東鳴子温泉の開湯は鎌倉時代とも奈良時代以前ともいわれており、非常に歴史ある温泉だ。江戸時代 (恐らく後期) になると伊達家の御殿湯も置かれ、江戸時代最後の仙台藩藩主慶邦が訪れた記録が残る。馬場温泉はほかの東鳴子温泉の宿とは離れており、隣の川渡温泉との移行部に立地している。
馬場温泉共同浴場は旅館の敷地内にある共同浴場で、一見するとただの小屋である。浴室は 1 つだけなので、「入浴中」の札を下げて入る。無骨なコンクリの湯舟に注がれる湯は真っ黒に見えるが、実際には黄茶色透明。杉の葉臭のする心地よい湯だ。熱い湯だが、泡付きが強く、あっという間に体中が泡に包まれた。灰色の浮遊物もみられた。
(2015 年 11 月)
********************************************************************************
<再訪>
4年ぶりの再訪。モール臭の中に、わずかに薄荷のような清涼感のある香りが感じられた。熱めの湯だが、以前ほどではないような気がした。
(2019 年 4 月)
◆源泉情報◆
源泉名:馬場の湯 1 号泉
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉
泉温:47.2℃
成分:pH6.8、溶存物質 1809 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 420.0 (93.36) | 炭酸水素イオン | 1121.5 (92.78) |
メタケイ酸 | 190.0 | 遊離二酸化炭素 | 283.5 |
分析日:2011 年 4 月 27 日