原発、ぶれる枝野氏「大飯再稼働に理解を」「脱依存は変わりなし」(産経新聞) - goo ニュース
原発、ぶれる枝野氏「大飯再稼働に理解を」「脱依存は変わりなし」
原子力発電所に対する枝野幸男経済産業相の姿勢がぶれ続けている。枝野氏は15日の徳島市内での講演で、関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働に理解を求めつつ、「後戻りせず一直線に原発を減らしていく」と発言。前日に福井県の西川一誠知事と会談し、原発の必要性を訴えた直後にも記者団に「脱原発依存」の政府方針に変わりないと主張した。将来の原発の位置づけを曖昧にした態度で、地元説得にあたっての火種になる可能性もある。
◆「瞬間ゼロ」明言
枝野氏は15日の講演で、国内で唯一稼働している北海道電力泊原発3号機が5月5日に定期検査入りするのを受け、稼働中の原発が「5月6日から一瞬ゼロになる」と明言した。政府は7月までに大飯原発3、4号機を再稼働させる考えで、その間原発がゼロになる見通しだ。
一方で枝野氏は、「5年後か10年後か20年後か分からないが、恒久的に原発依存度をゼロにする」とも強調した。14日の西川知事との会談後にも、記者団に「一日も早く原発依存から抜け出す方針は揺るがない」と説明。再稼働に向け、西川知事が枝野氏に対し、「(原発の重要性について)政府のぶれることない姿勢を国民に示してもらいたい」と求めた直後の度重なる発言の“ぶれ”だけに不信は高まる。
◆地元努力無駄に
枝野氏はこれまでも「再稼働に反対だ」とした発言を翌日に翻すなど、ぶれる発言がたびたび批判されてきた。自民党の茂木敏充政調会長も15日、広 島県尾道市で行った講演で二転三転する枝野氏の発言に「本当に大丈夫だろうかと国民は思う。地元の納得が得られるか疑問だ」と切り捨てた。
地元自治体は福島第1原発事故以降、国が原発の必要性を明確にするよう求めてきた。「日本の経済や社会の安定と発展のために原発は重要で不可欠」 (西川氏)との思いで国のエネルギー政策に協力してきたからだ。政府が原発の必要性を認めなければ、地元の努力が無意味なものとなる。
地元の声に耳を傾けず、今年の夏の電力需給の厳しさだけを理由にして再稼働への同意を得ることは難しい。政府は将来にわたる原発の位置づけを明確に地元に示す必要がある。