の市長総括でもとりあげさせてもらいました。当時も3か月という期間限定の無料化が行われており、このまま年度末で終えてよいのかという趣旨の質問をしました。教育長は「この無料化は令和4年度限りで、令和5年度も継続することは考えていない」と答弁されました。その方針が、5月の臨時会で覆ることになった訳です。ただし無料化は8月分からで、今年4月から7月までの4ヵ月間は無料化が途切れてしまった訳です。コロナ交付金が支給されるのを待たずに、年度当初から無料化する予算編成はできた訳で、コロナ交付金の支給確定後に充当するというやり方だってできたはずです。

 先週の一般質問で、総合政策部長は物価高騰施策に関し、「コロナ交付金の枠内で、という考え方はしてない」と明快に答弁されていました。そうであれば、学校給食費の無料化が8月からスタートするというでは、整合性がとれないと感じられました。

 そこでお伺いしますが、令和6年度以降の学校給食費の無料化はどうなるのでしょうか。無料化はあくまでも今年度限りで、国からまたコロナ交付金とか何らかの交付金が決まったら年度の途中から無料化するという同じやり方を繰り返すのか、教育長の学校給食費無料化についての方針をお聞かせ下さい。

 

(Q2 政府自民党の提言)

 この間、学校給食費無料化について、世間では好意的に受け止められ、導入する自治体が増えています。とりわけ今年は市議会議員選挙がありましたが、地元新聞のアンケートに答える形で、少なくない候補者が学校給食食費無料化の実現をあげて、当選されています。私のように、議会質問の場で要求するのではなく、市教委の方から議案提案するのを待っているように感じられます。

 学校給食費無料化を求める政治の流れは釧路市だけではありません。国政では自民党さんも給食費無料化について言及をしています。例えば今年3月27日付け、自由民主党「子ども・若者」輝く創造本部が出した論点整理の4ページ目には給食無償化を明記されています。これを受け本年3月31日子ども政策担当大臣名で提出された「子ども・子育て政策の強化について」の10ページには「学校給食費の無償化に向けて課題の整理を行う」と明記されました。子ども家庭庁がこのような文章を策定したことは大変意義深いことと思われます。そこでお尋ねしますが、子ども家庭庁が3月31日に出した「子ども・子育て政策の強化について」に対する教育長のご所見をお聞きするとともに、学校給食無料化を進める準備に早速取り掛かっていただきたいのですが、いかがですか。

 

(Q3 学校給食法11条を根拠にできるのか)

 この5年間、教育長には、一般質問、代表質問、市長総括で何度も学校給食費無料化について繰り返し質問してきました。無料化ができない理由に学校給食法11条を根拠にされてきました。しかしこの点については、わが党の国会論戦で「自治体の判断で無償化を行うことは決して学校給食法違反になるわけではない」と当時の柴山文科大臣が明快に答弁したのです。

 食材費を保護者に求めるのが法律の立場で当然だという考え方に立つと様々な矛盾が生じます。給食無料化は白糠町など釧路管内のほとんどの町村で実施されていますが、これらの自治体は法律から逸脱したことをやっているといえるのでしょうか。また釧路市においても、物価高騰で給食費があがらないように学校給食会に補助したこともありますし、期間限定ながら給食無料化を実際に行いました。それにも関わらず学校給食法11条をもちだすことは論理の一貫性に欠けるものと言えます。学校給食法11条の形式的文言に拘束されるのではなく、政府による有権解釈の方を優先するのが自治体にとっての正しい判断につながるのではないでしょうか。そろそろ学校給食法11条に対する市教委の認識を改める時期に来ていると思われます。そうしないと釧路市が時代の流れに取り残される危険があると思うのですが、教育長の認識を改めてお伺いします。 

 

(Q4 就学援助・生活保護で無料化実現論の誤り)

  もう1つ、学校給食費の無料化ができない理由として度々あげられるのが、就学援助と生活保護によって、4人に1人が既に無料化されているからという理屈です。言い換えれば、「給食費が払えない低所得世帯だけ無料にすればいい」という論理です。これも一見正しいように感じられます。しかしよく考えると違うのです。

 給食費免除をされている子どもは、物心がつくと自分の家は貧しいのだと覚るようになります。給食費を払う家庭と免除される家庭とで、見えない分断が生まれる事にもなりかねず、免除は権利なのに肩身の狭い思いを与えることになりかねません。基本的人権の保障がお金のあるなしで決まっていく社会は、安心できる社会とはいえません。私は基本的人権に関わる制度は無料にし、どんな人でもそれを享受できる社会が安心できる社会と考えます。給食無料化の財源は税金であって、富の再分配によって誰もが安心できる社会を作るのが本来ではないでしょうか。給食の無料化は、我々政治家がどんな社会を目指すのかが問われるテーマといえるでしょう。受益者負担論とか自己責任論とか優勝劣敗とかではなく、義務教育は無償化とする憲法の完全実施が理想の社会だと思います。その無償化には授業料のみならず給食費も徴収しないというのが、憲法の立場だと思います。誰もが平等に給食無料化の恩恵を受けられる社会を目指すべきであります。就学援助や生活保護に対しては概して恥ずかしいという気持ちを抱かせるスティグマの問題が起きやすくなります。低所得の家庭に対する給食費免除と学校給食費無料化というのは、焦点が違う話になると思うのですが、教育長の見解を改めて求め、質問を終わります。



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