那須といえば関東では著名な避暑地であり、御用邸の他、那須ハイランドパークのようなレジャー施設があることでも有名である。奈良時代から続く湯本温泉のほか、江戸、明治、大正と新たに発見された温泉が茶臼岳山腹に点在し、那須温泉郷を形成している。新那須温泉は、湯本のより下手に位置する引き湯の温泉であるが、現在では独自の源泉を有するホテルもある。
ホテルサンバレーはプールもある大きなホテルで、いくつかの入浴エリアがあり、独自源泉を含む 4 本の源泉を使用している。立寄りで利用できるのは湯遊天国とアクアヴィーナスの温泉で、この 2 つは通路で繋がっており、裸で移動できる。
白濁の硫黄泉は、稲川 1 号他の混合泉で、ぬるくて苦味の強い源泉と熱めでマイルドな源泉が湯口で混和されていた。これぞ温泉というような硫化水素臭がし、透明度は 12 cm ほど。チョロチョロとかけ流しされており、好印象。他にマグネシウム泉 (平成の湯源泉) は、キシキシする肌触りで無色透明。弱アルカリ泉には、さらに、新那須の湯源泉と昭和の新湯 2 号源泉があり、昭和の新湯はキシキシする無色透明の湯でかけ流し量が多く、これがサンバレーで最もよかった。不覚なことに、新那須の湯には入り損ねてしまった。
(2020 年 11 月)
◆源泉情報◆
源泉名:稲川 1~4 号、苦戸稲川 1~2 号、県電気局 B-3 号、八幡崎稲川 1 号混合泉
泉質:単純硫黄温泉
利用量:80 l/min
泉温:42.4℃
成分:pH6.8、溶存物質 823 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
カルシウムイオン | 119.9 (60.94) | 硫酸イオン | 339.0 (70.78) |
マグネシウムイオン | 23.3 (19.48) | 炭酸水素イオン | 126.9 (20.86) |
ナトリムイオン | 37.8 (16.75) | 塩化物イオン | 16.4 (4.64) |
メタケイ酸 | 136.3 | 硫化水素イオン | 11.8 (3.59) |
遊離硫化水素 | 20.9 | 遊離二酸化炭素 | 33.1 |
分析日:2016 年 2 月 25 日
源泉名:平成の湯
泉質:ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉
湧出量:207.7 l/min
泉温:35.9℃
成分:pH7.7、溶存物質 1514 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 232.4 (52.46) | 炭酸水素イオン | 523.9 (45.32) |
マグネシウムイオン | 65.7 (28.07) | 硫酸イオン | 255.1 (28.04) |
カルシウムイオン | 64.0 (16.58) | 塩化物イオン | 178.3 (26.55) |
メタケイ酸 | 152.6 | メタホウ酸 | 20.0 |
分析日:2016 年 8 月 31 日
源泉名:新那須の湯
泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
湧出量:235.3 l/min
泉温:77.9℃
成分:pH8.1、溶存物質 2505 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 813.5 (95.50) | 塩化物イオン | 746.5 (57.41) |
カルシウムイオン | 22.6 (3.04) | 硫酸イオン | 484.9 (27.52) |
ナトリムイオン | 37.8 (16.75) | 塩化物イオン | 16.4 (4.64) |
メタケイ酸 | 136.3 | 硫化水素イオン | 11.8 (3.59) |
遊離硫化水素 | 20.9 | 遊離二酸化炭素 | 33.1 |
分析日:2016 年 2 月 25 日