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RAIN FALL - BARRY EISLER

2009-01-07 16:54:25 | PAPERBACKS
暮れから正月にかけて読むものがなく前に読んだ
MICHAELL CONNELLYのHARRY BOSCHシリーズの
中から手元にあるものを引っ張り出して読み直しました。

THE CLOSERS
 と THE CONCRETE BLONDEの二冊
で、どちらもLAPDのHARRY BOSCHが殺人事件の担当
刑事として登場する作品です。

何度か読み直しているので3,4日で読み終わって
しまいました。HARRYのベトナム戦争のつらい経験が
トラウマとなって重く圧し掛かっているのが、作品の
底に流れていて、敏腕ではあるけれど、正義感が強く
やや向こう見ずな性格の刑事、という設定になって
います。これはこのシリーズ全体の共通設定ではあ
るのですが。

連続殺人事件の犯人を追い詰め射殺してしまうが、
逆に犯人の未亡人に訴えられたりします。現場に
目撃者がいなければアメリカならいかにもありそうな
ことですが、作者としてここでこれを思いつくのはなか
なか出来ないものです。

ところが、殺した犯人と同じ手口の犯行が裁判中に
起きて話はややこしい方向へ。こういうところにも作
者のプロットは良く練られていて読者を飽きさせません。

MICHAELL CONNELLYは安定した人気を誇る作家
です。プロットの素晴らしさには定評があり読者を
ぐいぐいと引っ張ってくれます。

とくにHARRY BOSCHモノは息の長いシリーズで、
ほとんど読んでいますが、どうでしょう、もうあと2作
くらい書いてくれるでしょうかね? 

最新作はHARRYのかつての恋仲、FBIのRACHEL 
が登場してくるようですから、そろそろHARRYも引退
して彼女とシリーズ交代か、と?

しかし何度も読んでいると流石に飽きてきて、違うモノ
が読みたくなりました。

それで最近見つけたのがコレ。BARRY EISLER の
RAIN FALL。

バリーのデビュー作ですが今やこのRAIN シリーズも
調べただけで6冊を越えていました。

JOHN RAIN というのが主人公で日本人と米国人との
ハーフ、プロの殺し屋というか暗殺請負人です。

東京が舞台になっており、この本はのっけから渋谷が
登場してきます。道玄坂あたりの尾行シーンとか、山手
線の朝の混雑の具合とか大変良く調べてあります。

作者は日本に滞在していたこともあり日本のことにかな
り明るく、とかく外国人の書く東京は安心して読んでい
られないことが多いのですが、この本はそういう裏切り
に会うことがありません。本の中に出てくる日本語もほ
ぼ完璧でリサーチが行き届いています。東京に住んで
いれば、ああ、あそこか、というシーンが結構あります。

面白いのは実名がたくさん登場して来ることです。
自民党(LDP)とか、国土交通省の事務次官クラスとか。
この辺が妙にリアリティがあります。

ネタばれに近いですが、RAIN は自民党の誰かが雇い
主で、それも過去に何度か雇われている、それで高級
官僚を自然死に見せかけた暗殺をするのですが、これは
現実でもありそうなことです。

病死や自殺が実は他殺っぽいという政治家のケースは
過去にいくらでもありますからね。あんまり荒唐無稽な
話とも言い切れないです。役人や政治家の突然死なんて
昔からいくらでも起こりうることで、本当のことは我々庶民
が知らないだけのことかも知れません。

RAINが暗殺した高級官僚の娘というのが後で登場して
きますが、これから話はさらに発展して複雑になって
いきます。まあ話の内容はこの辺までとしときましょう。

因みにこれは映画化されたようです。映画の中では
さすがに自民党なんてシャアシャアと言えないでしょうね。
あのゲイリー・オールドマンが出演しています。

HARRY BOSCHモノほどその気で読み込むかどうか判り
ませんがちょっとこのシリーズをしばらく読んで見ようかと。

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