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遥かなる釣りへの想いー20

2011-06-01 20:44:03 | 釣り

当時使用したもの。左が旧タイプだがこれより古いタイプもある。

 

今年は早々と梅雨入りになった。 この間までまるで夏のような暑さだったが

今日あたりは雨になるとグンと温度が下がる。半袖だとちょっと寒い。

こういうどんよりとした小雨の天気は手長エビを釣るには良い。そろそろ

夜アナゴのシーズンにも入る。 暑すぎるのは良くないが照り込んで良いのは

真鯒くらいか。あまり汗もかかない今頃の季節が一番過ごしやすい。

鯊釣りも始まるしいろいろな釣りの楽しみが増える季節になった。

 

かつては6月になると毎週のように千葉の野池にバスを釣りに出かけていた

時期があった。朝一番で貸しボートで出て行くのだが、ボートといっても

木のボートで竹のミザオが一本あるだけだった。 この池はもともとヘラを釣る

ひとが通って来るところだったからオールなしのボートだった。

バスを釣るひともそれほど多くなくてノンビリと釣りを楽しめた。だが盛夏に

なると蓮がすごく、びっしりと水面を被いボートを進めるのが一苦労となる。

梅雨時ならまだいくつか水面が開けているところがあり、そこへルアーを投げ

入れるのだが、ときおり顔を出す太陽の熱さで汗がジワット滲み出て来る。

藻や蓮で水面が被い尽くされると、スナッグプルーフのルアーが要るが

もっぱらビル・プラマーのスーパーフロッグを使った。古いタイプでハリソンホージ

になる前のものだ。ハリソンのスーパーフロッグも使ったが足の動きが気に入らな

かったので出番は少なかった。ガルシアでもプラスティックフロッグはあったが

これもあまり使わなかった。 プラマーズフロッグがお気に入りだった。

ある朝、このビル・プラマーのフロッグを藻の切れ目にキャストしチョンと動かした。

次の瞬間藻が持ち上がったかと思ったら、いきなり大きな魚が斜めに飛び出して

来てドーンとまた水の中に落ちた。雷魚だった。16ポンドを巻いたアブの4500C

のドラッグがツツーと滑り出し、E-グラスのフェンウイックのFC60がグンっと

引っ張り込まれた。満月のようにしなってグーと重くなって止ってくれなかった。

藻の中に入り込まれていくら巻いてもこっちに来ない。あろうことかボートが

前に進む。藻の塊の中にいる相手では無理は出来ない。止む無く持久戦となった。

ラインを張ったままジワジワと少しずつ巻くとその分ズズッと持って行かれる。

これを20分ほど繰り返してやっとボートが近くまで寄ったので、ラインを直接引いて

みると藻の塊も一緒に上がってくる。これを左手で塊ごとボートの中へ抱きかかえる

感じで放り込んだ。折から差し込んで来た日差しで汗びっしょりになってしまった。

66センチの雷魚だったが藻の中に逃げ込まれたためすごく重かったことを

覚えている。フロッグは丸呑みにされた。何とか外せたがちょっと難儀だった。

この直後もう一回り小さい雷魚が来た。こいつも水の中から空中へ飛び出て来たが

こっちはハリソンのフロッグのほうに食ってきた。

ログブックには1978年6月11日と記されているから33年前の出来事だ。

 

このスーパーフロッグを作ったビル・プラマーはもうこの世にはいない。

2007年に85才で故人となった。亡くなる前に「伝説のアングラー」と

してウィスコンシン州ヘイワード市の釣りの殿堂入りを果たしている。

バスを釣り続けた人生だった。バスフロッグのパイオニアとしてもっと知られても

良い人物だと思う。

 

後年スミスがオリジナルのフロッグを販売したことがあるが、おそらくはビル・

プラマーのスーパーフロッグをモデルにしたと思われる。よく似ていた。

 

 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
たぶん私も思い入れのある池です。 (猿も出でず)
2011-06-01 22:36:33
たぶん、その池は私も高校生の頃に、何度か通った池ですね。当然まだ免許もありませんから、「バスでバス釣り」でした。
唯一の流れ込みの脇で、アーボガストのハワイアンウィグラーを引いてきたら、巨大な魚影が…たぶん魚からも見えてしまったのでしょう。クルリと反転されてしまいました。
バスを釣り上げるのは、まだ先の話になります。
ある時、その池で会った方に、バスで釣りに来ていると話すと「途中の駅でよければ」と
弟ともども送っていただいたことがありました。そういえば、その方も、下町の方だったなあと、思い出しました。32年前だったような気がします。(もしかして?なんて思いました。)
返信する
思い出は多いですね (nnakazawa)
2011-06-02 21:48:56
FC60ではその以前に芦ノ湖で大ナマズを
釣っていまして、ここでは雷魚とどうも意外な
大物を呼んでくれる竿だったようです。

釣りの帰路では何人かのひとをクルマに乗せて
あげましたから、もしかして?は有り得ること
かも知れません。たまたま現場で会ったバス
プロまがいの顔見知りも都心まで乗せたこと
がありました。まだルアーの業界にいると思
います。

3月頃から夏までよく通いました。1時間
くらいで行けるので便の良さと静かなので
好きな場所でした。

ある時船が出払い、ひとつの船に同船して
もらったひとはフィリップソンのスピニング
で大きなバスをかけてバラしてしまいました
がプラノのタックルボックスには大きな
バスプラグばかり入っていました。印象的
でした。個人的にはマグナムトーピードで
良い思いをさせてもらいました。

今考えるとスミスの初期のカタログには
どう見てもこの池の背景とそっくりな写真
があります。何ともいえませんけど・・・
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